聖地への道
ミャンマーの2大聖地のひとつ。
山の頂上に 見るからに不安定な黄金の巨岩があります
これが「ゴールデンロック」です。
揺れるけれど落ちない約7メートルのこの岩は、
特別な力を宿す仏塔として崇められており、
敬虔な仏教徒が多いミャンマー人にとって
大切な場所のひとつです。
視覚的にも強烈なインパクトがあるので
ツアー企画担当者としては
ぜひ組み込みたいスポットなのですが、
辿り着くまでの道が少々ハードです。
空港があるヤンゴンからゴールデンロックまでは、
車とトラックバスと徒歩で
片道約6時間以上かかります。
その山の近くにもホテルはいくつかあるのですが、
どれも日本人には少々厳しいレベルなので、
ツアーでは通常、日帰りにしています。
でも、もし見事な眺望のゴールデンロックのご来光や
美しくライトアップされた幻想的な風景が見たければ
山頂の山小屋で1泊することをおすすめします。
ヤンゴンから車で約5時間かけて
ふもとの街まで来たら
次は乗り合いの「専用トラックバス」に乗車します
トラックバスとは
大型トラックの荷台に座席を作った車で
一度に約50名ほど乗車することができます。
通常のバスでは勾配がきつくて上がれないので、
チューンナップしたこのトラックで人々を運びます。
いろは坂ばりの急カーブが連続する狭い山道を
猛スピードで上がっていきます。
えっ シートベルト?どんなもの?
保険の掛けられていない
古いジェットコースターに乗る感じで、
精神的にもドキドキ感が止まりません。
信頼できるのは自分自身の握力のみ。
前の人のシートの上についている鉄の棒を
力いっぱい握ります。
いつ外れるかもしれない錆びかかている鉄の棒を
しっかりと握ります。
逆にいうと、
屋根やシートベルトがついていないので開放感抜群!
全身で風を感じることができます。
走り出すとすぐその騒音にびっくりします。
常にローで踏み続ける「ヴィーン」という
けたたましいエンジンの音
カーブの度に乗客から「ギャー」と声があがります。
途中、数か所で休憩を取りますが、
この状態で頂上まで約45分揺られます。
帰りは下りになるので、よりスピードが増して、
楽しさも倍増します。
ちなみに特別料金を払えば
スペシャルシートに座れます。
運転席の隣の2席と後ろの2席のことです。
このスペシャルシートでは、
坂道を下ってきた対向車をギリギリのタイミングでかわす
ドライバーの卓越したテクニックを
目の前で堪能できます。
何キロ出ているのか
隣の運転手のスピードメーターを見てもわかりません。
メーターは、壊れているので常に0kmのままです。
当時のミャンマーは
乗用車の新車輸入が解禁になったばかりで、
新しいトラックやバスは
十分に入ってきていませんでした。
だから皆、輸入された日本車の中古車両を
自分で修理し、整備します。
逆を言えば、
自分でエンジンを付け替えて特別仕様にしているので
大勢の人を乗せてこの山を登ることができるのです。
通常の日本のトラックでは
この急な坂は上れません。
ちなみに「(有)〇〇運送」など
日本語で書かれていますが
現地では漢字を消しません。
日本の漢字は信頼の証。売る時に高くなるそうです。
通常のドライバーのテクニックでは
この坂は上がれないので、
この道はマイカーや観光バスも通行禁止でほぼ
この地のトラック協会専用道路となっています。
雨の場合は、
カッパを着てこのトラックバスに乗り込みます。
カーブでは
キュルキュルというタイヤの音が聞こえてきますので
より緊張感が増し、ハラハラ感が楽しめます。
おっと、カッパは持参しなくても大丈夫です。
現地の子供たちが笑顔で売りにきます。
雨の日はこどもたちのラッキーディ。
こどもたちがうれしくなるので、ぜひ買ってあげてください。
なんとか山頂の停留所に到着したら
トラックバスを降り
そこから参道を約20分歩きます。
おお~ やっと入口が見えてきました!
ゴールデンロックは非常に神聖な場所なので
ここからは裸足になります。
靴を脱ぎ、裸足のままでロックまで約10分間歩きます。
おお~ やっとロックが見えてきました!
クタクタになりながら目の前まで来た女性の方、
ごめんなさい。ここまでです。
女性はロックの3m以内には 近づけません。
男性の方だけこちらに来て、
自分が落ちないように気をつけて。
直接ロックを触ってみてください。
金箔を貼ってみてください。
ちょっと、お客様!
ゴールデンロックを押さないで。
押されても落ちないとパンフレットには書いたけど、
もし万が一落ちたら 国際問題になるかも知れませんよ。
はい!皆さん見ましたね。
帰りが遅くなるので 早く帰りましょう!
こんな感じで楽しめます。