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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#220)。

 今でも根強い人気を誇る「NHKから国民を守る党」。ネット上の誹謗中傷問題に取り組むと宣言してから、少しだけ支持率が回復傾向にあると見ている。しかし、このムーブメントは長く続かないだろう。というのも、彼らのやっていることは「ネット上の誹謗中傷問題をやめさせる」という大義とは真逆で、ただの「ネットリンチ」である。
 立花孝志は、まるで強き者と戦っているかのような印象操作を行っているが、実際はただの「弱いものイジメ」でしかない。

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 立花孝志やN国信者(NHKから国民を守る党を熱烈に支持する者たちの総称)は、2年前にも「熊さん」という男性をターゲットにして、執拗にカメラで追い回し、個人情報を晒し上げ、自宅を監視していた。この男性は立花孝志に対して「迷惑行為をやめてほしい」と訴えていただけだが、マウントを取れる相手にはとことんやるのが立花孝志である。当時、立花孝志は葛飾区議という身分にありながら、一般の男性相手にカメラを向け、勝手に顔を晒したのである。
 恐ろしいことに、嫌がる一般人に執拗にカメラを向け、精神的に追い詰めていく動画の再生数は70万回を超えている。立花孝志が人気YouTuberになった要因の一つは、この「虐待性」である。
 いつの時代も「イジメ」を喜ぶ層は存在する。特定の国籍の人たちをネット上で口汚く罵るのも、こうした「イジメ」に加わることで優越感に浸っているのだ。
 今回、立花孝志が不審な二人組に襲わせ、その様子を動画にアップしているのも、一種の「イジメ」である。普通は、夜遅くに自宅の前で待ち伏せをしている不審な二人組に突然カメラを回されたら嫌がる。しかし、この嫌がっている様子が見て楽しむことこそ、立花孝志の狙いであり、立花孝志の視聴者が求めているものである。これも一種のマウンティングと言っていいだろう。彼らにとっては「娯楽」だ。
 しかし、社会はこうした娯楽を許さない。顔も知らない不審な二人組に襲われたとあれば、当然、私の家族は身の危険を感じ、サポートするために取材を取りやめることになる。怯えるのは私の家族だけではない。閑静な住宅街で心穏やかに暮らしているご近所さんもまた、物騒な事件に巻き込まれるのではないかと心配になってしまう。「NHKから国民を守る党」という国政政党がやっている行為は、まったく無関係な国民をも不安や恐怖に陥れる行為である。
 おそらく立花孝志は、「そんなに近所の人に迷惑がかかるというなら、ちだい君がやめればいい」とでも言うのだろう。しかし、それは通学路となっている30キロ制限の道を時速100キロですっ飛ばし、事故に遭うのが嫌だったら他の道を通ればいいと言っているようなものである。

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 立花孝志は一連の騒動の後、「選挙ウォッチャーちだい撮影に成功しました。賞金10万円は一旦終了します。」という動画をアップしている。
 この動画の中で、立花孝志は10万円の懸賞金をかけ、このような事件が起こってしまったことについて、このように釈明している。

「10万円を払って映像を撮ってくださいっていうのは、これは、普通にNHKを含めて、テレビ局皆さんやっていることでしょう。視聴者の皆さん、映像撮ってくださいってやってるじゃないですか。あれと一緒で、視聴者だけじゃなくて、テレビ局って、プロダクションとかいろんなフリーのカメラマンとか、雑誌社なんかそうですけど、まあ、芸能人の不倫を撮ってきてくれたらとか、犯罪している可能性のある人の映像を撮ってきてくれたら出来高払いでいくらとかってやってるわけですよね。それと一緒のことをやってるだけなんですよ。で、何もね、その疑いのない人の所に待ち伏せをしてやるっていうのは、それはダメでしょうけど、あの、まぁ、普通テレビ局などはですね、自殺をした方の遺族の近くにいて張り込んだりとかしてるわけでしょう」

