世にもお粗末な恋愛弱者#04 同じ境遇の人に苛立つ気持ち

最近、どうやら巷では「あなたじゃない別の男の人の彼女になったんだよ」という趣旨の歌がはやっているらしい。タイトルがそういうニュアンスで、正直歌詞の内容はこのnoteを書くまで見たことがなかった。ただ、タイトルを見たり聞いたりするたびに猛烈なモヤモヤを感じていた。

たぶん、同じ境遇の人に苛立つ気持ちだ。

同じような苛立ちを感じたのに、某超有名バンドの曲の歌詞がある。それはもう、私の学生時代だし青春時代なんだけれど。そのバンドが大好きだし、いまも聞くこともあるし、きっと日本の同世代の人たちは9割くらいの人が聞いている。超私見だけれど。そのバンドのこれまた有名な曲で、10人そのバンド好きな人が集まったら1人は絶対「その曲が一番好き」って言うと思うんだけれど。どうしてもモヤモヤしてしまう。「もしも僕がほかの人と子どもを作ったら、きっと君の遺伝子もまじってるよね」的な歌詞。

一生かけて愛していこうと誓った人がそんなことを思っていて、ほかの女の子の遺伝子も自分とその人との間に生まれた子どもに入っていることなんて願われた日にはもう死にたい。比喩でも誇大表現でもなく死にたい。そんなことってあるのか。こっちは人生かけて結婚したり、子どもを作ったりするのに。って、考えただけで死にたくなる。そんなことされたら私は海外へ逃亡するか、その場で大泣きして相手をなじってふらっと山奥に行って死ぬ。

どちらもわたしは曲の主人公にすらなれない。誰もが感情移入して聞く曲だと思うし、好きな音楽の世界の中だけでも主人公になったっていいというのに、この類の歌詞を聞くとその場で消えてなくなりたくなる。こういう発想って、いったいどこからくるのだろうか。きっとどっちも、こんなの思っているのは別れた直後だけで次の恋人ができたらそんなことを思っているのなんてすっかり忘れてゾッコンになるのかもしれないけれど。というか、そうであってほしい。

このモヤモヤって誰かわかってくれる人はいるのだろうか。補足しておくと、そのアーティストにもバンドにも何の恨みもない。わたしとは恋愛において大事にしたいものが食い違っているだけだ。好みの食べ物の差くらいなものだと思う。たぶんこんなこと言うのは、恋愛カーストの中で上位の人なんだろうな、と卑屈になる夜。



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