オンラインレッスンとオンラインパートナー

今回はちょっと宣伝というか、自分の現在の仕事の話をしたいと思います。まだ始めて間もない部分もあり、書きながら課題を見つけてより良いものにしていきたいという思いもあります。

例によって長文なので目次をつけています。オンラインレッスンとオンラインパートナーの方法についてはこちらで説明しています。

ライブ三昧の日々から

2020年の5月からオンラインレッスンと配信のプログラム「Chiei live & lesson」を始めました。

これまで対面での個人レッスンやワークショップなどで、気が付けばもう15年くらいギターを教えています。教えるのはもともと好きなのですが、実は自分のホームページを昨年リニューアルするまで、ギターのレッスンを前面に掲げたことがありませんでした。というのは30代までの私の活動はライブ中心で、かなりの時間をライブ会場やコンサートホールなどの「現場」で過ごしていて、毎週〇曜日にレッスン、という安定したスケジュールを組んでこなかったからです。

2019年までのライブ履歴を確認したところ、北は北海道から南は沖縄まで44都道府県で演奏する機会をいただきました。レコーディングスタジオでの録音を主な仕事とする「スタジオミュージシャン」に対して「ライブミュージシャン」と呼ばれたこともあります。

ちなみにまだ演奏していないのは奈良県、鳥取県、島根県のみ。いずれもプライベートでは行ったことがあります。もしこの状況が落ち着いたらぜひ演奏したい場所です。

一番多い時で年間150ステージくらい、定員10席くらいのバーから大ホールまで、1200以上になるでしょうか…我ながらこれだけの数をよく演奏してきたと思います。これは本当に感謝しかありません。しかも自分のソロライブというよりも、多くの演奏家の方のサポート、あるいはバンドメンバーとしての出演だったので、ひたすら演奏スキルと現場での対応力を鍛える日々でした。さらにご縁のあるアーティストからレコーディングの機会をいただいて、CDや映像、ドラマの劇伴などを含めると、これまで50以上の作品に関わってきました。

…それがこの1年、ほぼすべてがなくなるという状況を経験しました。キャンセルや延期が相次いだだけではありません。自分の場合はもともと出身地である関東など、愛媛から出張しての演奏が多かったので、新規のスケジュールを組むのがとても困難になりました。今の場所に住み始めてから7年間なんとか継続してきたサイクルが成り立たなくなったということです。

もちろん地域に関わらず、かなりの割合のミュージシャンが大きな影響を受けていると思いますが、それでも状況が落ち着いたタイミングでうまくスケジュールやルートをやりくりしながらツアーを再開している人もいたり、積極的に配信をしている方もいるので、いろいろな意味でかなり「個人差」が大きいです。「格差」という表現は適切でない気がするので使いません。

本当に人それぞれ工夫をしていて、SNSや動画を見てみんなすごいな~と思いつつ、こうしてミュージシャンの状況を語る私が一番活動できてないかもしれない、とにかく試行錯誤しながらなんとかしようとしている感じです。しかしここまで大変になっているとは、1年前の時点で、もし来年も続いていたらやばいよね…とまさにおそれていた状況がここにある、というのが現状です。今でもちょっとマイナス思考になると

「この20年、何をしてきたのか、何をしてこなかったのか」
「1年以上あったのだから、もっとどうにかできたんじゃないか」
「今の状況を抜けたとしても、その時自分はギターを…」(以下略)

自問自答というか、もはや自虐ネタはいくらでも出てしまいます。今はとにかく次に演奏できる日のためにどれだけ成長できるか、これまでやってきたことをどう発していくか、もっと根源的には健康状態を改善しながらどう生きていくか、というテーマはこの1年間変わっていません。ちなみに音楽活動ができない期間は、ずっと妻の事業のサポートをしています(家事の一部を含む・現在進行形)。 ※1

オンラインレッスンをはじめたきっかけ

そんな中、2021年の3月に長年の友人、家族のように親しくしてもらっている津軽笛奏者の佐藤ぶん太さんに青森に呼んでいただき、久しぶりに演奏しました。当時は青森でも愛媛でもちょうど状況が落ち着いていた(今思えばすごくギリギリの)タイミングだったので、お客様にも楽しんでいただいて、私たちも心から楽しんでその場を過ごすことができました。