 どのテレビ局も、どの出版社も、得体の知れない素人に依頼をすることは100%ない。フリーのカメラマンに依頼するにしても、その道のプロにお願いするのが普通であって、不特定多数の素人にお願いをするということは絶対にない。
 なぜ「絶対にない」と言い切れるのかと言ったら、取材のノウハウを持たない者に依頼をしてトラブルが起こった時に、責任を負いきれないからである。勝手に敷地に入ってトラブルになるかもしれないし、取材を拒否した相手に暴力を振るってしまうかもしれない。不特定多数にお願いをするということは、その人がヤクザでもおかしくないのだ。なお、不審な二人組の男の職業は今もわかっていない。

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(00:51~)
「ちだい君も、ちだい君のツイキャスを見ると、『10万円もらえるからやってるんですか?』って言ったら、それはその通りじゃないですか。だって業務なんだから。世の中には10万円もらえるから映像撮りに行って、成功したらお金もらえるって仕事いっぱいあるわけですよね。これは何ら問題ないことで、まあ、おまわりさんにも『これ、何か問題あるんですか?』って言ったら、『全然ありません』と。最終的にはね。そういうことです。だから違法性はもうまったくないと思います。むしろ、報道の自由と表現の自由とか報道の自由というもので守られているものだと思ってます」

 立花孝志は「法律のプロ」や「法律の専門家」と自称しているが、そのオリジナル法解釈は実にお粗末なもので、これまでに脅迫罪、不正競争防止法違反、威力業務妨害に問われていることを見れば、法の一線を越えてしまう程度の知識だということは明らかである。
 今回も立花孝志は「違法性はない」と断言しているが、本当に法の一線を越えていないのだろうか。

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(01:24~)
「でね、あの、なぜこんなに、あの、ちだい君に対して、今、追い込みをかけているかっていうのは、まずやっぱり彼が名誉毀損をやってるだけだと、これはそこまで大きな被害じゃないんですが、詐欺を働いてますよね。で、その、noteというですね、ブログをですね、1320円で売って、裁判のね、この名誉毀損をしていることについて、ちだい君に正当性があることをそういう裁判の情報をですね、売ります、販売しますって言って、実際はそこには『ちんこ』しか書いてないわけですよね。これはもう間違いなく詐欺だということで確信をしているんですが、今日も民事裁判が朝の10時半からあったんですが、彼はそこには出席しなかったと。出廷しなかったと。そして、資料をまとめるのに2日とか3日とかかかるとか言ってたんですが、出してきた書類は答弁書1枚で、請求を棄却するっていう、これだけなんですよね。たった1枚のペラ1をですね、コンビニのFAXからピッと送ってきたと

 国政政党の代表という立場にありながら、また「詐欺を働いている」と断言した立花孝志。しかし、私が気になるのは、そこだけではない。
 「たった1枚のペア1をですね、コンビニのFAXからピッと送ってきたと」と述べている部分である。確かに、私は答弁書を東京地方裁判所と債権者である加陽麻里布にコンビニから送信状もつけずに送っている。だが、この裁判はあくまで加陽麻里布に起こされている裁判であって、立花孝志はあくまで第三者、まったく関係のない人物のはずだ。にもかかわらず、なぜFAXの詳細、それもコンビニから送られていることが情報共有されているのだろうか。この裁判に立花孝志の関与していることが疑われるワンシーンである。

(02:31~)
「で、一方で、新たな詐欺が出てきている可能性があって、彼は今、行われている愛知県の岡崎市議会議員選挙の取材に行きたいと。で、その後、大阪の都構想の取材に行きたいということでですね、またお金をくださいとやっているわけですね。で、本当にそれ岡崎行くんですかと。本当に大阪行くんですかと。そういうね、非常に新たな詐欺の被害が出そうなこともあるし

