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スクールカウンセラーの1日

 みなさん、こんにちは。
暑い日が続く中、子どもたちはいよいよ夏休みのスタートですね。わたしたちスクールカウンセラーも1学期最後の勤務を終えました。

 さて終わったばかりのこの1学期、スクールカウンセラーは学校の中でいったい何をしていたでしょうか。
 みなさんの中でスクールカウンセラーと直接話したことがあるという方もそれほど多くないかもしれませんし、ふだんの生活の中ではあまり見えてこないかなと思います。自分が子どもだった頃に母校にいたかもしれない、うちの子の学校にもいるみたい。でも、どんなことをしている人だかわからない… という方が多いのではないでしょうか。

 そこで、今回は朝学校に着いてから仕事を終えて帰るまでのある1日を振り返ってみようと思います。今の学校での規定の勤務時間は9:00〜17:30までの7時間45分です。


1学期のとある1日

8:45 出勤
出勤したらまずは職員室に。今日の校内予定と先生方の出張の予定などを確認します。(教職員の連絡事項が書かれた黒板があるのでそこをチェック!)避難訓練がある、何年生はこういう行事がある、校内委員会がある…など、今日の校内がどんな予定で動くのか把握は必須です。
また、先生と話すタイミングは何時かなとスケジューリングするためにも先生方の大まかな予定も確認します。

9:00ー9:20 予定確認と情報交換
今の学校の場合は、SC用の鍵のかかる引き出しに予約帳が入っています。新しく入った予約などを朝一で確認します。基本的に相談は予約にしています。ダブルブッキングを避けるためです。
それから先生方と1週間の間の出来事、子どもの様子について共有します。1週間に一度の勤務なので、こうして1週間の時間を埋める作業がとても大切です。でも関係する先生全員と朝の忙しい時間に時間をとって話すのは難しいので、養護の先生や副校長などと「朝来たら情報交換しましょう」「何時なら空いてますか」とあらかじめ打ち合わせておいて、そのとおりにお声掛けすることも多いです。

9:30ー12:10 相談時間
2時間目から4時間目、午前中の時間です。
今勤めている学校では、この時間は相談の予約が入っています。授業時間に合わせて相談枠を設けているので、中休みの時間も入れて午前中は4枠です。子どもの相談、おうちの人の相談、様々な予約を受け付けています。

12:15ー12:50 給食の時間
給食時間の過ごし方はいろいろです。職員室で先生方と給食を食べる日もありますし、必要なときは別室でランチミーティングをするときもあります。あるいは、ちょっとお話したい子や相談室に登校する子と一緒に給食を食べることもあります。(時間の過ごし方は様々ですが、学校で給食を食べられるというのはスクールカウンセラーの特典だな!と毎回思います)

12:50ー13:30 掃除の時間とお昼休み
少し長めに相談室を開放できるのがこの時間です。
休み時間の使い方は学校によってかなり違い、予約相談枠を設ける学校もあれば、その日に相談に来たい子が自由に入れるようにフリーにしておくこともあれば、子どもが遊んでもいいお部屋として開放する学校もあります。どんなお部屋の使い方にもそれぞれ意味があって、子どもたちのいろいろな姿を見ることができます。
子どもたちの来室がない日には、校内の子どもたちの休み時間の様子を見て回ります。

13:30ー15:10 相談時間
5時間目と6時間目、午後の相談時間です。
午前午後とも予約のない時間には校内の教室を見に行きます。たまたまそのとき困っている子に廊下で出会ったりすることもあります。相談室でお話をするとき、フリーに動くとき、それぞれ違った役目が出てきます。

15:10ー16:30 放課後の時間
放課後は日によって動きが変わってきます。
子どもやおうちの方の相談予約が入っている日もあれば、校内委員会や連携のための外部機関との会議が入っている日もあります。放課後は先生にも空き時間があるので、スクールカウンセラーとおうちの人との1対1だけではなく先生にも入ってもらって、一緒に相談の時間を作ることもできます。また、先生方と職員室などでお話しながら、クラスの子どもたちの最近の様子を聞いたりすることも多いです。
1日のうちでフリーに予定を組める時間はここであることが多いので、とても大切です。

16:30ー16:45 職員会議
学校によっては曜日ごとの夕方の会議が設定されていることもあります。子どもの様子や事件・事故などの情報が共有されるので、相談予約などが重ならなければ必ず出席します。スクールカウンセラーからのコメントを出す学校もあり、発信の場としても機能することがあります。

16:45~ 先生との相談・記録
先生の定時である16:45を過ぎると少し柔らかい雰囲気が流れ始めます。この時間に、先生方と学校の様子の話をしたり、クラスの子どもたちの話をしたりすることができます。
また、1日の仕事を振り返り、記録をつけます。記録は鍵のかかる引き出しに保管し、秘密がきちんと守られるようにしています。
記録を書き終えて、机の周りを整理したら、その日の仕事はおしまいです。

定時に帰れるかって?
・・・・そこはなかなか難しいところです!


 学校によって、スクールカウンセラーによって、1日の動きにはもちろんちがいがあります。でも、学校の中を行ったり来たりしながら全体を見ようと動いているのはどの学校のスクールカウンセラーも共通なのではないかと思います。

 スクールカウンセラーは、子どもたちにとって(あるいはおうちの人にとっても)人生で出会う最初で最後の心理士(師)になることもある、ということをいつも心に置いています。その心理士(師)との接点がいいものであることが、人生の中で「誰かに気持ちを話す」ということにプラスの影響を与えるといいなと思っています。
 2学期、学校の中でスクールカウンセラーに出会うことがあれば、「いま何してるところかな?」とぜひ予想してみてください。

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