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【災害情報】 2024年元日の能登半島地震・情報まとめ(#1)。

 新年早々、北陸地方を中心に大地震に見舞われました。
 1月1日午後4時10分頃、石川県志賀町で最大震度7を観測する地震があり、一時期は大津波警報も発令されました。
 お正月の特番を楽しみにしていた人も多かったと思いますが、報道番組に変わってしまい、日本中がテレビを見て心配することになりました。地震が大きく揺れている時間も長かったため、生き埋めになっているという救助要請も複数入っているということで、今回、『チダイズム』では災害情報をまとめ、最新情報をお伝えしていくことになりました。




■ 救助・復旧作業について

 自衛隊は今日、1000人を投入して救助活動を行っていましたが、1万人を追加し、輸送艦を5隻派遣したとしています。規模を大幅に増やして対応することになりました。
 輪島市などで生き埋め・閉じ込めになっている人がいるという情報が相次いでいますが、道路が寸断されるなどして警察などが入れない状況です。それでも救助に向かっています。
 2日午前3時30分現在で、石川県内では48人の死亡が確認されています。死亡した人は珠洲市で20人、輪島市で19人、七尾市で5人、穴水町で2人、羽咋市と志賀町で各1人。多くは建物の崩壊によるものと思われます。
 避難している人は、石川県や新潟県などの955カ所で5万3760人となっています。


■ 明日以降の天候について

 能登地方は、3日から大雨になる可能性があります。この雨は断続的に降り続け、4日にかけて雨量が増える可能性もあります。土砂災害などに警戒が必要になります。また、6日から8日にかけても低気圧が発達し、荒れた天気になると考えられていますので、天気予報もチェックして行動する必要がありそうです。


■ 交通の復旧状況について

 石川県が能登半島への通行可能なルートを公表しています。
 七尾市までは「のと里山海道」が柳田インターチェンジまで通行可能。そこから県道2号線で七尾市内まで行けます。珠洲市までのルートも確保されており、国道249号と珠洲道路で市街地まで行くことが可能です。
 現在、輪島市などの日本海側に行くルートが確立されていないということで復旧を進めているところです。
 2日の午後から北陸新幹線をはじめ、富山県内のJR在来線も運転再開を目指しています。北陸新幹線は、長野-金沢間で午後1時から運転再開を見込んでいましたが、復旧作業が長引き、午後3時以降の再開になりそうだということです。東京-長野間は本数を7割程度に減らして運転しています。
 富山-金沢間では4本の列車が止まったままとなり、乗客約1400人が列車内に取り残されたまま一夜を明かしました。
 能登空港では滑走路の4~5か所に、深さ10cm、長さ10m以上のヒビが入っていることが確認され、能登空港の発着便は運航しています。4日までは閉鎖されることが決まっています。能登空港では空港利用者や職員など約500人が孤立状態にあります。
 JRは新大阪-金沢間で、特急サンダーバードを増便。ANAも羽田-小松間で臨時便を運航するとしています。
 七尾市の能登島では、島につながる2本の橋が通行できなくなり、993世帯2401人が孤立し、停電と断水が発生していました。現在は橋が片面通行ながら通行可能になり、孤立は解消されました。


■ 生活インフラについて

 現在、被災地周辺を中心に、コンビニやガソリンスタンドで営業を停止しているということです。営業しているドラッグストアなどに客が殺到していますが、停電でレジなどが使えないということで、より混雑する状況になっています。
 北陸電力によると、10時45分時点で約3万2900戸が停電。輪島市で約8400戸、珠洲市で約8100戸、能都町で約6000戸、穴水町で約5300戸、七尾市で約4100戸などとなっています。午後3時の時点でも約3万2600戸が停電しており、あまり復旧していないことがわかります。
 ヤマト運輸は石川県内の集配を見合わせており、物流にも影響が出ています。
 1月1日20時から無料Wi-Fiの「00000JAPAN」が開放されました。災害時に緊急開放される無料Wi-Fiですが、通信が暗号化されていないため、クレジットカードなどの情報や個人情報を入力するのは極力避けた方が良いものとなっています。開放エリアは福井、石川、富山、新潟の4県です。


