ト書きセリフ起こし_その4「地球温暖化が問題の現代 から 地球寒冷化が問題になっている異世界に 転生したお話」
【寒冷化対策会議中に扉が開き転生者がキッチン用ワゴンを押して入ってくる】
転生者「す、すみません遅れました」
宰相「おう、気にするな。転生者の嬢ちゃんが会議にいなくても何も支障ない」
転生者「・・・」
「あの今日はみなさまに試食していただきたい物がありましてその準備で遅れました」
老大臣「試食?米粒パフェなら、わしゃ結構じゃぞ」ニヤニヤ
ーーー
【テーブルの上に皿がおかれウィンナーが
"左横"にはビールが置かれているカット】
議員「肉料理のようですが何の肉ですか?」
転生者「………"獣肉"です」
議員「獣肉か…」
議員「祭祀(さいし)の時に食べる地域はありますけどね」
転生者「肉をすりつぶした後、その肉を腸に詰めて作ります」
宰相「ほー、そりゃ随分と手の込んだ料理だな」
【ウィンナーにフォークを指すと"プツン"となる描写】
宰相「!?」
【宰相が口に運び噛むと"プツプツ"となって肉汁が垂れる描写】
宰相「こりゃ美味い」
議員「食感が良いですね」
老大臣(モグモグモグ・・・)
ーーー
議員「このお酒苦くて飲みづらいですね」チビチビ
【ビールを一気飲みする宰相のカット】
宰相「ぷはー、チビチビ飲まずに一気にいくと結構いけるぞコレ」
議員「ホントだ。苦いのに渋みはなく爽やかですね」
宰相「だろ」
【ワイワイガヤガヤしている描写】
転生者(感触は悪くない。本題を言わなきゃ…)
【転生者の後姿を眺める宰相のカット】
宰相「で~っ、転生者の嬢ちゃん。要件はなんだ?」
転生者(ビクッ)
宰相「昼から酒飲ませて余興もなしにお開きじゃないんだろ?」
転生者「…は、はい"件牧場"とその隣に麦の栽培、隣接にビール工場の建設を希望します
工場から出た搾り粕(仕込粕)は件(くだん)の餌として利用する予定です」
老大臣「なんで件(くだん)を飼う必要があるんじゃ?」
転生者「はい、件(くだん)はこれの原料だからです」
【ウィンナーを指さす転生者】
老大臣「・・・」
転生者「・・・」
老大臣「お前なんちゅうもんを食べさせるんだ」
宰相「大臣の爺さん、あんた一番食べてただろ?」
転生者「高原にある牧場は寒冷化の影響でダチョウの繁殖が落ちていると聞きます」
「その牧場を件(くだん)牧場にして再建できないでしょうか?」
宰相「件(くだん)の肉は少しオフザケが過ぎるが…
まぁ、余興としては"悪くない"な」
【宰相が目を閉じる。周りも黙り宰相の採否を待つ】
転生者(みんな急に静かになった)
転生者「あっ、あの」
議員「しっ、宰相殿が"悪くない"と考え込むときは採否を下すときです」
【しばし考え込む宰相の描写】
宰相「・・・やはり駄目だな」
転生者(ダメか・・・)
宰相「牧場の建設では足りない」
「南北の極地にある水蒸気開発2基の運転を停止。
そのまま費用と人材を牧養(ぼくよう)と穀物の栽培に転換する」
転生者「・・・えっ?」
老大臣「なっ!?気は確かか宰相」
宰相「あぁ大臣の爺さん、あんたより俺はボケる歳じゃねえよ」
「転生者の"お嬢さん"が作った件(くだん)の肉のソーセージと
麦からつくったビールは必ず売れる」
老大臣「売れるって、われわれは居酒屋の経営をしてるわけじゃないぞ
お前みたいなヤツに宰相を任せていたらこの国は終わりじゃ」
宰相「そこから出た純利益はそのまま地球寒冷化対策にまわす」
【ハッとする老大臣とチラ見する若大臣のカット】
宰相「この戦(地球寒冷化)はどう転んでも長丁場だ。
運用費だけ掛かる水蒸気開発に投資していたら世界の前にこの国が終わるー
ーとまあ俺の大局観が申しているのだが若大臣"君"
軍師としての君の算術にかかるとどうだ?」
若大臣(・・・・)1コマ
(・・・・)2コマ
「・・・妥当かと」3コマ
宰相「だろぉ~う」ニヤリ
老大臣「ぐぬぅぅぅ、もう知らん!帰る」
若大臣(ジーーー)
転生者(どうしよう怒らせちゃった。そしてなぜ私を睨む)
宰相「大臣の爺さんなら明日になったら忘れてるから大丈夫だ」
「しかしあんな旨いものよく作れたな」
転生者「私の家精肉屋なんで、ビールも果実酒製造の方が試行錯誤してくれました」
※回想シーン挿入ーーーーー
製造者:へぇ~お酒なのに甘くないの?
転生者:はい、苦くて泡立つんです
ーーーーーーーーーーー
宰相「そうか、なら肉の加工方法は転生者の嬢ーーーっと
"転生者殿"にご指導願おうか」
転生者「‥‥」
「はい!」
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