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ボーダーブレイク家庭版勝手に反省会(わるいところ編)

ここではサービス終了が発表されたボーダーブレイク家庭版(以下BBPS4)の振り返りを書いていく。
長くなりそうだったので2分割、この記事は↑のいいところ編の続きでわるいところ編です。
こちらもサービス開始時は悪かったが後に改善された点、ゲーム終了まで改善されなかった点、両方挙げられていることを気に留めておいていただきたい。

BBPS4のわるかったところ

1.料金体系…というか主にガチャ(フレームロット)

  • 基本無料、一部アイテム課金あり

  • その課金対象は、パーツを入手するためのガチャ

  • 1回200シード(ほぼ200円)

  • ゲーム内で使いまくるパーツはほぼすべてガチャで入手する仕様

  • そのパーツ間の性能差も大きいので、結果的にPtWとなる

  • パーツの種類も部位も多いため、揃えようとするプレイヤーの負担はかなり大きい

  • 稼働初期にはガチャの天井もなかった(後に200回、4万円で好きなパーツを選べる天井が実装)

  • ガチャが収益の柱だったため、ガチャを売り続けるために様々な歪みが生まれる

恐らくこのゲームをプレイした人が口をそろえて言う悪口がこのガチャという存在だろう。
公式からは「フレームロット」と呼ばれている
が、実際ソシャゲなどにあるようなガチャそのものと言っていいのでこの記事でもガチャと呼ぶことにする。

基本無料でプレイできる代わりに、BBPS4ではガチャをしないで満足にゲームを遊ぶことは事実上不可能になった。
ボーダーブレイクはブラストランナーと呼ばれるロボットを操縦して戦うゲームだが、このブラストのカスタムで機体の性能は大きく変化する。
例えば耐久力を上げる目的で初期装備と理想の装備をしたとき数値の上で2倍近い差がつくくらいカスタムは重要な要素だ。
そういったカスタムで使われるパーツの入手経路が、BBPS4ではガチャを引くことにほぼ限定されたのだ。
ガチャを利用しない場合はパーツを入手する機会が極端に少ないため、プレイを続けても初期装備だったりありあわせの装備で不自由を感じながらプレイすることになる。

また、ボーダーブレイクは、4つの兵装の4部位の武器、つまり16種類の武器に加えて4つの機体パーツを自分で選んで装備するゲームだ。
BBPS4ではこの全部で20か所のパーツを、入手性の悪いガチャでのみ揃えることになった。
さらに実装されている各種パーツの種類も膨大で、ガチャも基本的に兵装の区切りがなく当たりを絞ってガチャを引くのが難しい仕様であった。
そうして多数のガチャ対象の中から20種類のお目当てのパーツを引かなければならないと考えたら、どれだけ理想のパーツを揃えるのが大変かわかるだろうか。

最高レア(★4)を一点狙いするとこんな確率(0.013%)になる。オエーッ。

ボーダーブレイクがチーム対戦ゲームであったこともガチャと相性が悪い点の1つだ。
チーム対戦ではプレイヤーそれぞれが貢献することが大切だが、カスタムで性能が大きく上がる以上、ガチャで装備を揃えずカスタムを満足にできないプレイヤーはチームに負担をかけるという構図になってしまったのだ。
もちろんカジュアルマッチなどではそこまでシビアに求めるプレイヤーはいなかったし、プレイヤー間でもガチャであることはよく知れ渡っているのでそこまで文句を言うプレイヤーは少なかったのだが、「装備そろわないしなあ…」とか「アレ持ってないとやりづらいしなぁ…」とか「周りはいい装備持ってるのに自分は持ってなくて嫌だなぁ」とか、ガチャによってゲーム参加のハードルは大きく上がっていたことは間違いがない。

せっかく基本無料でゲームに触れやすくなったのに、ゲームをやる上でほぼ必須となったガチャ、それも激渋な内容という高すぎる障壁があったBBPS4。
一応シードやガチャチケットの配布はサービス開始してしばらく経ってからキャンペーンなどで配布される機会が増えた
ため、多少は入手性が上がったことも言及しておきたい。