ぶん太さんと直接の共演は1年ぶり、昨年春以降の仕事が全キャンセル・延期になる直前のイベント以来でした。でもその間にリモートでの共演、こちらで録音した音源をぶん太さんに送ってライブ配信で使ってもらったり、電話やZoom(ビデオ通話)での打ち合わせもあったので、そんなに久しぶりの感じはしませんでした。

ということは、オンラインとかリモートというのは「やっぱり生演奏にかなわない」けど、「生演奏はいいね!」につながるツールとしては最高なんじゃないか、と考えるようになりました。実際に久しぶりに会うと、なんかいつもテレビで見ている人に会ったような不思議な感覚になります。

ぶん太さんを間近で見てあらためて、本当に「ピンチをチャンスに変えてしまう」、しかも自分だけでなく「みんなのピンチもチャンスに変えてしまう」人だと思いました。実際に青森県弘前市の専求院(せんぐいん)というお寺でのライブ配信の翌日、もう朝から晩までオンラインレッスンをしていて、生徒さんの吹きたい気持ちに応える、さらに吹きたくなるモチベーションを全国に広げているのを目の当たりにして、やっぱりすごいなと思いました。

そのぶん太さんから1年前、オンラインレッスンや配信を始めるきっかけをいただきました。その1つが「オンラインレッスン商店街」という、ぶん太さんにゆかりのある演奏家や笛奏者の方が「出店」するという試み。講師陣のリモート共演で朝木奏多さん作曲の『風の声が聴こえたら』をリリースしたり、オンラインイベントなどもおこなわれました。

ちなみに私の最初のソロライブ配信もこのオンラインレッスン商店街の2020年の「夏フェス」のプログラムの1つとして開催しました。「オンラインレッスン商店街」は2021年8月で解散することになりましたが、同じように大変な状況にある演奏家それぞれの思いを共有して、音楽を届ける機会をいただいたことに本当に感謝しています。

オンラインレッスンがきっかけで実現したこと

オンラインレッスンを始めてから間もなく、最初にレッスンを受けてくれた方…前から教えていた生徒さんではなく、本当にオンラインレッスンがきっかけで受けてくれた方がいます。その方は京都でプロとして活動している正木良久(まさき よしひさ)さんで、すでにご自身でもオンラインレッスンもしているので、私にとってはむしろオンラインレッスンの先輩になります。

正木さんはアコースティックギターでポップス、ロックやブルースが専門なのですが、「南米のリズムを学びたい」と連絡をいただきました。その時はちょうどオープン記念の無料キャンペーンで体験レッスンをしたところ、「このまま追加料金で通常レッスンに入っていいですか?」それがきっかけでいろいろな南米のフォルクローレのリズムを学びたいとすごく熱心に取り組んでいただいています。

それが2020年の10月下旬、これもちょうどイベントができるようになっていたタイミングで、とうとうリアルライブに呼んでいただきました。京都の歴史的な町家「ちおん舎」さんで、正木さんがユニットを組んでいるケーナ・サンポーニャ奏者の勝野勉さん(私もすでに10年以上ご一緒しているご縁があります)と3人でライブをしました。

私は前述のオンラインレッスン商店街のCM動画で「いつか仲間と演奏できる日のために、最高の準備をしましょう」というようなコピーを言った覚えがあるのですが、それを自分で叶えてしまった瞬間でした。今や大切な仲間となった正木さんには本当に感謝しています。

その後も2021年の7月末に(これもギリギリのタイミングでしたが…)関西でユニットのCD準備のためのライブにも呼んでいただきました。秋にはレコーディング予定で楽しみにしています。「正木良久 ギターの旅チャンネル』でリモート共演した動画もありますのでぜひ観ていただけたらうれしいです。

オンラインパートナーを始める

さて、オンラインレッスンとは別に、この1年間に何件か新しくレコーディングの依頼を受けて録音していました。演奏仲間のCDや動画、自分の生徒さんも含めて、笛を演奏する方や歌を歌われる方からの「この曲を智詠さん(智詠くん)のギターで演奏したい」という依頼でした。とてもありがたいことです。

確かに、今は小規模ながらも自分の経験や知識をオンラインで伝えようとしていますが、もともと得意なのは他の表現者をサポート・アシストすること。ならばそれをプログラム化してしまおうと思い立ったのが「オンラインパートナー」です。