■ 津波の被害について

 1月2日午前9時現在で、大津波警報や津波警報は解除され、津波注意報となっていましたが、午前10時にすべての津波注意報が解除されました。
 地震の直後、石川県の輪島港では4時21分に高さ1.2m以上の津波を観測しています。その他に、石川県の金沢で90cm、山形県の酒田で80cm、富山県の富山で80cm、北海道の瀬棚港で60cmなどを観測しています。
 韓国でも江原道東海市墨湖で午後6時6分に最大67cmの津波を観測しており、韓国に50cm以上の高さの津波が来たのは1993年以来31年ぶりのこと。


■ 志賀原発では不具合が発生

 原子力規制庁は、モニタリングポストなどに数字の変化が見られず、放射性物質が漏れ出していないことをもって「異常なし」と報告・報道していますが、現場ではさまざまな不具合が起こっていました。
 志賀原発の1号機では、核燃料プールの冷却ポンプが一時停止。地震の揺れによって、燃料プールの水が外に漏れたことが原因だといいますが、その後は再起動し、現在は冷却を続けているといいます。さらに、1号機の変圧器付近で油漏れを確認。地震発生時には、敷地内の変圧器付近で爆発したような音と焦げ臭いニオイがしたといいますが、既に鎮火しているということです。
 さらに、変圧器付近での火災が原因なのかは分かりませんが、外部から電気を受ける系統が少なくとも2つあり、50万ボルトの1系統は使えなくなり、もう1系統の27万5000ボルトの電源は確保できていて、核燃料を貯蔵する燃料プールの冷却が行われているといいます。
 実は今回、非常に幸運だったのは、志賀原発の1号機も2号機も運転停止中だったことです。昨年11月に再稼働の申請を出していたものの、即座に運転が認められていたわけではなかったので、偶然、とてもヤバい状態にはなかったということです。もしこれが運転中だったら、原発が暴走しないように食い止めるのは大変だったと思います。


■ 呼びかけについて

 災害を利用した詐欺も発生しています。
 実在しない住所から電子マネーによる支援金を求めるSNSが出てきているといい、知らない人への送金は慎重になるべきです。
 また、東日本大震災や各地での豪雨災害での経験から、避難所で性被害に遭うリスクがあるということも呼びかけられています。避難所では混乱に乗じて、痴漢や覗きの被害に遭う人が報告されており、時に未成年に及ぶこともあります。女性の自衛に頼るのも情けないですが、必ず近くの人と声を掛け合い、被害に遭わないように気を付けてください。
 国土交通省は、2日正午から北緯37度線以北の能登半島全域をドローン飛行禁止区域(航空法第132条の85第1項第1号)に指定したと発表しました。これは捜索や救難活動を行う有人ヘリコプターの妨げにならないための措置です。


■ 数百年に一度の規模の地震だった

 今回の地震は、これまで能登半島で起こった地震の中でも最大規模のものだったことが明らかになっています。
 国土地理院が人工衛星で測位している電子基準点のうち、震源に最も近い基準点の輪島は西方向に1.3m動き、穴水は1m、珠洲は80cm、能登島は北に60cm移動したことがわかりました。今後、さらなるデータの解析が行われるということですが、いかに地面が動いたのかが分かります。
 実は、能登半島北部では2020年12月頃から地震活動が活発になっていて、2023年12月末までに震度1以上の地震は506回発生していたといいます。2023年5月にはM6.5の地震が起き、最大震度6強を記録。今回は広く断層が動き、大きな規模の地震になり、津波も発生したということです。この規模は、記録として残る1885年以降で最大です。


