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ふりさけ見れば春日なる

えらいことになった。
「この時代の御神行をした人たちの
和歌選集を残す」
と、師匠が言い出した。

師匠というのは
山蔭神齋80世の表博耀宗家の事で。

霊山登拝やご神行をすると
潔斎明けの直会で和歌を詠まされる。

宗家がお氣に入りの和歌

「天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に 出(い)でし月かも」

遣唐使・安倍仲麿が
十数年ぶりに日本に帰国が許され
開催された宴で読んだ望郷の句(古今和歌集)だ。

普通の解説を読むのと
宗家の解釈は全然違う。

この、「ふりさけ見れば」は
はるか見渡せば とか
遠くを眺めれば と現代訳されているが

宗家が訳すと
「星が降ってくるほど
夜空が裂けて見える」
となる。独特だ。

そんな夜空を見た事がないと
そういう解釈にならないだろうな。

今週末は天川村に入り
男性は大峰山に、女性は稲村ケ岳に
それぞれ登拝する。

山に入る時には2礼3拍手。
お酒を撒いて祝詞奏上、勤行すると
山が静まる気がする。
迎え入れていただき、登拝中の6箇所で
宗家が詠んだ和歌を奏上する。

和歌は風景と情感を重ねる
言葉のスケッチ
すごい文化的だ。
日本文化の最高峰に思えてきた。

「選集」というのだから
本当に修行者の和歌選集を
形に残すことになっても
私の拙い歌が選ばれることはないが
いつまで経っても
情感のある歌が詠めないのでは情けない。

このnoteの世界で
和歌の先生を探して
馴染むところから始めようか。
何年かしたら
ましな歌を詠んでいるはずだ。













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