開発学からの自立支援
国際貢献とか、海外支援とか。研究室の後輩達がODAの絡みで途上国で仕事をしていた事。学生の時にお世話になった先輩がJICAのシニアプログラムでチュニジアに滞在されていた事。恥ずかしながら『へぇ~』それくらいの認識しか持っていませんでした。ところが、開発学を通して世界を眺めてみれば、日本は歴史的に観て、唯一統治に成功したアメリカの植民地で、アメリカを初め西欧諸国の軍産複合体は定期的に武器を消費するために、いつも紛争地を探し、見つからねば自分たちで紛争地を作っている事がよくよく理解できるようになりました。それが第2次大戦後の世界で、今の烏克蘭です。
搾取される資源が有り、脆弱で政情不安な状態にある事が最も彼らの餌食になり易く、つけいる隙を与えないためにも途上国の支援はとても重要です。西欧諸国のモラル無しが世界各地で武器を売って紛争を引き起こし、世界中のモラルでその終わりなきケツ拭きに走り回っているのが、この不毛な地球の現状です。
さて、私、ケーキ屋に何が出来るか、考えました。きっかけは、NGOの財政立て直しを考えるワークショップにて、ICANというNGO団体の実情を包み隠さず教えて貰えた事です。フィリピンの路上で暮らす子供達に支援の手をさしのべる「子供の家」は、このICANが取り組む事業のうちのひとつで、今も帰る家の無い子供達に、親がいない子供達に、「ごくごく普通の子供の生活」を提供しています。その子供の家の卒業生達がパン屋さんを営んでいるのですが、こちらもICANが手掛けた仕事です。
『あれ?シフォンケーキの作り方マスターすれば、売上げも上がるだろうし、もっと自立しやすくなるんじゃね?それが途上国支援のゴールじゃん!』
Snowcafeのフォロワーの1割はインドネシアの方々で、現在のシフォンケーキは日本を始め、主に東南アジアの国々で人気を博しています。もちろん、この食感はフィリピンの方々の感性にも合致するはずで、Japanese fluffy cakeはきっと受け入れて貰えると信じています。
そんな事を考えていましたら、ICANの鈴木理事長から協力依頼のメールが届きまして、先日オンラインzoomで、フィリピンのKalye Cafeと日本のSnowcafeを結んで、ひとまず17cm型のシフォンケーキの作り方をレクチャーしました。
卵の事情、薄力粉の事情、オーブンの事情、気候の事情、色んな違いがあるけれど、それをひとつひとつ解決して、フィリピンの人々に支持されるシフォンケーキをKalye Cafeのスタッフと開発するのが、新たなSnowcafeの仕事です。ただケーキを焼いて売るだけじゃ無い、このケーキを使って何が出来るか?その視点、いつまでも忘れないSnowcafeでいたいと思います。
もし、この活動に興味を持って、応援をして頂けるのでしたら、それほど心強い事はありません。ナイフも型も送ってあげたいし、ボロボロのオーブンも何とかしてあげたらいいな、と思っています。
エネルギーの無い日本は鎖国して生き残っていく事は出来ません。ケーキ屋なりの取り組み方に気がついたので、これからチャレンジしていこうと思います。もし、失敗したら、この屍の上を乗り越えて、次の若者がもっと知恵を働かせて、次の時代を作ってくれたら、それが私の本望。
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