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母が亡くなった日のこと

忘れもしないだんだん涼しくなってきた秋の朝。
母のことが心配だが、毎日仕事と介護に追われて、言葉通りの「毎日を生きるのに必死」だった。

意識もはっきりせず、ずっと寝たきりになってしまっていました。
ごはんも食べれなくなってしまい、でも食べてもらわないとという気持ちで、氷やスムージーを凍らせたものを口の中に入れる。

様子を見に行ったり、トイレのお世話をしたり、
どうすればいいのかわからない日々だった。

自分の判断一つ一つにが、母の命を左右してしまうかもしれない。
そんな取り返しがつかないような日々。

その日の夜はずっと、ベッドのところで、母に話しかけていた。
今日あったこと、元気になってほしいこと。
そして、今まで母に寂しい思いをさせてしまって本当にごめんなさいという気持ち。

夜中つきっきりでそばにいたい気持ちだったが、
父にも「お互い体を壊すよ」と言われ、寝ることに。

父もわたしも体力的には限界だったので、すぐに寝てしまった。

そんな朝に不思議な夢を見た。
母のベッドのところに行ったら、ベッドではなく母が椅子に座っていた。
母がすっと立ちあがって、「元気になったよ!」と歩き始めたのでした。

わたしは、奇跡だ~!!と喜びながらずっとこの夢を見ていたいと思い眠っていた。

そんな時に父から「お母さんの様子がおかしい」と現実に戻りました。
すでに朝7時40分ごろになっており、夢だったのかという寂しさと同時に、慌てて様子を見に行くと目も半目で、明らかに呼吸が荒い様子。
すぐにかかりつけの訪問してくれているお医者さんに電話したが薬の話をされたので、「薬では間に合わないのですぐ来て下さい!!!!」とすぐ来てもらうことにしました。

最後の瞬間は、
なにも覚えてなかったけど、ありがとう!大好きだよ!ありがとう!とお母さん!!!と叫び続けました。

母は安らかな表情で、息をしなくなりました。

後から考えると、母は、わたしと父がいつも起きる時間まで待っていてくれたのかもしれない。大体いつも起きるのは7:50くらいだった。
そして、亡くなる直前に、わたしに会いに来てくれたのかもしれない。

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