思うように練習ができなかったり、オンラインを使いこなせない方でも、音楽でつながる楽しさを共有できるきっかけになればと考えています。主な内容は

1・演奏の練習相手・リズム等のアドバイス
2・録音・動画の制作サポート

の2つになります。リアルで共演できるようになったときのための備えでもありますが、何よりも音楽を演奏して文字通り「楽しい」時間を作りだすことを目的としています。

オンラインレッスン&オンラインパートナーの方法

ここからは実際にオンラインレッスンやオンラインパートナーで私が使っているシステムをご紹介したいと思います。文章だけだとなかなか伝えるのが大変ですが、実際にいくつかの方法を書いてみたいと思います。オンラインレッスン・オンラインパートナーともに、「Zoomミーティング」または「SYNCROOM」で接続します。

①~④ オンラインレッスン向け
②~⑤ オンラインパートナー向け

①【Zoom】 スマホ・タブレットまたはノートパソコンのみ

オンラインレッスンで一番簡単なシステムがこれです。すごくシンプルですが、これで実はレッスン可能です。タブレットやパソコンでビデオ通話でつなぐだけでレッスンすることができます。教える側も受ける側も、とりあえずこれでできます。

例えば30代以上の方なら、パソコンのキーボードを打つ→メールの送受信→ブログを書く→スマホの操作→SNS…という感じでITに触れてきたと思います。その延長線上のような形で、とにかく慣れることが大事です。実家の両親とビデオ通話したり、テレワークですでに使いこなしている方も多いと思いますが、まずは苦手意識やハードルをなくすために、まずは「つないで」みましょう。

私もオンラインレッスン等を始めるにあたっては、こういう一番シンプルな形をイメージしてから、カメラやマイク、これまでライブやレコーディング用に使った機材を組み合わせて、レッスンやリモートでのやりとりのシステムを作ってきました。

ただし、ギターレッスンの場合、笛や外国語などのレッスンよりも「引き」の映像、ギターを抱えた姿が映るように少し離れたところでやりとりしなければならないので、可能ならできるだけ大きい画面がおすすめです。

もしスマホしかなくて、画面でこちらの様子が分かりにくいと感じる場合は、こちらでカメラを切り替えるなどして、手元のアップなどを映してお見せすることもできます。Zoomアプリのセットアップや使い方が分からない場合はもちろんこちらでサポートいたします。

②【Zoom】 パソコン+USBマイク+ヘッドホンを使う

もう1段良い環境でつながるためには、マイクを外付けにするという方法が良いと思います。通話だけならパソコンやタブレットでも十分ですが、楽器の演奏でしたらマイクを通していただくと、より正確なニュアンスが伝わりやすくなります。ここからはパソコンを使ったシステムで組んでいきます。

「オンラインレッスン」でおすすめなのが「USBマイク」です。この1~2年で様々なメーカーがUSBマイクをどんどんリリースしていて、安いものですと数千円台~1万円台半ばくらい、高くても2~3万円台で手に入ります。業務用だと1本〇万円以上するマイクを出しているメーカーが、USBマイクだとかなりお手頃価格になります。パソコンにそのままつないでレッスンや録音ができてしまいます。

なおUSBマイクを使う際は必ずヘッドホンが必要になります。マイクに直接つなぐことができますので、ハウリング(スピーカーと反応してワオワオキーンとなってしまうこと)を防ぎます。実際にこうしたマイクを使用してギターレッスンをされている先生方もたくさんいらっしゃいます。

③【Zoom】【SYNCROOM】 
パソコン+オーディオインターフェイス+マイク+ヘッドホン+Webカメラ

ここからは一気ににぎやかになります。オンラインレッスンではある意味フルスペックでの構成です。オンラインパートナーの場合はこちらの構成をおすすめしています。あくまでご予算が許す範囲で…やはり高い買い物になるので、一番手ごろなものから始めて、もし長く利用するなら少しずつアップグレードしていくのがいいと思います。

ポイントになるのは「オーディオインターフェイス」という機械。音の出入りを管理する機材で、パソコン内部でやっていた音の管理を全てまとめます。マイクを差し込んで、スピーカーやヘッドホンもこのオーディオインターフェイスにつなぎます。かなり高音質になるので、そのまま音楽鑑賞、音楽制作のシステムにもなります。最近はライブの音響でも使用できるミキサー型のオーディオインターフェイスもかなり増えてきています。

カメラもパソコン内蔵のカメラではなく、外付けのカメラにするという方法があります。例えばUSBでつなぐ「Webカメラ」、これは2020年にはテレワーク需要でかなり品薄な状況が続きました。私も手に入れようとしてもなかなか手に入らない状況になりました。