★4(最高レア)確定チケットを使えばここまで確率が上がります(1.3%)!もう一度オエーッ。

もう過ぎたことになるとはいえ、もしも月額課金制や機体ペイントなど強さに関わらない要素のガチャなどを採用していたらどんな道を歩んでいたのか、残念でならない。


2.ステータスのインフレ

  • ガチャの弊害の1つ

  • 完全上位・下位互換も出現

  • ガチャの存在が下方修正をしづらくしていた

  • ☆の数(1~4)でレアリティが決まり、低レアは露骨に低性能、高レアは露骨に高性能に

他のソシャゲがそうであるように、ボーダーブレイクのパーツ性能も徐々にインフレが進んでいった。
ガチャを売りたいという立場から考えれば、既にあるパーツよりも弱かったらガチャが売れないから当たり前なのだが、追加されるパーツには1つはすぐに使用率トップになるような強い武器が含まれていることが多かった。
毎月毎月追加される、より強いパーツを毎回天井することになるガチ勢プレイヤー側としてはたまったものではない。
Aという強い武器が出ると、戦場がその武器を持ったプレイヤーだらけになり、数カ月経ってAが出回り切ってからAよりも強いBという武器が実装され戦場がBだらけになる、というのが何度も繰り返されていた。
酷い場合には、Bの実装前後になってからAが強すぎたので下方修正をしますという、Aを引いた側にとっては損となり引いてないプレイヤーにとってはBを結局引かなければならないのでありがたくもないニュースを伴っている場合もあった。

どんなゲームでも時間が経つと性能が高武器が増えていくのは仕方がないことだが、せっかく引いた武器よりもさらに強いパーツが数週間で出たり、数カ月に一度4万円の天井のガチャを引くのはかなり苦しいというのがプレイヤー側の本音だろう。
これじゃほとんどガチャの悪口じゃないか


3.通信関連の不安定さ

  • マッチング中にエラー

  • ロード画面中にエラー(バトルに入った瞬間落ちる)

  • バトル中でも突然エラー

  • バトルが終わった後の再マッチング待ちでエラー

  • 上記のすべての場合でマッチ離脱のペナルティが課せられることもある

  • プレイヤーによってはエラーが多発しすぎてまともにバトルできない

  • バトル中もいわゆるラグアーマーや瞬間移動が多発

これもBBPS4を語る上で欠かせない特徴の一つだ。
コンシューマーゲーム機では家庭によって通信環境が違うため多少は通信が不安定になるのは仕方がないのだが、BBPS4の場合は度を越している。

  • 人によっては他のゲームでは何の不具合もなく動くのにこのゲームをやった時だけ必ずと言っていいほどエラーが発生する

  • こちらの攻撃はラグアーマーで通らないのに敵の攻撃はちゃんと通る

  • ラグアーマーで攻撃が通らない敵に好き放題やられる

  • ラグアーマーどころか透明(光学迷彩ではない)な敵に好き放題やられる

  • そのダメージも遅れて反映される

  • こういった現象はβテストの段階からあったのだが、改善どころか問題点として言及されることもなかった

このような不具合の被害に遭う動画が定期的にツイッターなどに上がってくるのがBBPS4の日常で、さすがにラグアーマーで無敵になる事例は遭遇率が低かったものの、エラーで強制退出やマッチングのし直しをさせられるのは決して稀な事例でもなかった。
また、こういった事例は誰にでも発生しうるものであったため、
プレイヤー側の問題である場合もあったがゲーム側の仕様などにも問題があったと考えられている。

個人的な経験として、筆者も他のゲームは快適にできるのにこのゲームに入った瞬間エラーで退出させられることが多く、この点について公式に「推奨通信環境を教えてほしい」と問い合わせたことがある。
ところが公式からは「お答えできません」と書かれたメールしか返ってこなかった。
最終的にはインターネットプロバイダの契約を見直すことでゲームはできるようになったのだが、この返信には通信環境に対する公式の考え方が表れていないだろうか?
せめてネット契約を見直せ(それもそこそこ酷な答えだが)という回答くらいは欲しかったところだ。

