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腎臓病=塩分制限 だけではなかった

※ 以下の内容はあくまで私の体験談であり、個人的な意見も含まれていますので、治療予定の方や治療中の方はその点ご了承の上、お読みください。

SLEを発症した当初は血液症状だったため、食事制限は全くありませんでした。その後ループス腎炎を発症し、塩分制限が始まりました。最初のころは入院中は1日7gだったと思います。大部屋には糖尿病や腎臓病など食事制限が必要な子どもが多かったのですが、たまに食事制限が不要な子どもと同室になることもあり、「食事制限のない入院食」に憧れていたことを思い出します。こんなことを言ってはいけないのですが、正直なところ普通の入院食も決して美味しいとは言えなかったので、そこに制限が入ると食欲もわかなくなります。

腎臓病と言っても、種類や症状によって食事制限、食事療法は変わってきます。無知だったころは、「尿にタンパクが出るならタンパク質をしっかり取って補わなくては」と単純に考えていました。ループス腎炎が進行して、透析が必要な腎不全時の食事制限は本当に辛かったです。塩分は1日4g、タンパク質も極限までの制限に。水分は1日200~400cc(点滴で水分は補われているとはいえ、薬を飲む水分も含んだ量)、カリウム制限のため生野菜や生の果物は禁止。
タンパク質を制限しても、カロリーはしっかり取らないといけないので、油や糖で補う。当時の私は、子どもだったにも関わらず脂っこいものも甘いものも好きではなかったので「積極的にとったほうが良いもの」を食べることも負担になりました。

短期透析が終わって退院したあとも、なるべく同じような食事をするよう管理栄養士さんの栄養指導なども受けましたが、母は本当に大変だったと思います。食事に気をつけるだけではなく、食事内容と使用した調味料の分量を細かく記録していかなくてはいけませんでした。今のように「減塩、無塩の調味料や食材」も「食事制限がある人向けの食事」も一般化されていない時代でした。入院中は無塩の食パンなど食材そのもので減塩できていたけれど、一般に流通している食材はすでに塩分が含まれています。
母がよく作っていたのが、昆布とカツオ節からダシを取って減塩醤油を合わせた「ダシ醤油」。このダシ醤油を元に減塩とは思えない美味しい食事を作ってくれていました。

高校生の頃からは、自分の体調がそれなりに安定してきたのと、今までの反動から少し生活もルーズになり、食事もあまりきちんとした制限をしなくなりました。友達付き合いやライブハウス通いに夢中になっていた頃で、20歳を過ぎてからはアルコールもしっかり飲んでいました。今考えると、一番体に悪い生活をしていたなと思います。

本当はきちんとした食事制限をしなければならないのだと思いますが、今は食事量を調整したり、外食や加工品が増えてしまった場合は、1週間単位で考えてみるなどストレスになりすぎないようにしています。


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