『やめとけ！チキンマン』2nd Season第１３話「誕生ニューヒーロー！チキンマンともしび」
前回のあらすじ
とり大名の店長の甥エンリケは
驚異の格闘術カポエラでチキンマンを追い詰めた。
ところがそのパートナーであるダーツクがバイトで帰ってしまうと
エンリケのカポエラはふにゃふにゃになった。
ダーツクのドラムがないとエンリケはへなちょこだったのだ。
へなちょこは殴れないので闘いは引き分けに終わった。
元木は悩んでいた！
これまでの自分の闘いを振り返ってがっかりした！
チキンマンに変身したところでどうしても敵に勝てない！
しかも時々はどう考えても自分が悪かったりする！
「こんな事で100年眠らされてしまった百合子さんを救えるのか！」
自分に怒ったせいで
せっかく電車に乗ってまで買いに行った
からほり東雲堂のいちご大福を握りつぶしてしまった！
「ああーっ！
・・・もう何をやってもうまくいかないじゃないか！
貧すりゃ鈍する
藁打ちゃ手を打つ
便所入ったら人が入っとる
とは桂米朝もうまい事を言ったもんだ・・・。
そうか！米朝か！」
思い悩んだ元木は何かヒントがあるかもしれないと
天神橋筋六丁目にある「大阪くらしの今昔館」に向かった！
そこに行けば桂米朝の案内アナウンスが聴けるのだ！
「教えてくれ米朝ーっ！
俺はどうしたらいいんだーっ！」
係員にうるさいと叱られてしょげているところに！
「あれぇ？元木さんと違いますか？」
増田健一が現れた！
せっかくなので元木は増田健一にすべてを相談した！
「なるほどなるほど！
ちょうど元木さん向きの非常におもしろい家電が手に入りましてね！」
落語家のように話す増田健一は
自分の秘密倉庫に元木を案内した！
そこで
昭和40年代に発明され
たった2台だけ作られて1台だけ売れた
（購入したのは政治家、大平正芳と言われている）
という幻の昭和レトロ家電
「家庭用パワーアップ窯 ともしび」
を元木に見せた！
「この”ともしび”に入るとなんと驚き！
入った人間はめちゃめちゃ強い改造人間に変身できると同時に！
おいしいパンが焼けます！」
元木はパンはいらないと言ったが
それが当時の流行だったのだから仕方がないと増田健一に説得された！
元木は強くなるため「ともしび」に入る決意を固めた！
それによってチキンマンの姿じゃなくなったとしても
強くなれるのならばそれでいいと思った！
元木の姿で改造されるよりも
チキンマンから改造された方がより強くなると思ったので
とりあえずチキンマンに変身した！
「とりあえずー！
チキントランスフォーム！」
「ほんじゃスイッチ入れますね！
20分から30分ほどかかりますんで
終わったら電源抜いといて下さい！
ほんなら！」
ともしびに入ったチキンマンを置いて
増田健一は門真のパナソニックミュージアムに出かけていった！
「頼むぞパワーアップ窯ともしび！
俺を最強戦士にしてくれろ！」
強烈な熱と光がともしびの中のチキンマンを包んだ！
「うわああああーっ！
あちいいいいいいーっ！」
チーン！
やがて音が鳴り
パンが焼けた！
そして機械が止まった！
「あれ？
なんだ！
これは結局ただのパン焼き窯じゃないか！」
しかし！
掴んだパンが一瞬でマシマシとつぶれた！
「なんだこのマイ・パワーは！」
チキンマンは自分の顔を触って驚いた！
「こ！これは！
これが新しい俺か！」
チキンマンは新たな姿と
ものすごい力を手に入れた！
「やった！やったぞー！」
チキンマンは無敵のニューヒーロー
”チキンマンともしび”に変身したのであった！
「待っていてくれ百合子さん！
これからはあなたに何が起ころうとも
必ず俺が助けてみせる！
このチキンマンともしびがな！」
新しくなったスーパーヒーローは一味違う！
これからのチキンマンともしびの活躍に
どうぞご期待下さい！
＊今後チキンマンはずっとこの姿で闘います！
新しいチキンマンを応援して下さい！
2020年4月1日 作家・後藤ひろひと
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