ガチャと違って、これについては結局サービス終了するまで変わることはなかった。
BBACでは通信環境をゲームセンターが用意してくれていたのもあってこんなことはめったに起きなかったし、起きたとしても必ず何かしらの対応が行われていた。家庭用の他のゲームと比べたとしてもここまで通信が不安定なゲームがあっただろうか。
どんないいゲームでもアクセスできなければ存在しないのと同じである。


4.ランクマッチを巡る仕様のアレコレ

  1. サービス開始時、BBAC勢と新規勢を分けなかった

  2. シーズン制になり、新シーズンになるとランクががっつり下がる

  3. ランクは下げるが、一度到達したランクまでは楽に上がるようになるプルバックシステムの導入

BBPS4の目玉コンテツはこのランクマッチで、BBACの「全国対戦」に代わり、勝ち負けなどで増減するRPを貯めて昇格を目指し一番低いランクD5から最高ランク「ACE」や各々の目標ランクを目指して挑戦するモードであった。

ランクマについて説明した画像。
公式サイトから引用 http://ps4.borderbreak.com/news/2018-08-20-1

ランクマッチ自体は好評というか、ある程度真剣にやるモードとして必要とされていたものだったが、ランクに関する仕組みにはいくつか問題点があった。

まず、サービス開始して間もなくランクマッチが始まったが、その際明らかにゲームに熟練しているBBAC勢とそれ以外の新規勢が同じD5(最低ランク)から始められた点である。
何が起こったかというと、何百時間もプレイしているプレイヤーとプレイ時間が数時間に満たないプレイヤーが同じマッチに参加することになったのだ。
こうなってしまうと当然、熟練プレイヤーにとっても新規プレイヤーにとっても面白いものではない。

「熟練プレイヤーは新規プレイヤーに気を使え、新規プレイヤーは気を遣わなくてもいいぞ」なんてやり取りも当時はツイッターで見られた。
実際のところプレイヤー側としてできそうなことと言えば確かにそれくらいのものでこの手の気遣いはプレイヤー同士でやるには限界があるし、腕前の差が大きすぎる人とマッチが続くゲームの構造はやはり仕様から変えてもらうしかないのだ。
BBAC版からの引継ぎをすることでCやBランクから始まるようにするとか、数戦の振り分けマッチを設けてその活躍度に応じてランクを決めるようにするとか、一工夫でいいから何らかの対策が欲しかったところである。

次に、ランクリセットも悪影響のほうが大きかった点だろう。
ランクマッチは数カ月ごとにシーズンという名目で期間が区切られており、そのシーズンが新しくなると、前シーズンのランクに応じて大きくランクを落とされる仕様(通称ランクリセットなど)となっていた。
この落ちる幅はサービス開始当初は例えばA5ランクのプレイヤーならD1ランクへの10ランク降格であったが、プレイヤー側の要望からかシーズン4でこの降格幅も若干緩和され、最終的にはA5ならばC1まで6つ降格する程度になった。

修正後のランクマッチの開始ランクの下げ幅。

BBPS4のランクマはどれだけ活躍しても1試合に上がるRPはほぼ一定なので、例えば10ランクも落とされると元のランクに戻すまでに結構な時間がかかる。
毎日たくさん遊べるプレイヤーならともかく、週に1日数時間だけプレイするといったようなライトプレイヤーにとってはこのランクを戻すだけの時間は少し長すぎたと言えるだろう。
その後、救済措置としてプルバックという、ランクを戻しやすくするシステムも実装されたのだが、これもあまりいい仕組みとは言えなかった。

