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「開けごま」 〜呪文の考察

「みんな呪にかかってんねん」
コロナ禍が始まった頃に
師匠がそう言った。

世界中が
国家やマスメディアによってかけられた
「呪」で様変わりした。

「開けごま」だな、と思った。
千夜一夜物語では、
盗賊が盗んだ財宝を洞窟に隠し
その入り口に呪文をかけていて
閉ざされた門がこの呪文で開く。

現代は、「呪」の力が大きくなって
瞬く間に世界中、文明をも変化させ得るのを
私たちは見たのだと思う。

何故か。

言葉の伝達が早くなり
言葉による情報の波が次々に来て
思考力が追いつかないで
溺れている。

情報量に対して、
実際に経験、体験出来ている事が
圧倒的に少なすぎて
溺れている。

こんなにみんなして溺れていたら
アトランティス大陸でなくても
沈没したのも同様だ。
もうすぐ、文明は新しくなるのだろう。

アリババは、たまたま盗賊が
「開ごま」と唱えている場面に出くわした。
この洞窟が財宝の隠し場所だと知って
盗まれた財宝を盗み出し、
大金持ちになった。

ところが、これを聞き出した兄は
同様に洞窟に呪文を唱えて入るが
出る時にすっかり呪文を忘れてしまい
帰ってきた盗賊たちに見つかって
殺されてしまう。

ずっと、何故この兄は
こんな大事な呪文を忘れてしまったのか、
欲に目が眩んで財宝を盗もうとしたのは
アリババも兄も同じなのに・・・
と釈然としなかった。

「体当たり」していない事は
忘れやすいという事を
執行草舟先生が仰っている。
執行先生の脅威的な記憶力は
全て、体当たりで生きているからだという。

同じく師匠、表先生の記憶力も
執行先生に匹敵する。
3歳から修験道を歩んできて
全てを修して験じてきたのだから
人生が体当たりそのものである。

自分の経験・体験ではない
人に聞いた程度の話は
記憶に定着しにくい、確かにそうだ。

意図してか、せずにか、
毎日毎日、繰り返し繰り返し、
メディアは「呪」をかけ続け
決してそれを忘れぬよう
自分の頭で考える間を与えず
沢山の人の溺れている状態が作り出された。


でも、良い「呪」もある。
だから、上手く使えば
世の中も人生も好転できるってこと。

呪文は言葉

やはり、
始まりも終わりも言葉
開けるのも閉じるのも、言葉という事だ。





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