そこで登場したのが、すでに持っているカメラ(デジカメやビデオカメラ)をwebカメラにするという方法。私はたまたまラッキーなことに使っているカメラがwebカメラに対応したのですごく助かりました。メーカーや機種ごとに対応できる・できないはあるのですが、最近リリースされたデジタルカメラの多くが、USBでパソコンにつなぐ(場合によってはソフトをダウンロードする)ことでwebカメラにできるようになってきています。

あと、ビデオカメラをお持ちなら、「キャプチャーデバイス」というものを用意していただくと、ビデオカメラのスタンバイ画面をパソコンに映すことができます。カメラのHDMI出力(主にテレビで鑑賞する用途の端子)から「キャプチャーデバイス」でUSBに変換してパソコンにつなげばOKです。

いずれもノートパソコンに付属のカメラよりも高画質になりますし、三脚で好きな位置にセッティングできるのでおすすめです。

ヘッドホンも必要になりますし、この方法はいきなり導入するのは大変ですが、環境を1度導入してしまえば、当面は設備にお金をかけなくてもすみます。リモート共演をしたり自分でライブ配信やレコーディングすることも可能です。「Chiei live & lesson」ではこうした機材の導入やセッティングのアドバイスもいたします。

Chiei live & lesson 推奨機材はこちら

参照記事:
オーディオインターフェイスは「消耗品」なのか
オンラインレッスンの機材

④SYNCROOMで接続する

さて、オンラインレッスンのツールとしてこの1年「Zoomミーティング」がすっかり定番になりました。ビジネスの世界では「Microsoft Teams」「Google Meet」「Cisco Webex」などもポピュラーになっていますが、個人単位でのミーティング、特に音楽での接続には現段階ではやはり「Zoomミーティング」が向いていると思います。

その普及は目覚ましいもので、当初は音質がどうの、画質がどうの、とかいろいろありましたが、かなり向上していて、「音楽用のモード」まであります。ミュージシャンにとってもありがたい存在になっていますが、音楽をする上で決定的な弱点があります。

それは「同時に音が出せない」ことです。

これは2つの意味があって、1つ目は、例えば一方が歌ってもう一方がそれに合わせようとしても絶対に合いません。電話でも経験があると思いますが、せーの!で声を出しても必ず(先にタイミングを決めた方が)ずれてしまいます。これはシステム上どうしても発生してしまうものなので仕方がありません。

2つ目は「Zoom」などの通話アプリは会議などで1人ずつ発言するのに特化しているので、同時に声や音を出すと一方の音が遮断されてしまいます。同時に話し始めてしまうことで突然音が途切れてしまい「あっすみません、どうぞ」というのはZoomあるあるです。発言する人以外のマイクをミュートしたりするのも「オンライン・リモートのマナー」になっています。

環境設定や(ZoomならオリジナルサウンドをONにする、エコーやノイズキャンセルをOFFにするなど)、マイクとスピーカーが一体となった「スピーカーフォン」の中でもごく一部の高性能機種を使うことである程度解消できるようですが、いずれにしても、「同時演奏」はむずかしいでしょう。

そこへ登場したのがYAMAHAの「SYNCROOM」というアプリです。テスト版的な「NETDUETTO」というシステムから発展して、これまでの通話ではまず不可能だったとされる「複数名での同時演奏」を手軽にできるようになりました。

Chiei Youtubeチャンネル『フリーゲージトレイン1号』ではその「SYNCROOM」を利用して同時演奏、あるいはSYNCROOMでやりとりしながら1人ずつ収録するという試みをしました。環境設定に課題がありましたが、今後とても可能性のあるツールだと思いました。

ただしこのSYNCROOMを使うためには、ある程度の機材を持っておくことが必要です。パソコンもある程度以上のスペックであること、上記③のようにオーディオインターフェイスなどがあった方がいいです。USBマイクでも接続可能ですが、遅延なく使えるのは今のところごく一部の機種に限られると思います。

またSYNCROOMに映像はなく「音声のみ」なので、演奏する姿やフォームを確認したりすることはできません。Zoomまたはパソコンに負荷がかかる場合はスマホ・タブレットのビデオ通話を併用しながらとなります。

しかも音声と映像がずれることになるので、しっかり目で見て確認するならZoomを使用してで交互に音を出しあう、同時に音を出すならSYNCROOMを使い映像を補助的にと、現時点ではこの2つの方法を使い分けています。 ※3

