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買い物から料理まで

これまでわたしは冷蔵庫を空っぽにするのが好きだった。野菜肉魚を1週間分買い物して、つど使い切る(のこるときもある)。冷凍庫はほぼ使わない。数日前まで、入ってたのは保冷剤とふるさと納税で届いた牛肉と豆腐のおまけにもらったおからだけ。あとあったかくなったらアイス。

備蓄もなし。なくなりそうだったら買いに行く、もしくはなくなってから買いに行く。塩がなくなったら醤油で、もしくは味噌で、またその逆で、砂糖がなくなったらはちみつで、味醂で、代用して次の買い物まで耐える。家で仕事しているので、あると食べてしまうから、レトルトとか冷凍食品とか缶詰とかもほとんどなかった。あるとおかしな量を一気に食べてしまったりするので。

それでいると買い物も楽で、スーパーの外周だけくるーっと歩いて、旬で安くなってるものを適当に手にとって、野菜と大豆製品と魚介と肉と乳製品と卵と食パンだけ買えば良かった。料理は冷蔵庫のそれぞれの部屋から野菜だったらきのことか海藻も含めて数種類、肉か魚は1種類出して、味噌汁と、焼くか煮るか炒めるか、甘じょっぱ醤油味か塩味か味噌砂糖かトマトかたまにバターやコンソメや豆板醤と甜麺醤やバルサミコ酢とかも使いつつ、素材と調理方法と調味料の組み合わせでそれなりにバリエーションができるから、人が集まる時は別だけど、普段は献立を考えることがなくて、ほぼ自動的に作っていた。子どもが生まれてからはそういうシステムでやっていた。

子どもが生まれる前の一年間の主婦期間みたいなときは、今思い出すと信じられないけれど、ほぼ毎日買い物に行って、世界中の料理が載ってる本を買って、毎日新しい料理に挑戦するみたいなことをしていた。それはそれで学びや新鮮さがあって楽しかったし、どこをおさえればいいのか、簡素化のための家庭レベルの下地もできたような気がする。

でも去年の秋に台風がきて、ちょうど神奈川の実家に帰っている時だったので避難勧告を受けて、被災した街にも行ったことで防災への意識ができて、それで備蓄なしでは自宅での避難生活ができないからダメだということになって、防災グッズあれこれと、日々食べて動かしながら備蓄しておくローリングストックという手法のために、レトルトと缶詰はそれなりに置いておくことになった。でも冷蔵庫の中身は変わらず、冷凍庫はほぼ空だった。電気が使えなかったら冷蔵庫も意味ないからね。

それが今回、罹患したら買い物に行けないなってことで、さらに調味料の備蓄と、冷凍の備蓄も増やすことにした。冷凍食品と、肉魚と、野菜も切って保存袋に入れて。それでうちの冷蔵庫生においてはじめて、冷凍庫がパンパンという事態になった。

冷凍室の野菜肉魚と野菜室チルド室の野菜肉魚をどういうシステムでまわしていけばいいのかはまだよくわかっていない。今はただ複雑になってしまったなあという気持ち。



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