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「また会おう」っていった フローリア

エモいってこういうことを言うんだろうなぁ、を体験した。

コロナ禍、エンタメはすごくすごく窮屈な状態を強いられていて、それは演者側も見ている側もだったと思う。(演者側はもっと深刻だったと思うけれど)
いろんな現場に行きがちだった私も、ご多分に漏れずチケットの払い戻しの嵐だった。
でも、待てども暮らせども状況は変わらなくて、円盤やオンラインで楽しむのが当たり前みたいになってた。けれど、今夜は違った。

UNISON SQUARE GARDEN LIVE (on the) SEAT
完全着席、歓声不可のLIVE。

ロックバンドのライブで着席無歓声なんて、と思われるかも知れないけど、いつも「君らは体をぶつけ合わないとライブを楽しめないんか?(意訳)」的な感じで「好きに楽しんだらいいよ、こっちも好きにするんで」バンドな彼らと我々には無用な心配だろうな、と思っていたし、実際無用な心配だった。
要はすごくすごくすごく楽しかったです。

以下、セトリのネタバレになるのでお気をつけくださいね。

タイトルは、オープニングにアカペラで歌ってくれたクローバーの歌詞。

「また会おう」って言ったフローリア。

彼らは絶対にまた直接会って、顔を合わせてライブをやろうって思っていたんだなぁ、て教えてくれるようなオープニング。
そこから続く曲たちは、これまで歌い続けてきたものから新曲まで色とりどり。このご時世だからこそ、意味深に受け取りたくなる歌詞が耳に残る。
例えばフルカラープログラムの

「ふざけろ!いつか終わる、悲しみは どうか忘れないでよ」

例えば誰かが忘れてるかもしれない僕らに大事な001のことの

「不安もあるけど希望もある きみさえよければねえ」

中盤以降は、いつもならはしゃぎ回るような選曲で、ステージ上はいつも通り。宏介の後ろをエビのようにベース抱えて滑っていく田淵よ…。
というか、客席も自由さでいったらいつも通りなのかも。腕を上げる人、席でうねうね踊る人、頭振り回す人、前後にリズムとる人、微動だにせず浸る人。
彼らの自由に楽しむっていうのはこういうことなんだと思う。傍若無人に動いたり誰かにぶつかったり揉みくちゃになることだけが自由でも、ライブの楽しみ方でもない。
後半になると、客席も解れてきて「楽しいよー!」の意思表示が上手くなった気がする。

最近はアンコールまでMCなしで最初から最後までぶっ続け、てのが多かったけど、今日は途中でMCが入ったのが印象的だった。対面の難しさやそれでもやる意義とか意味とか。私もそれに応えるために、次に繋げるために、クラスターにならないようにしたい。

最後の徹頭徹尾夜な夜なドライブ、ライドオンタイム、harmonized finaleの流れは楽しすぎたし、綺麗過ぎた。
夜な夜なドライブはいつもみたいに踊りまくったし、ライドオンタイムのあの多幸感。すごい、不思議なんだけど、会場全体が幸せ満載って感じ。顔見てないけど、絶対みんな笑顔だったでしょ、知ってるんだから。そして、アンコールはないよ的な意味合いもありそうなharmonized finale。でも、終わりじゃなくて、次もまた会えそうなフィナーレ。

ありがとう ありがとう ここからまた始まっていく

オンラインでもライブは楽しめるけど、会場に向かうまでのワクワクそわそわしたあの感じや、帰りに意外にも近所までライブTシャツ着た人がいたりして、こっそり嬉しくなったりする感じは、ライブを観に行かないと味わえない。
会場がステージに期待を募らせた熱気、始まった瞬間の爆発力、おわった後の一息つく瞬間。全部込みでライブだったんだなぁ、と痛感した。

私は、また、こんな風に彼らとライブ会場で会いたい。だから、マスクして手を洗って、人混みを少し避けて、ロックバンドもナマでやれる証明をしたいし、ちゃんと私も万全の状態で会えるようにしたい。
意外と世界を救うヒーローはそうやって、ちゃんと生きていく私たちなんじゃない?と大袈裟に思える最高に素敵な夜だった。



おいしくお酒飲みます!ビール!