■ 能登半島に物資を輸送する海上保安庁の飛行機が事故

 非常に不幸な事故が起こってしまいました。
 羽田空港C滑走路で、新千歳空港発の日本航空516便が羽田空港に着陸する際、海上保安庁の羽田空港基地所属のボンバルディアMA722機と衝突、炎上しました。
 日本航空の飛行機は衝突した瞬間に炎上しましたが、幼児8人を含む乗客367人、乗員12人の計379人は全員が機体から脱出することに成功して、死者はいませんでした。
 一方、海上保安庁の飛行機は、機長は脱出に成功しましたが、同乗して入た5人の死亡が確認されたということです。滑走路で衝突するという事故は基本的には起こり得ないはずで、何らかの人的ミスが起こった可能性があるとしています。
 この事故の影響で、羽田空港は全面閉鎖となり、2日の夕方以降の羽田便は全便が欠航。帰省ラッシュとなっている3日にも影響が残る可能性が高いため、さらなる混乱が予想されています。
 今回の事故は、衝突した場所が悪ければ、乗客全員が死亡するような大事故に発展していてもおかしくなかったため、奇跡的に全員が生還した事故だったと言えるのではないかと思います。逆に、海上保安庁の飛行機は5人が機体に取り残されたといいますので、改めて事故の原因を調査する必要がありそうです。


■ 『チダイズム』の取材と現地支援の方針

 この『チダイズム』の特徴は、5000文字を超えるボリューム満点の記事で、メディアが報じない「現場のリアル」を伝えることです。これまでも数々の記事をお届けし、バズってまいりました。
 今回の「令和6年能登地震半島地震」と名付けられた最大震度7の大地震は、日本の歴史を記録する上でも重要なため、現地で取材をしようと考えておりますが、今すぐに駆け付けるのではなく、1月中旬に取材ができたらと考えております。
 個人的には、今すぐにでも現地に駆け付けたいぐらいの気持ちではありますが、電車やバスなどの公共交通機関が止まっているため、行くなら自家用車ということになろうかと思いますが、スタッドレスタイヤではなく、タイヤの交換に時間がかかること。タイヤを交換しても、道路も寸断されているため、目的地に辿り着けるかどうかがわからず、交通渋滞に加担してしまう可能性があること。今は倒壊した家屋から人を助け出す必要がある段階ですが、工具や装備品を持たない僕が単身で乗り込むのは無謀で、レスキュー隊の邪魔になってしまう可能性が高いこと。
 さまざま考えた結果、「駆け付けることが、むしろマイナスになるようなことがあってはならない」という観点から、自衛隊や消防隊の方々の仕事が終わった頃に、改めて、多くの皆さんに伝えるべきことが何かないかを考えながら、現地を取材しようと考えております。もちろん、せっかく車で行くのであれば、何かしらの物資を持っていくつもりですが、今年はパソコンを買い替えなければならなかったため、またしてもポイントをたくさん持っています。こんな時にこそポイントの使い時で、実質的に無料で物資を届けることができると思いますので、近くなりましたら、Twitterなどで報告したいと考えております。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 今年のお正月は、不幸が立て続けに起こっています。
 元日には大地震があり、津波まで発生し、多くの人が命を奪われ、さらには家まで奪われる事態になりました。2日には歴史的な大事故になっていてもおかしくないような航空事故が起こり、帰省ラッシュの混乱に拍車をかけることになりました。
 この事故も、能登半島で地震がなければ、そもそも海上保安庁のボンバルディア機が物資を運ぶためにフライトをする必要がなかったし、海上保安庁の飛行機が飛ぶこと自体がイレギュラーなので、事故が起こりやすい環境にはあったのだと思います。
 ここで不幸の連鎖は止めたいと思いますので、僕たちも慎重に行動しなければならないと思っています。これからボランティアや支援物資を届けに行く人がいると思いますが、くれぐれも事故のないように気を付けて行動していきましょう。(※本日の更新は、これで終わります。)

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