『やめとけ！チキンマン』第２０話（最終回）「さよならチキンマン」

前回のあらすじ
　チキンマンを助けた戦士フトゥーロの正体を
　チキンマンだけがピンと来なかった。

中崎町商店街の全てのお店の看板に
「ばか」とか「あほ」とか書かれた！
商店街の皆さんはとても怒った！
一体誰の仕業なのか？
元木はその犯人を突き止めるため
昼寝て夜起きる事にした！
ゴリラにさらわれた百合子さんを助けるのは
この犯人を見つけた後でも遅くはない！
元木が夜中の商店街をこっそり監視していると
奴は現れた！
「はっはっはっは！」
そいつは笑いながらまた看板に悪口を書いた！
元木はチキンマンに変身した！
「そこまでだ！
　貴様何者だ！」
「はっはっは！
　俺の名は超人ヴェルデ！」
チキンマンは予想とずいぶん違う犯人の姿に驚いた！

「なんだお前！すごくかっこいいじゃないか！」
「ああそうさ！お前と違ってな！」
「そんなにかっこいいのにどうして悪さをする！」
「ばかだなぁチキンマン！
　世間をよく見てみろ！
　かっこよくていい奴なんていない！」
チキンマンは超人ヴェルデの言葉にひるんだ！

「かっこいい奴はいい人である必要なんかない！
　かっこいい奴はそれだけでみんなから好かれるんだ！
　だから悪い事をしても許されるのさ！」
「違う！それは間違ってる！何か変だ！」
「はっはっはっは！」
超人ヴェルデは笑いながらまた落書きを始めた！
「や！やめろ超人ヴェルデ！」
「大丈夫さ！
　犯人が俺だとバレてもみんな許してくれる！
　だって俺はかっこいいからな！」
変だ！
違う！
そんなのはだめだ！
「はっはっはっは！」
超人ヴェルデは中崎町商店街での落書きを終え
信号を渡って天神橋筋商店街へと消えていった！
チキンマンは夜の中崎町商店街に取り残された。
１人で立ったままずっと遠くを見ていた。
チキンマンは
なんだか自分がヒーローである事がいやになってきた。
一生懸命闘っても全然勝てない。
少しもかっこよくない自分が
すごく悲しくなってきた。
だからチキンマンは旅に出る事にした。
そしたら何か見つかるような気がした。

かっこいいヒーローが何なのかわかった時
チキンマンはまた帰って来るに違いない。
みんなの応援があれば
彼はまたきっと中崎町商店街のため
命をかけて闘ってくれるに違いない。
さようならチキンマン！
旅先でたくさんの技を身につけてくるがいい！
けど！
やめとけチキンマン！
それを旅行バッグに使うといろいろ面倒だぞ！

（2019年12月8日）

＊このエピソードの漫画版を読んでみないか？

#樹脂粘土 #変身ヒーロー #中崎町 #天神橋筋商店街

#1stSeason