『スペースチキンマン』第２３話（最終回） 「チキンマン地球に帰る」

前回のあらすじ
　トードマンを倒してアホロ計画を壊滅させたチキンマンは
　いよいよ地球に帰る事になった。

「ほんとうにボッチーは地球に来ないのか？」
チキンマンは寂しそうに言った！
「うん！僕は行かないよ！」
「どうしてだ？楽しいのに！」
「だって今の地球に行っても
　好きな時に好きなところには行けないんでしょう？」
「あ、ああ。」
「チキンマンが話してくれたおまつりとか芋煮会とかも
　今はやらないんでしょう？」
「芋煮会なんて話をしたかどうか忘れたけど
　・・・そうだな。
　・・・今はな。」
「だったら僕はもっと楽しい地球になったら行くよ！」
「そうか。
　・・・ふうん。
　・・・そうか。」

チキンマンの大きな青い目が涙できらきら光った！
「わぁ！すごいね！目が光ってる！」
「うん・・・すごいだろ。」
「僕はチキンマンやねことお友達になれて
　すっごく楽しかったよ！
　すっごく嬉しかったよ！」
「じゃあ・・・また会えるかな？」
「うん！また会おうよ！」
「会おうな！中崎町でな！」
ボッチーはひょこんという音を出して
出会った時の円盤に変身した！
そして遠くに飛んで行った！

チキンマンは大きな声で言った！
「必ずまた楽しい地球にしてみせるからなー！
　そしたら必ず会おうなー！」

ロボットのパーヴォは動かなくなってしまったけど
スーロネンさんが
「円盤の飛ばし方」というVHSビデオを用意してくれていたので
その通りにして円盤を飛ばした！
いっぱい楽しかった月がどんどん小さくなっていった！
「少し眠ろうか。」
チキンマンとねこはいっぱい疲れたのでいっぱい眠った！
ドーンという音で目が覚めた！
円盤は着陸していた！
「やった！
　帰って来たぞ！」
チキンマンは円盤の外に出た！
なんだか少しへんてこな地球だった！
ロボットとかが働いていた！
「おかしいぞ！
　ここが本当に地球か？」

チキンマンがきょろきょろしていると
おかしなやつらが現れた！
「しまった！
　俺は地球じゃない別の星に着陸してしまった！」
しかしおかしなやつらがチキンマンに駆け寄ってきた！
「ほら見ろ！やっぱりチキンマンだ！本物だよ！」
二人はとても喜んでいた！
「なんだ？宇宙人め！俺を知ってるのか？」
「もちろんです！みんなが知ってますよ！」
「それに僕らは宇宙人なんかじゃないです！」
二人はヘルメットを取った！
普通の人間だった！
「おじいちゃんがあなたの話をいっぱい聞かせてくれました！」
「僕たちのおじいちゃんおばあちゃんはLDKなんです！」
「なんだLDKとは！マンションの間取りか？」
「あはは！違いますよ！
　LDKは”ロックダウン・キッズ”です！」
「地球がコロナウィルスで混乱した時
　学校にも行けないでいっぱい我慢した世代ですよ！
「世の中を変えた立派な世代です！」
「そう！
　だからおじいちゃんたちは子供の頃
　おうちの中であなたの冒険をいつも見ていたそうです！」
「僕たちは小さい頃からおじいちゃんやおばあちゃんに
　あなたのお話を聞かせてもらっていたんですよ！」
チキンマンは自分が有名だと知らされて驚いた！
けども2人の話はなんだかへんてこだった！
「だから僕たちは
　今日ここにチキンマンが着陸するのを知っていました！」
「ほんとかうそかわからなかったけどずっと待っていたんです！」
あまりにもへんてこな話なのでチキンマンは首をかしげた！
「んで？いったいここはどこなんだ？」
「あなたは月で”宇宙の法”を犯したせいで
　１００年後の地球に来てしまったんです！」
「ひゃ！ひゃー！ひゃー！ひゃーくねんひゃー！」

「さぁ！うちに来て下さい！おじいちゃんが喜びます！」
チキンマンはあわてて聞いた！
「俺はもう元の世界には戻れないのか？」
「いいえ！戻りますよ！
　けどいつどうやって戻ったのかを誰も知らないんです！」
チキンマンが帰って来たのは2120年の地球だった！
しかし！
いつの日にか必ず2020年の中崎町に帰ると未来人は言う！
特に未来編は用意していないので
我々は彼が帰って来るその日まで待つしかないのであった！

『スペースチキンマン』完

(2020年8月12日)

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