 立花孝志にかかれば、何でも「詐欺」に見えるらしい。
 私はツイキャスの「キートス」という機能を使って、取材費を募集している。ご支援いただいた見返りは、現地から選挙の様子を生配信することである。今回は視聴者の皆さんから3万9216円をいただき、岡崎市長選や岡崎市議選を取材する予定だった。
 ところが、まさに取材に向けて出発しようと思った矢先、私は不審な二人組の男や大橋昌信の襲撃を受けてしまった。

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 それだけではない。直後には、立花孝志がこのようなツイートをしているのだ。立花孝志のターゲットは明らかに私であるため、私は家族に迷惑がかからないよう、緊急避難的に車を走らせることを予告し、行き先を告げずに退避することになった。だが、このツイートが原因で、警察が出動して自宅周辺をパトロールする事態に至っている。
 このような妨害行為によって、辛うじて岡崎市長選や岡崎市議選の取材はできたものの、居場所を知られて襲撃されないように音声だけでお届けすることになり、長時間の取材は危険だと判断し、選挙ポスターを撮影しただけで返ってくることになってしまった。自分なりに満足できる内容とは程遠いレポートとなってしまったのである。
 現在、もう一つの約束である「大阪都構想」については、取材の目途が立っていない。大橋昌信は再び「取材」という名の迷惑行為をすると宣言しているし、いつ再び不審な男たちが自宅にやってきてしまうかもしれない以上は、長期間にわたって家を離れることはできない。このままでは取材を見合わせざるを得ないのだ。
 だが、そうなった時に立花孝志が放つ言葉は、おそらく「新しい詐欺をしている」だろう。
 取材もままならないような妨害行為を繰り返しておきながら、それを「詐欺」と呼びかねない国政政党の代表。越えてはならない一線を越えているという自覚はない。
 なお、立花孝志の代理人を務め、まさに今、いろいろな人の開示請求を乱発している福永活也弁護士は、10月20日に以下のようなツイートをしている。(どうやら現在は削除しているようである)。

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 これは立花孝志の件に言及しているわけではなく、偶然、状況が重なってしまうブーメラン発言だ。「詐欺ではないものを、そいつの主観で詐欺師呼ばわりしているものもかなりあって、その投稿こそが違法になっているケースもあります」としているが、このツイートを立花孝志に見せてはいかがだろうか。

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「全然冷静にね、いや、立花さんに頼まれて来ましたと。ちだいさん、詐欺でね、疑いがかかってるけども、詐欺について話を教えてくれませんかと。で、立花さんが犯罪者と言ってるから、立花さんと話してくれませんかと電話で言ってるのに、警察が来てからじゃないと話しなさい、しませんとかわけのわからないことを言っていてですね、で、撮影者に向かって、なんか犯罪だ、犯罪だって言ってるんですけども、何罪ですかって言ったら、ずーっと言わなかったんですけど、最後、業務妨害罪だと。威力業務妨害罪だとか言い出したんで、そんな、あの、協力者の、2人の協力者の顔を映しながら生放送しながら、この人たちは犯罪者ですって言うこと自体が、これは名誉棄損罪だったと思うんですけどね」

 立花孝志という男は、常にダブルスタンダードである。
 今回も、自分は動画で「詐欺罪」だと言っておきながら、まさに不審な二人組の男性に対して、犯罪をしている認識があるかどうかを問う行為をしている私に対して「名誉毀損」だと言ってしまう。しかし、リテラシーを持ち合わせていないNHKから国民を守る党の支持者たちが、この矛盾に気づくことはないのである。
 立花孝志は既に3件の罪で起訴されている人間である。もし私の主張している「威力業務妨害罪」というものが認められれば、立花孝志の罪はますます大きなものになるばかりである。自分の置かれた立場を理解した上での行動なのだろうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 立花孝志は先日の党定例会で、誹謗中傷しているというアカウントに対して開示請求を行い、その人から10万円から30万円の示談金を取ることについて「ビジネスのチャンス」と口を滑らせている。
 どうせそんなことだろうと思ってはいたが、この件についても今後、徹底的に追及していくことになる。今月は10月30日まで無料記事を量産する予定だ。

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