シーズン初めにランクが落ちた状態から元のランクに戻るまでは、プルバックと呼ばれる状態になって獲得RPが大きく上昇、さらに負けたときのRPの減少も小さく減るようになり、つまるところランクを元に戻すのはそこそこ早くやれるようになったのだ。
ところが、このプルバック中ランクを戻すのが楽になったため、「プルバック中は多少負けてもいいからやりたいことをやるわ」と考えたり、「シーズン終盤になってからランク上げたほうが周りのランク高くて楽だからそっちのほうがいいや」と考えるプレイヤーが出てきた。
プレイヤーの考え方の責任までゲームに取らせるのも酷かもしれないが、この仕様によってたとえ同じランクであってもプルバックがあるプレイヤーとそうでないプレイヤーの間に温度差ができていたことも事実である。

ただでさえランクマッチでは理不尽な思いや思い通りに行かないことがおおい。そんななかで、こういった温度差や辛さが増えるような仕組みは、ランクマッチの敷居を高めてしまっていたのではないだろうか?

5.操作性とそのデバイスについて

  • BBACの操作性を再現するため、筐体のコントローラーを再現したグリップを受注生産

  • 値段、購入機会共にいいとは言えない

  • クオリティや再現されたこと自体は高評価で、操作性もかなり忠実に再現された

ボーダーブレイクは「左手でコントローラー、右手でマウス」という少し変わった操作方法が採用されたゲームである。
BBAC時代から受け継がれた操作方法で、コントローラーで主に移動、右手で攻撃と視点操作を行う仕組みになっている。
この操作性を再現するためにサービス開始当初にBBACの筐体の左手部分のコントローラーも再現されて受注生産による販売が行われていた。

HORI社から発売された専コン。BBAC勢から見れば見た目も操作性も素晴らしい出来だ。
お値段定価で18,000円と高いのが玉に瑕。

このコントローラー自体はクオリティも高く、後日再販も行われる程度には好評な物であった。
問題はこのコントローラーを買わなかった人、買えなかった人にとっての操作性である。

右手のマウス操作についてはどのマウスを使っても感度調整が少し手間なくらいで問題なく使えたし、コントローラー操作であってもマウスに比べてAIMアシストが強く働く機能をつけていたので大きな問題はなかったと言える。
問題は左手の操作性で、両手でコントローラーを持つ分にはともかく、右手で操作しやすいマウスを操作する場合、コントローラー1個を左手で持つのが一般的な持ち方になってしまうところだった。
ご存じの通り、PS4のデュアルショックコントローラーは片手で持つことを想定して作られていない。
そんなコントローラーを長い時間片手で持っているのはなかなか疲れるものであり、これを解消するためにはコントローラーを支える台座のようなものを作るか、別売りのタクティカルアサルトコマンダーという製品を買うかといった対応が求められたのだ。

これがそのタクティカルアサルトコマンダー。Amazonで8,000円程度。

結論としては、操作性の再現は忠実に行われたが、忠実すぎるあまりにプレイヤー側にも操作性を向上させるための努力が求められた点もゲームの敷居を高くした一因だと思う。
とはいえBBACの操作性の再現もプレイヤーにとっては嬉しいものであったのも事実で、そのほかにもコントローラー向けに最適化された操作方法などを選べるようになっていたら、もっと触れやすいゲームになっていたのではないかと思う。


6.UIや演出面の簡略化

  • バトル画面のUIが全体的に小さく簡略化

  • バトル開始時や終了時の出撃、勝利、敗北ムービーもそれぞれ1種類に減少

  • キャラクターのラジオチャットや活躍時のカットインなどの簡略化

UIについては実際の画面を比較していただくのが早いだろう。

BBACのバトル画面。公式サイトのマニュアルページから引用。(https://borderbreak.com/game/intro/screen/)
タッチパネル操作を採用していることもあり、全体的にUIは大きめ。


こっちは自分で撮ったBBPS4のバトル画面。
並べてみるとミニマップ小さいね

個人的にはAC版のほうが見やすいように見える。
左上のコアゲージの大きさ、右下のミニマップの大きさ、下にある各種ボタンの大きさなど、全体的にBBPS4ではUIが小さくなった。
UIの表示は邪魔にならない限り大きいほうが見やすくて良いと思うのだが、なぜ小さくなってしまったのだろうか?

