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chicotの基礎本レビュー#04編み方のコツがひと目でわかる はじめての棒針編み(成美堂出版)

chicotのふたりが基礎本を実際にチェックして、どんな特徴があるのか、どんな人におすすめなのかをお伝えする基礎本レビュー4回目です。

基礎本レビュー①「編みもの基礎BOOK 初級編(日本ヴォーグ社)」

基礎本レビュー②「はじめましての棒針教室(文化出版局)」

基礎本レビュー③「かぎ針も棒針もきちんと編める手編みの基礎(日本文芸社) 」

これから基礎本の購入を考えている方のヒントになればうれしいです。

あらためていろいろな基礎本を読んでみると、おおきく2タイプに分類できることがわかりました。

ひとつは、基礎の編み方が載っている辞書スタイル。

ふたつめは、作品を編みながら基礎を学んでいく実践本スタイル。

今回は初めて後者の、作品が主になったタイプの基礎本を紹介します。

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タイトル:編み方のコツがひと目でわかる はじめての棒針編み
出版社: 成美堂出版
発行日:2019年9月21日
価格:1100円(税込)
サイズとページ数:B5サイズ、95ページ

chicot採点表
初心者度 初・・◎・・中
テクニック掲載数 少・.・◎・・多
イラストと写真のバランス イラスト・・・◎・写真
作品例の充実度 ★★★★☆(12作品)

memo
・ハマナカ(手芸メーカー)とのタイアップ本。糸・道具はハマナカのみ。
・写真がメイン。細かい部分はイラストで説明していてわかりやすい。
・編み方はすべてフランス式。アメリカ式の説明はなし。
・作り目はすべて指にかける作り目。止めはほとんど伏せ止め。
・小物作品に必要な減目、指の拾い目のやり方が学べる。
・模様編みは地模様、交差模様、透かし模様、すべり目模様などが学べる。
・引き返し編みの説明なし。掲載作品の靴下のかかとは引き返しではなく、減らし目から拾う方法。
・順番に作品を編むことでステップアップしていくスタイル。

good
・作品は著名な作家さんが手掛けたもので、どれもかわいくモチベーションがあがる。作品がかわいい基礎本は実は少ないので貴重かも。
・作品の編み方の説明がていねい。編みながらつまづきそうな部分のワンポイントアドバイスがあるのも親切で良い。編む人がちゃんと仕上げられるように、という作家さんと編集者さんの心配りが感じられる。
・特にウェアはシンプルでかわいく、編みやすそう。とじはぎ、拾い目などのウェアの基本がわかりやすく学べ、かつ糸を変えてアレンジもしやすい。初めてのウェアを編む人にもおすすめできる内容。

bad
・最初の作品のマフラーに使用されている「ハマナカフラン」という糸について。いきなり起毛の糸かい!と突っ込んでしまった。起毛(毛足の長い)糸は、編み目が見えにくい(濃い色はとくに)、ほどきにくいというデメリットがある。初心者さん向きとは言えない。
しかも「できるだけ指定糸で編んで」と書いてあり、初心者さんは編みにくい、という理由で糸を変えられないと思う。ハマナカさんは編みやすい糸をたくさん出しているのに、なぜこの糸をチョイスしたのか…。初めて編む作品がこのマフラーで、毛糸の編みにくさが原因で挫折する人がいたらとても残念。編みやすさ、ほどきやすさも考慮して作品を作ってほしかった。
・1作めに「ハマナカフラン」のマフラー、4作めに編み込み帽子、5作めに靴下…と作品のステップアップの仕方がわりと急だなと思うところがあった。

まとめ

初心者さんにはややハードルの高い作品もあるが、作品はとてもかわいく魅力的。説明が親切なので、やる気があればきっと大丈夫。小物よりウェアのほうが実は難易度が低いかも?いきなりウェアに挑戦しても、意外と編めると思います。


※基礎本レビューのリクエストはchicot公式アカウントにて受付中です。

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