⑤「オンラインパートナー」で音源をやりとりする

「オンラインパートナー」の場合はZoomとSYNCROOMが両方使えること、マイクやオーディオインターフェイスなど、ある程度お互いの環境が整った状態をおすすめしています。機材があると、SYNCROOMとは別の方法として、「音源のやりとり」をリモートでおこなうことができます。例えばギターを録音して送り、その音に合わせて演奏したり歌ったりして、それをまた録音してこちらで確認する、これらをすべてオンラインミーティング上でおこないます。

具体的には「DAWソフト」という、パソコンでレコーディングするソフトを使って、ファイルを送り合いながら進めていきます。私は「Studio one」というシステムを使用しているので、このソフトの無料版を入れていただくことでファイルを共有できます(有料版も他ソフトに比べてリーズナブルです)。実はこの方法を使うことで、知らず知らずのうちに「レコーディング」のスキルが身につくというメリットもあります。実際にこの方法で歌のデモテープ、演奏動画や配信ライブ用のギター音源を作成したりしています。

オンラインレッスン、オンラインパートナーで伝えたいこと

私はギタリストとして活動するようになって20年以上、ギターを始めてからは30年以上になりますが、決してギターのすべてを知っているわけではありません。むしろ「ギター」という世界的にもっともポピュラーな楽器の1つでありながら、演奏できる範囲はものすごく限定的というか、少なくとも「フォルクローレ」「タンゴ」「フラメンコ」をメインに弾く自分はかなりマイノリティーの部類でしょう。

ギターという楽器の面白いところは世界あらゆるジャンルで演奏されている楽器でありながら、その楽器の形、音色、演奏法からかなり異なります。実際に「ギター」という名前で思い浮かべるのはクラシックギター、エレキギター、アコースティックギター、さらに人によって、世代によっても好きなアーティストのギターサウンドもかなり変わってくると思います。

むしろギターというのはその音楽やそのジャンルやフィールドが持つ性質、特に歌や笛、踊りに合わせて変化していく、それに常に寄り添い続ける楽器だと思っています。ギタリストのスキルも人によって全然違うので、私からみると、「みんな自分にない表現やテクニックを持っている」といつも勉強になります。逆に自分が他のギタリストから「スパニッシュむずかしいよね~」と言っていただく機会もあって、これは本当にギタリストあるあるで、お互いにそう思っていたりします。

私の使っている楽器は「フラメンコギター」と呼ばれています。見た目はクラシックギターと同じで、実際にスペイン製でクラシックギターと同じ工房で製作されています。でも音作りのコンセプトは正反対で、クラシックギターは静かな空間で珠(たま)のような、しずくのような美しい音を響かせるように設計されていますが、フラメンコギターは、酒の香りのする場所が合っていて、あの激しいカンテ(歌)やサパテアード(踊りのステップ)に対応するようになっています。

フラメンコギターはリズムを刻むのにすごく適しているので、南米のフォルクローレやタンゴを表現するのにも同じギターを使っています。私は実際に複数のジャンルにまたがって活動しているので、サウンド感はどうしてもブレンドされてしまうのですが、共通するのは、「リズムを司る」ことがギターの役割として重要な点です。

私からお伝えできるのは、まずリズムを正確に刻む、まわりと共有する音を出せるようになる方法です。譜面があまり読めなくても気にしなくて大丈夫です。むしろ譜面がない方がお伝えしやすい部分もあると思います。

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今までnoteで書いた記事と重なる部分もあって、すっかり長大な文章になってしまいました。後日編集してもう少し読みやすくするかもしれませんが、ここまで読んでいただきありがとうございます!もしご興味がありましたら、ホームページなどものぞいてみてください。

智詠ホームページ
オンラインレッスン・オンラインパートナーのご案内

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※1
フラメンコスタジオの運営の手伝い(ギター演奏含む)、そして今年からは「脳を使ったボディワーク 『シャイン ソマティクス』」のサポートをしています。(主にホームページや予約システムなどネット担当)

ソマティクスは痛みを抱えた方だけでなく、パフォーマンスの向上を目指す表現者の方にもおすすめです。オンラインセッションもおこなっています。

シャイン ソマティクス ホームページ
レアル・アカデミア・ラ・シージャ

※2
SYNCROOMについては以前の記事「SYNCROOMを使ったリモート共演の可能性」でも書いていますので、あわせてご覧ください。


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