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誰もが活躍できる世界へ〜SDGsの17の目標〜

最近ちらほら耳にするSDGsって何だろう?と思い、セミナーに参加してきました。

講演内容は参加者にとって身近な環境の話から入っていますが、このSDGsは環境問題にとどまらず、いま日本で話題になっている「子ども食堂」や「コミュニティー拠点」「多様な教育の支援」、さらには「経済の成長」にも関係しています。

講演内容についてブログの掲載を許可いただいたので、内容をシェアします。

1、いま何が起きているの?
2、誰一人取り残さない
3、例えば何ができるの?

1、いま何が起きているの?

突然ですが、もしいま人類が地球上にある資源を1月1日から使い続けたら、何月何日に「地球ひとつ分」を使い果たす計算になるでしょうか?

「地球ひとつ分」は、「1年間で地球がカバーできる範囲の資源」と考えます。例えば、人類が魚を消費しても、その分魚が繁殖すれば魚はゼロになりません。消費しても、1年間で元に戻せる資源の量が「地球ひとつ分」です。

さて、どのくらいの時間がかかると予想しましたか?

答えは「8月1日」。

世界有数のイギリスの銀行、HSBC(エイチエスビーシー ホールディングス)によると、2018年は「8月1日」で「地球ひとつ分」を使ってしまったと発表されました。つまり、たった7ヶ月で1年分の地球資源を使ってしまい、残りの5ヶ月は現在ある「貯金」を食いつぶしているのです。

例えば年間で 
「魚が繁殖する量>魚を消費する量」

という状態であれば、魚は地球上で増えていきます。繁殖と消費の量が同じだと現状維持です。

ところが、
「魚が繁殖する量<魚を消費する量」

になってしまうと、魚は地球からどんどん減少していきます。当然このことは魚だけではなく、植物や鉱物、水など様々な資源に言えることです。

「世界の生物の絶滅速度」や、温暖化による大型の台風が甚大な被害をもたらすことなど、私たちの身のまわりにも影響を与えています。

そして、世界の人口はどんどん増え続けているので、今後このまま何もしなければ、あと数年で取り返しの付かないほど地球の資源は失われてしまうのです。

2、誰一人取り残さない

このような現状を改善していくため、2015年に世界中のリーダーが集まって相談し、17の目標を掲げました。これがSDGsの17の目標です。

例えば、「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「働きがいも経済成長も」「人や国の不平等をなくそう」「つくる責任つかう責任」「海の豊かさを守ろう」…などで、2016年から2030年までの間に達成しようというもの。

実は国連は、2000年から2015年の間にはMDGsという8つの目標を掲げていました。それは、貧困や人権問題など、発展途上国の支援が主なものでした。しかし、今回のSDGsは、発展途上国だけではなく、先進国に対する目標も含まれているのです。

自分のこと、自分の国のことばかり考えないで、地球規模で「包括的に」考えようね。
経済の成長ばかり追いかけないで、環境や社会への責任を取った上で成長していこうね。ということです。

このSDGsの理念は「誰一人取り残さない」。

誰もが活躍できて、誰にも様々なチャンスがある、フェアな世界を目指しているのです。

そのためには、途上国も先進国も、政府だけでなく各自治体も、モノを作る側も消費する側も、みんなで考えて、みんなで取り組まなくてはなりません。

3、例えば何ができるの?

このSDGsの目標を受けて日本でも「どこで誰が作っているのかを明確にする」「できるだけ農薬を使わないものを提供する」ということを決めた企業や、「生ゴミを畑の肥料にし、その肥料を使って育てた農作物をお店で提供するメニューに使う」というプロセスを17の目標とすり合わせて公表した企業があらわれました。提供するサービスや製品に対する責任を明確にしているのです。

そうは言っても、包括的に考える…なんて難しそう。個人では遠い話のようにも思えます。

そこで例に出されたのが「食品ロス」でした。食品ロスとは「まだ食べられるのに、捨てられている食品」のことです。

その食品ロスは日本で年間646万トン。

ちなみに、世界の国々が発展途上国に年間で支援している食糧は320万トンです。

この数字をみると違和感がありませんか?「世界で」支援している倍の食品が「日本だけで」捨てられています。すごくもったいないし、すごく悲しい現状です。

だから、消費者は、食べられる量だけ買う・注文する。作る側は、必要な分だけ作る。その工夫が求められているのです。

「冷蔵庫の中にあるものを使い切ってから買う」「週のはじめに食材を買って1週間で使い切る。」など、自分ができることからはじめることが、大きな1歩につながるのではないでしょうか。

今回のお話では、身近に取り組めることとして、食品ロスの話が取り上げられていましたが、環境の問題に限らず、SDGsは様々な課題につながってくるもの。教育や福祉の分野でもどんなことができるのか、どうつなげていけるかということにも大変興味があります。

安全で、環境にも優しく、誰もが活躍できる世界へ。

誰か一人が勝つとか、私だけが楽しい、ではなくて、地球全部をひっくるめてみんなでフェアな世界を作っていけたらいいなぁと思いました。

そのために私も、ささやかな1歩から、できることを積み重ねていこうと思います。

※今回の内容は、札幌市の覚王寺で行われた「お寺からはじめるSDGs」というセミナーの講義「SDGsとは?」をまとめたものです。「フェアトレードタウンさっぽろ」から講師を招いての講義でした。

※覚王寺は「Sapporo open temple」という、広くいろんな方が参加できるイベントを年間通して開催しているようです。私は今回初めて参加してみました。

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