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「生理は個性」の代替案

facetimeでの実家とのやりとりで、最近調べている北欧の福祉国家システムについて話すと、3月まで公務員だった母が「そうはいっても権利意識ばかりで休まれると、休まない方ばかりに負担がかかる」と言う。

「コロナで子どもが家にいるからって休む人が多くて、子どもがいない人が本当に大変だったのよ」

「制度的に休んでいいなら、休んで何の問題もないじゃん。お母さんは家におばあちゃんて主婦がいたから子どもの事情で休まないといけないことがなかっただけだよ」

「だって小学校4年生5年生になって親が二人とも休む必要ないでしょ」

「それぞれの事情があるんだから休み方にまで口挟むのはおかしいよ」

職場の事情はわからないからわからないけど、でも日本てこういう感じだよなと思う。とにかく、休みにくいというか、休めないというか。

制度的に休んで良いのに人が休むと回らないのは、仕組みの問題だ。臨時で人を雇うか、停止する業務を仕分けする、それで被る不利益はみんなで痛み分けだと思うのだけど、どうも個人が頑張る方向へ向かう。それで不満が溜まる。

母は合理的な考え方をする人だけど、それでも他人の休む基準についてあれこれいうのやなと思った。そういう人が基準の相容れない人と話し合ったところで、分かり合えるとはやっぱり思えない。話すほど「なんでその程度で?!」とイライラするのではないか。

それぞれに大変なまま相互理解しよう、というのは難しいと思う。それより、考え方はそれぞれであるまま大変じゃなくなる方法を一緒に考えよう、というほうが、良いのではないかな。

生理用品の会社のキャンペーンも、生理をキラキラコーティングするより、キャンペーンをやめて担当部署の仕事量を減らして定時で帰って休んで、生理の苦痛を軽減する情報交換をオープンにして、そうして半年過ごしたら生理に関する苦痛をもたらす諸症状が軽減しました(たぶんする)、という実証実験結果を簡素なパッケージと一緒に世に問うほうが、インパクトがあって、売れそうじゃないですか。

実験期間:半年  
・キャンペーンをやめることで販促部の仕事量を軽減
・定時で帰る、有給を消化できる、休みたいときに休める仕組みにする
・スカートにパンストにハイヒール等の冷えやすい服装ではない、血流を妨げないコンフォートな服装の推奨
・冷房温度は女性が心地よい温度設定に、夏にカーディガンを羽織る人がいないことを目指す(男性と女性で希望温度は違ったりする)
・断熱のしっかりした建物に住むことの推奨
・生理についての情報交換の場の設置、良さそうな情報は試すことを推奨
・推奨するものについて、必要であれば補助

これをやったらたぶん良い結果が出ると思う。無理がたまると生理がとまったりするのだから、働き方やストレスとかの精神的なものと生理って関係してる。冷えはほんとうに大敵で、冷えてると器官の働きが弱くなるから、その状態で頑張ることが痛みとして生じてることって、思ってる以上にある。時間に余裕があってオープンに話す場があれば、各人が持ってる良い情報、食べ物とか運動とか漢方とか頼りになる婦人科とかが色々集まって、試して、また共有してって好循環が生まれる。忙しすぎると情報収拾もままならない。

で、パッケージはAesopとかthreeとか化粧品だとわりとある簡素だけどおしゃれな路線のデザインにする。夜とか昼とかサイズとかで色を変えて、直感的に惹かれる色のバリエーションとわかりやすさを兼ねる。棚にあったらすごく目立つと思う。

それを実証実験の結果と一緒にリリースする。

生理は個性というのは、ある意味ではやっぱりそうで、どうにもならない自分の身体を受け入れることは、それはそれで必要なこと。でも身体に備わってる機能を「苦痛」にしてる社会環境や労働環境や文化や自分でも気づいてない住環境とかも色々ある。苦痛のまま個性にするより、できるだけ苦痛を軽減する道をって、思います。

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