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ガクガクブルブルの賢者

ああ、やっぱりさ、すごく心が疲れているんだよ
いまのわたしは。

だけれども、誰かに寄りかかって泣ける時と、泣いてる場合じゃなくて、そんな姿もみせないように踏ん張る時ってあるじゃないか、人生には。

今は後者だ。

若い時は、踏ん張るって決めたのに踏ん張りきれなかったり、踏ん張りすぎて、崩壊したりした。

いや、歳も40を超えたら、踏ん張る時は自分も崩壊しないように、コントロールしつつ、踏ん張れるようになるんだな。というか、ちょっとやそっとの困難じゃ、たぶん、気合い入れるまでも、なく乗り越えられちゃったりしてるんだよ。

経験値ってやつかな。

自分の特性を理解している。何がダメで、どこまでやると壊れるか。うまいこと、間をすり抜けて倒れそうなジェンガを途中でずるして倒れないように直している小人のようだ。

頭のなかで、エネルギーの無駄使いをしないようにそろばんをはじく。

例えば今日、子どもにやらせたい宿題をやらせるパワーを使う分、明日の踏ん張りに回すために見ないふりをする、とか。

本当は旦那にサラダをたべさせたいけど、倒れそうなほど疲れてるんだから、きゃうりスライスにして手を抜くとか。

ほんとは、もうお風呂に入れる時間の娘に声をかけられないでいるとか。

無理なんだよ。とっておかないといけないエネルギーがある。いまはわたしが踏ん張るとき。わたしは疲れたと言っちゃいけないとき。

さあ少しずつ元気玉を集めて、いよいよ、いよいよ、そのボスキャラ倒して、安楽の向こう岸へ渡ろう。

それまでわたしはガクガクでブルブルの両足に魔法をかけて、さぞ、堂々と立ち振る舞う賢者のようにスッと背筋をのばして毎日に立ち向かっていくんだよ。

おら、ちゃんとだまされてついてこい、おまえたち!

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