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人との距離を最適化するチャンス

こんにちは。(株)八重コンサルティング代表の鈴木智恵です。
ここ数年は林業や木材産業向けにITコンサルタントのような仕事を中心にしていますが、元々いろんな業種・業態向けにコンサルタントをしてきました。ここではその経験から、日々降りてくるアイデアやシェアすると誰かの役に立ちそうな内容を発信しています。
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COVID-19の影響で、3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避けるように言われています。これは緊急事態宣言が明けても、以前より避ける事が求められるようになるでしょう。今日は、この3密回避がどのような影響を与えるのか、次の3つの観点で記載してみました。

1.ビジネスの変化

今まで大勢を集めたコンサートや講演、セミナーなどは「集める人数≒人気度合い」ともいえる状況になっていました。コンサートや講演などは分かりやすいと思いますが、実際に足を運ぶ方が、動画や音声をDVDとかYouTubeなどの媒体で聴くのより大抵高価です。時間調整や交通費の面でも掛かるものはおおいのに、それでもリアルなものに価値があると感じていました。

これは飲食店や観光なんかでも同じで、誰かと同じ場に集い、同じ雰囲気の中で、同じものを食べたり観たりして共感する。そういうとてもリアルで物質的なものに重きを置くスタイルに慣れ親しんできた訳です。

COVID-19が投げかけているのは、人々の社会生活やマインドが物質的なモノの価値→(情報などの)非物質なモノの価値に置き換わっていくということではないでしょうか。もちろん、人間の身体が住むのは物理空間であって情報空間ではないですし、食べ物はリアルなモノを食べます。なので物質的なモノが全く不要になる訳ではありません。ですが、インターネットが普及して世界が情報の輪で結ばれて20年ほど経ち、そろそろ非物質の比重を上げて、よりライトな生活・価値観にシフトする時期のように感じます。

そうなると、自ずと不利になるビジネスと、逆に有利になるビジネスもあります。それは自動車ができれば籠や人力車がなくなるように、郵便が発達したら飛脚がいなくなったようなものです。メインプレイヤーの転換、つまり時代に応じた変化はこれまでも繰り返されてきました。

2.ライフスタイルの変化

短縮営業や休業だけでなく、オフィスワーカーにとってはテレワーク化が浸透し、多くの方の働く環境が変わりました。多くの人にとって、満員電車や渋滞を伴う通勤が当然だったのに、あっけなく変わってしまいました。代わりに通勤に使っていた時間や、通勤で消耗していた体力を他の事に向けることができるようになりました。

全員が快適になったとは思いませんが、「家族との時間が増えた」という声もよく聞きますし、多くの人はこのライフスタイルをまんざら悪いとも思っていないのではと思います。(ただし仕事の生産性が落ちていないのか?という疑問は残りますが・・・。)

緊急事態宣言が明けた後、今回の事をきっかけに自分が本当に望むライフスタイルを再考し、再構築する人が増えると予想されます。例えば家族との時間が大事なので通常でもテレワークを基本としたいとか、田舎に住んでも同じように働けると気付いて引っ越したりとか。働き方だけに留まらず、住居や職業を見直す人も増えると思います。

3.人間関係の変化

オフィスで隣り合って座ると、せいぜい1~数メートルの位置に他人がいます。人にはそれぞれ適当な「間合い」というものがあります。相手にもよりますが、この1~数メートルという距離が不快で起きるストレスは多々あります。挨拶しないその態度が気になるとか、独り言や電話の声がうるさいとか、食べ物や飲み物のにおいがして嫌だとか…。テレワークだとそういうストレスはありません。

代わりに生じる課題としては、人と人の距離ができて意思疎通が難しくなること。同じチームで働いている場合、相手の顔色や表情から多くの情報をキャッチしています。また他愛もない日常会話で親近感が湧いて結束力が強まることも多々あります。この課題は生産性にも直結する、非常に重要な課題です。

今は過渡期なのでオンラインによるコミュニケーションの難しさを感じるかもしれませんが、いずれはそれが普通になってきます。オンライン上で相手が言葉にしていない気持ちや考えを汲み取れるのがコミュニケーション力として評価され、逆に自分の思いや考えを適切に表現することが求められるようになります。

こういう変化を乗り越えた先にある人間関係は、どうなるのでしょうか。

仕事上の人間関係に限って言うと、今ほど人と衝突したり嫌ったりすることもなければ、今ほど深くベッタリ慣れ親しむという関係もなくなる傾向だと思います。深く関係を結びたければ友人として付き合うとか、そういう意味では今と変わらないかもしれませんが、人ごとに応じた適切な距離関係を結べる環境になると思います。

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本日のお話はここまでです。
今日の写真は北海道の京極町にあるふきだし公園。1日8万トンの水が湧き出る気持ち良い場所です。引き続き、充実したGWをお過ごしください。

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