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セルフ解説03. 月食 - 悲哀の美メロ

AIRPORTのアルバム「Voyagers」3曲目「月食」の解説です。

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原曲は2001年頃の歌詞にkeiが曲をつけたもの。

当時keiが制作したデモはアルバム版と曲調が大きく異なっている。今よりテンポが早く、ステージレーザーに彩られたようなダンスナンバーだった。妖しい雰囲気と細かいビートがカッコいい。

天文現象としての月食がモチーフではあるが、「あるべきものが見えなくなる(=無くなる)」ことで引き起こされる哀しみについて話を膨らませた、抽象的な歌詞となっている。

20年近くが経ち、コロナ禍で人と会うことを制限されるようになったことで、会いたくて、会えなくて、という歌詞が真に迫るものになったかもしれない。

私は相方keiをメロディメーカーとして非常に信頼している。
さらに、コーラスワークでメロディを際立たせることにも長けていると思っている。
どちらも私の苦手とするスキルだ。
その手腕が遺憾なく発揮された一曲だと思う。

編曲は、keiから送られてきた弾き語りデモに肉付けしていく方法で進めた。(kei作曲の作品は、ほとんどがこのやり方)

二胡、琵琶、シタールなどアジア圏の楽器を多用しながら、「月のないアラビアンナイト」「シルクロードの息吹」的なイメージで、スケール感のあるアレンジを目指した。

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↑アルバムジャケットの写真を提供してくださった島尻勝さんのお天気ラジオの終盤で、この曲を紹介していただきました。今年は5月にスーパームーンと皆既月食が重なり、月食が注目された年になりました。

相方keiによる解説はこちら↓

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