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私が宅配便をあまり受け取れない理由

 最大8人も住んでるとなると、届いてくる郵便物や宅配便の数もそれなりになるもので。

 朝のゴミ捨ての後は、ポストチェックが欠かせない。住民に宛てたあらゆる通知がそこにたまり、開封のときを待っている。たまにご地域のポスティングチラシが入っているので、運営の方が回収するまでとっておく。

 玄関には住民ごとの書類棚があり、郵便物を仕分けて終わり。個々のチェックは各々に任せているため、よっぽどのことがない限りリマインドはしない。

 さて問題なのが、もういない住民宛ての郵便だ。住所変更などの漏れがあったときに発生する。知らない宛名の郵便が届くと最初のうちはぎょっとしたが、もう慣れた。「リバ邸大宮」と書いてあれば必ずうちなのだから。とりあえずは書類棚の横にあるファイル立てに収納する。

 旧住民がまだLINEグループにいらっしゃればラッキー、直接お伝えして取りに来てもらう。まったく足取りがつかめない場合は、運営に仲介してもらう形でお伝えして、やはり取りに来てもらう。キャンペーン広告はがきだろうと住民税のお知らせだろうと、何も変わることはない。

 宅配便もまあよく来る。住民は出不精か多忙かのどちらかなので、チャイムが鳴ればとにかく「はーい」と大きな声を出して玄関に行くようにはしている。しかし私はどちらかと言えば、2階で執筆作業や昼寝をしていることが多い。1階のピンポンには気づけないことがしばしばだ。1階にいる住民に受け取ってもらうか、宅配ボックスに入れてもらうか、そのまま持ち帰ってもらうかの3択になる。

 住民に受け取ってもらえれば万々歳、宅配ボックスもそんなに手間じゃない。問題は最後だ。特に、シェアハウスにいたにもかかわらず荷物を受け取れなくて、不在通知表を渡すときの申し訳なさといったら。再配達の依頼、めんどくさいですよね。

 宅配が多く届くので、捨てる段ボールの量もそれなりになる。毎週月曜の資源ごみの日はひいこら言いながらつぶれた段ボールを運ぶ羽目になっているのだ。うっかり寝坊や度忘れでもしたら、一週間分の段ボールが丸々台所に鎮座することになる。段ボールの仮置き場は女性用冷蔵庫の前にあるので、扉の開閉時は非常に邪魔くさい。段ボールはとにかく場所を食う。

 これでもまだ私の負担は少ない方だ。何せ、段ボールを事前に潰してもらっている。私が潰すのは自分で頼んだ宅配とリバ邸大宮に届いた補給物資の2種類だけだ。あの量が畳まれないでそのまま置いておかれるなんて、考えただけでもダルすぎる。マナーのいい住民たちで本当によかったと思う。

 指扇の周りには、食事処やドラッグストア以外の店があまりない。スーパーの上にある100円均一が関の山だ。そのため、食品・衛生用品以外のあらゆるもの――洋服や家具家電、大きめの雑貨など――が宅配で届く。いやあ便利な世の中だなあと思う反面、ますます外に出なくなるなあと腹の肉を摘まみ嘆く。しかし外に出ようという気は毛頭ない。先月Amazonで届いたばかりの、人をダメにするソファのパチモンに座って惰眠をむさぼる管理人なのであった。こうしてまたチャイムを聞き逃す。

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