バトル開始と終了時の演出もBBAC版に比べて大きく演出が削られた。

上記の動画で紹介されているBBAC版での通常ルールバトル終了時の演出だけ上げてみても、圧勝/コア破壊勝利/判定勝利/判定敗北/コア破壊敗北/大敗と6種類の演出が用意されていた。
さらにユニオンバトルでも圧勝と勝利、敗北と大敗で合わせて4種類の演出があり、勝利の喜びや敗北の悔しさを存分に表現したムービーとなっている。
このほかにもバトル開始時の演出も陣営によって2種類、ユニオンバトルの場合にも出現する巨大兵器によって2種類用意されており、どのムービーでもプレイヤーたちが操るブラストが活き活きと動き回るものであった。

これに対して、BBPS4のバトル終了演出は1通りである。
けちょんけちょんにしてやってもどれだけひどく負けても1通りである。
めっちゃ少ない。
少ない通り越して1つしかない。
負けたときも敵1位ブラストがドヤ顔するのでちょっとイラっとする。
それがBBPS4の演出事情だ。

極端な話演出ムービーがなかったところでゲームの進行に悪影響はそこまでないのだが、ボーダーブレイクの魅力の1つは様々なロボットが活き活きと動く点にある。
そういった点に魅せられているプレイヤーにとってこういった演出の削減は残念というほかなかったし、そうでなくても手抜きされてるという印象を受けるプレイヤーも少なくなかっただろう。

キャラクターボイスの削減や簡略化も残念に捉えれる点の一つだ。
例えば拠点となるプラントに関するラジオチャットについて、BBAC版と比べたときにBBPS4では、拠点であるプラントを指定した時にAやBといったどの拠点を示しているのかボイスからはわからなくなってしまったり、気を付けて!という注意喚起を行うチャットがなくなるなど、ゲームに影響を与えうるようなチャットの簡略化が行われてしまった。
ボイスが簡略化された原因の一つにキャラクター数が増えて1人あたりのボイスにかけられるコストが減ったことがあるのではないかとプレイヤー間では考えられている。

演出やUIは、ゲーム性に与える影響は小さいかもしれない。
しかし、プレイヤーがゲームから得る印象への影響は決して無視できるものではないだろう。


7.公式大会の少なさ

  • 公式大会「エースボーダー最終決戦」、BBPS4ではわずか1回の開催

  • エースボーダー認定戦が↑とは別に1回開催されたが、ランキング上位者に称号などを付与するランキングイベントにとどまる

  • その他スカッドバトルなどの大会もなし

  • オフイベはしばしば開催するも、ガチ勢対戦の場はほぼ皆無

これは主に熟練プレイヤーの間で聞かれた不満点だ。
エースボーダー最終決戦とは、上位プレイヤー数十名を選抜し、その数十名で10人のチームを結成してどのチームが最も強いかを競う公式大会イベントである。
他のゲームでもそうであるように、こういった大会の存在はプレイヤーたちのモチベーションを高めるだけでなく、プレイヤー同士の交流の機会、新たな立ち回りや戦術の開発、ゲーム業界への話題の提供など、ゲームタイトルの盛り上がりに大きな効果があった。

大会開催が少ない点についてはコロナ禍でイベントが開きづらかったという公式からの説明も出ていてそれについては同情の余地もあるのだが、例えばオフライン開催は無理だがオンラインで大会を開くとか、無観客開催にするとかそういったやり方があったのではないかと筆者は思う。
また公式大会こそなかったが、対戦以外を主な目的にしたプレイヤーが集まるイベント自体は数回開催されていたのも事実である。

↑オフラインイベント「ボダ家」と「コラボカフェ」開催のお知らせ

もっともBBACで10年の間に6回も公式大会を開いてくれたのがすごいことで、5年の間に1回公式大会があっただけでも本来は喜ぶべきことなのかもしれない。
だからこれは単純な不満点というよりは、BBACとBBPS4それぞれのゲームとしての盛り上がりを反映した結果として、悲しい話だと筆者は受け止めている。


