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本質に心を寄せること:患者さんの理解の難しさ

脳神経外科では突然の発症で、今までの人生が急に自分の手から取り上げられるようなお立場になられる患者さんが多い。

人生設計なんて、本当にわからないものだな、と思わされる。

そんな患者さんは時に、自分を受け入れられず、様々な訴えをされることが多い。

だが行政が絡むこと、様々な制度に頼らざるを得ないことはさらに思い通りにいかないことも多い。

それをなんとかしてくれというのは、「答えのない答え」を求めてきているに等しい。

そこで、それを「説得したり」「理解させようとしたり」するのが

いかに無駄で、さらに心を傷つけていくのかを意識しなければいけない。

枝葉末節の訴えのみに、焦点を当てることは結局解決にはなっていかないばかりかケアする側が、底なし沼に陥り疲れるだけである。

本当は、「ただ辛い」「誰も自分を支えてくれない」、という悲しい気持ち、どうしようもないことを知っていて聞いてくる行為からはそこを深く感じる。

解決されないその寂しさ。

まだまだ受け入れたくない自分の障害。

これは私たちは一生わからないのかもしれない。

だからこそ、「説明」や「説得」は無意味なのだ。

必要最小限の説明と、心からの励まししか、その人の気持ちにはハマらない。

他者理解というのは、本当に難しい。だから、考え続けるしかないのだ。

だから、仲間とともに関わるしかないのだ。

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