隙は、つくれる

ふと思ったのですけど、「モテない」を名乗る人って、100％「『隙がない』って言われるねん」と言いませんか。逆に、「わたしには隙がある」と自認している自称「モテない」さんに出会ったことがないような。

「隙がない」とは、「物理的に入り込む余地がない」ということ。

先日、後輩の自称「モテない」ちゃんから、「どうしたら彼氏できますかね～？」と聞かれました。齢30を超えて「どうしたら……」と思い悩む人は、だいたいキャラクターをこじらせている（自分が在りたいキャラと実際に扱われるキャラが乖離している）ように見受けられるので、「”好き”より”似合う”を優先すべし！」と、最近は骨格診断（私の体験記）と4タイプ判定テストの受診を勧めることにしています。「あなたはこういうタイプだから～」なんてのは、わたしじゃなくてプロに聞いた方がいいよ、と。

ただ、受けないんですよね、筋金入りの自称「モテない」ちゃんは。アドバイスしても動きやしない。で、また「彼氏できないんですよ～」とか言ってくるんです。命短し、動けよ三十路！

そうやって陣地に閉じこもる姿、周囲をバリケードで塞いで厚意をはね返す姿を見ると、甲斐がないな、と感じるのです。たぶん、そのバリケードで塞がれた様相と、バリケードを破る値打ちの感じなさを、人は「隙がない」と表現するんじゃなかろうか。

バリケードを取り払う――人の意見を受け入れるとか、アドバイスに身を委ねるとか――だけで、「隙」ってつくれると思う。それで、「モテない」の必要条件（の1つ？）、なくなりますよね。

はたらけど はたらけどなお わがくらし らくにならざり ……っていう調子の良すぎるリズムが、実は働いてない君の姿を的確に表現してると思う。

枡野浩一「石川くん」