8.チュートリアルや解説が少ない

  • ビギナーマッチが実装

  • ストーリーモードの序盤はチュートリアルを意識した内容にはなっている

  • とはいえ全く不十分

  • 一応TIPsとして有益な情報はロード中に流れるようになっている

ボーダーブレイクはコアと呼ばれる重要目標を攻撃して破壊するのが目標と一見シンプルなルールのゲームだ。
そんな中でコアを巡って複雑な駆け引きや派手なプレイが生まれるのが魅力となっている。
そういった複雑な部分や面白さを理解するためにはゲームの仕様を理解しなければならないのだが、多少込み入った内容になるとゲーム内ではほとんど説明が行われないのだ。
説明されない重要事項の例として、コアの耐久は直接攻撃すれば減らせることは序盤のストーリーモードで説明が行われるのだが、敵を倒して敵機体が爆散したときにもわずかに減るということは説明がほぼ行われない(一応ゲーム外で見られるWebマニュアルには1行記述が載ってた)。

このわずかな減少はゲームの行方を左右することもある重要な事項の一つなのだが、ゲーム内では数秒のロード中のTIPsで表示されることが稀にある程度で重要度の割には目に入る機会があまりにも少ない。

このように説明されない重要事項もそこそこあったため、結果的にプレイヤーたちの相互交流や努力によってWikiや動画などが作られて基本的な立ち回りが出来上がっていたのだ。
ちなみにGameWithの攻略サイトも存在していたのだが、サービスが始まってかなり早い段階で更新が止まっていた記憶があり、今はどうなっているのかとリンクを踏んでみたら404のエラーが出た。南無。

初心者が多いマッチングが存在すればよかったのだが、初心者もBBAC勢も区別されない点は上で述べたとおりである。
装備だけでなく、熟練者との知識の差が初心者に与えた影響は決して少なくないだろう。


9.ボーダー(操作キャラクター)仕様の変更

  • ボーダーは100を余裕で超える種類が実装されることに

  • 代わりにボーダーのカスタム機能はなくなった

  • ボーダーの使い込みでチップが解放されるため、興味のないボーダーを使うことが強いられるように。

  • 代わりにCVやイラストレーターは豪華になった。

操作キャラクターであるボーダーについても大きな変更があった。

BBACでは13種類のキャラクターの中から好みのキャラクターを選び、ゲーム内外で手に入るキャラクターパーツを集めて見た目のカスタムすることでカッコイイキャラクターからかわいいキャラクター、見ただけで吹き出してしまいそうになるキャラクターなども作ることができる自由度の高さが売りであった。

BBPS4では、マーケットにズラリと200以上のすさまじい数のボーダーが追加されることになったが、代わりに自分でキャラクターをカスタムする自由度は失われてしまった。

キャラクターめっちゃ増えたならいいじゃん!と思われるかもしれないが、BBACではキャラクターパーツがおびただしい数実装されていたので、キャラクターについても組み合わせ次第でまさに無限のカスタマイズを体現していた。

BBACの選べるキャラクター一覧。最初は来てる服などはほとんど一緒


参考までに、BBAC公式大会の優勝者チームのカスタムされたキャラ。

また、こうしたキャラクターパーツはイベント報酬などで配布されるものが多かったため、プレイヤーたちにとってはあの髪型欲しい!とかそういった理由があるのもプレイのモチベーションにつながっていたのだ。

また、BBPS4では各ボーダーの使い込みでチップと呼ばれる機体パーツが解放されるようになったのも変更点の一つだ。
このチップ、なかなか強力な効果を持つものが多く、新ボーダー追加が行われた後はこのチップ目当てで同じボーダーが戦場に大量発生するのが常であった。
つまるところ、チップの解放機能をつけることでボーダーの価値がチップの性能で値踏みされるようになった点は否めない。

