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内面の発見と肩透かし

またダーニングした。これは半返し縫いで生地を補強するやりかた。それだけで補強されるのか…と思うけど、たしかに強くなってる感じ。

高野文子の、裁断するときの布と鋏の動き、縫い物をするときの針の動き、それだけを描いたマンガがある。タイトルは忘れた。単行本に入ってないような?コミックキューの創刊号に載ってたやつだ。あれを思い出して、最高に好きなマンガ家は高野文子だなと、思う。他にも好きなマンガ家たくさんいるけど、ベストワンは高野文子。

小説家は柴崎友香。いつか、柴崎友香に会って、そのことを伝えたい。

夜に、ばあばにテレビ電話をかける。子どもが靴下を持ってきて、画面に映して、「これね、おかあさんがね、チクチクしたの」とばあばに見せていた。

! わあ、なんか、見せてる。嬉しい。

さらにその後、夫が帰ってきたとき。「あのね、これ、おかあさんがチクチクしたの」子どもが靴下を遠くから持ってきて夫に見せて、「これと、これもね」もう片方の靴下と、ズボンと、クッションの上に並べてお披露目した。

!!!!!

なにこれ。嬉しい。子どもの内面に他者みたいなものを感じる。自我があるってことは、日々の、自分でやりたかった、自分で自分での泣きわめきにほとほと思い知らされているけど、それとまた違う、わたしがつくったものに子どもなりに何か感じることがあって、いいと思って、人に見せたいと思って、帰ってきた夫に何よりまず先にそれを報告してる、そういう内面があって、このチクチクした靴下を気に入ってるんだってことに、それはもう、ものすごく感動した。

じわじわじわじわーっと満たされるものがあった。内面を発見した新鮮さと、喜んでくれてる嬉しさと、わたしが、そういうふうにされる対象になる、驚きのような。めちゃくちゃ嬉しい。なんだこれ。

そして翌朝。

「チクチク靴下、履いてこうね〜」
「チクチクはかないよぉ。くろ、くろいのがいいよお」

履かないんかーい。



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