BBPS4もキャラクターは最終的に200前後実装されていた。
それらのキャラクターには有名声優なども起用され、決して水増しなどではなく魅力的なボーダーも多かった。
ボーダーの種類が多いこと自体は自由度の高い魅力的な点なのだが、いかんせん比較対象のBBACのキャラカスタムの仕組みが良すぎたのだ。

↑AC版でも好評であった白石 稔さん、明坂 聡美さん、七緒 はるひさんの豪華声優陣と著名イラストレーター風間雷太起用のボーダー実装のニュース

キャラクターパーツをたくさん用意するのはゲームデザイナーの負担が大きいという裏事情が明かされたこともあり、そういった大人の事情でこの仕様変更にも同情の余地はあるかもしれない。
しかし、結局のところ比べてみるとBBACのほうが自由度あったよね、という意見が多かったのも事実である。
また基本無料だったり優良な料金体系であっても見た目のカスタムはガチャや大金を取る仕組みにしている他ゲーも多いご時世なので、武器などの入手は別経路にして見た目のカスタムでお金を取る仕組みにするべきだったのではないか、という意見も少なくない。


わるかったところまとめ

とにかく敷居が高いゲームになってしまった

サービス開始当初に初心者が要求されたことは以下の通りである。

  • デュアルショックでの操作に慣れること

  • ゲームシステムに慣れること

  • BBAC勢というシリーズ熟練者がうじゃうじゃいるマッチングで戦うこと

  • やたらと出るエラー落ちに耐えること

  • パーツを集めるための天井なしのガチャ課金

  • またはほぼ初期装備による長時間のプレイ

ちょっと要求高くないですか?

また、サービス開始時にBBAC経験者が要求されたことは以下の通りである。

  • 専用コントローラー(1.9万円)を買うか、慣れたゲームをデュアルショックという慣れない方法でプレイすること

  • 初心者と切り離されていないマッチで戦うこと

  • やたらと出るエラー落ちに耐えるか、この回線はいいらしいぞという噂を自分で調べて契約変更すること(それでもなくならない回線の不具合もある)

  • 好きなパーツがガチャになってていくら払えば手に入るのかすらわからない現実に耐えること

  • またはほぼ初期装備による長時間のプレイ

やっぱり要求高くないですか?
ゲームの名誉のために言っておくと、後にシステム改修や機能の実装でガチャの無料配布は多少増えたし、装備の利用も月額課金で多少はしやすくなった。
他はほとんど変わんねえ

Q.じゃあBBPS4ってクソゲーなの?

A.俺はいいゲームだったと思うよ

いいところ編で散々述べた通り、ゲーム部分の移植自体はよくできていたと思う。
10年もサービスを続けてくれたBBACにはハード面での限界が来てたのでこちらが終わるのは正直しゃーない。
そのボーダーブレイクが家でPS4という比較的新しいハードでボタン一個押すだけで気楽に遊べる。それ自体はめっちゃうれしい。
BBACから受け継いだいい部分はちゃんといい部分として残っていた。
ただ、ゲームとして致命的な欠点もしっかり複数抱えていた。
自分のようにほっといてもこのゲームやるような人間はともかく、初心者やライトプレイヤーにとってボーダーブレイクはどんなゲームとして映っただろうか?

BBPS4運営事情

BBPS4を擁護する意見として「低予算で運営させられてそう」とか、「運営の手が足りてなさそうなのによくやってる」という意見もある。俺も正直そういう雰囲気は感じてるんだけど、じゃあ例えば低予算で作ったゲームだから致命的な欠点あってもいいよね、とはならないだろう。
欠点は欠点だし、何よりゲームはプレイして感じた率直な感想が一番大事なのではないか?忖度したところでゲーム体験は面白くならないのだ。欠点によってはそうなった理由を考える助けにはなるし同情は個人的にはしてるけど。

結論

俺はガチャ運かなりいいほうだったから、キャンペーン配布とかで強い武器運よく引いたりプレミアムサービスやたまにやる高レア確定ガチャくらいでプレイできてた。
そうやったりしていい武器集めてれば無料でやれる良ゲーだったので、俺目線では良ゲー。
でも最初キャンペーン走れるようになる程度に装備集めるのは大変だし、キャンペーンをいわゆる環境武器ない状態で走るのは俺にとっても正直苦痛だったから、クソゲーって思ってやめてくのも正しい感覚だと思う。
ただ回線の問い合わせしても取り合ってもらえなかったのは残念だった。
サーバーや回線が不安定ってだけでやりたがらないプレイヤーも多いのでこの1点だけでもクソゲー認定されても仕方がないと思う。
良ゲーだけど惜しい終わり方だったね。

Q.あの点は書かないの?

プレイヤーの民度について

ボダのプレイヤー民度悪いだろ、というご意見。
実際いいか悪いかで言えば悪いと思うけどチーム対戦ゲームはどれも似たような民度だろう。
真面目にプレイすれば多少は話が過熱するのは当たり前のことである。個人的には「ああしてほしい」「こうしてほしい」と味方に要求すること自体はいいことだと思うし。
それにSNSなどで喧嘩してるプレイヤーを見ていると、ゲーム部分の悪い部分が原因で喧嘩になっている場合もあった。そんな場合の原因にはこの記事で既に言及できていると自分では考えている。あとはゲームじゃなくてその人の人格がダメなのをゲーム側に責任押し付けるのも酷だろう。
あと俺がチーム対戦ゲームへの向き合い方とか民度はどうあるべきかみたいなの書くといわゆる高ランク寄りの意見になって中立な意見とは言えないものができる気がするので言いません。
このゲーム特有の話というわけでもなくチーム対戦ゲーで普遍的なテーマの話になってくるのでここで語るのはやめておく。

迷惑プレイヤーへの対応について。

BANなどの対応がぬるいという意見。
主観的に見ればこいつうるせえな、とかこいつBANされてほしいという出来事はたまに起きる。
けれど俺が知らないだけでちゃんと悪いプレイヤーはBANなどの処置をされていたかもしれない。
俺が知らないだけで悪いプレイヤーは最初から最後まで大暴れしていたのかもしれない。
これについては一応プロデューサーレターなどで迷惑プレイヤーへの対処状況が報告されており、逆に迷惑プレイヤーの対処が甘い客観的な証拠は揃えられなかったので、悪い点として挙げることは無理だと考えた。

ホバー脚の削除

BBACに存在した、水上に浮かべたり長い滞空時間を発揮できる脚部だが、BBPS4では同名のパーツが二脚、つまり普通に地面を歩くパーツに変更となって実装された。
ホバー脚ファンも確かに居たし彼らにとっては間違いなく災難である。
だが、ホバー脚限定の侵入ルート、安全地帯など影響力の高い要素が多く、プレイヤーも運営側もそれへの対処に追われていたことを考えるとゲームバランス的に消えたのはやむを得ない。
不毛な鬼ごっこに付き合わされていたプレイヤーもいて廃止を歓迎する声もあり一概に悪い変更とは言えない。
紙のデュエマでボルバルザークが使えなくなったのと似たような理由だ。

そのほかこんな点やあんな点は?

ド忘れしてることもあると思うし、それはそうだと思ったら追記します。
お手数ですがコメントなどをいただけると幸いです。

最後に

ボーダーブレイクシリーズは自分にとってゲーム本体の面白さもさることながらゲームを通じて様々な人や出来事と出会った、唯一無二のゲームだ。
そんなゲームの展開が終わると聞いて、BBPS4はどんなゲームであったのかを自分なりに振り返ろうと思ってこの記事を書いた。
今になってみると、自分はBBPS4に期待しすぎていたのかもしれないと少し思う。
でも、人生を変えるくらい色々な人や体験と出会ったゲームであることは俺にとって確かなことで、だからこそわるかったところとそれが強く影響しているであろうゲームの終焉を見ると、残念でならない。

ボーダーブレイクシリーズの最終設定資料集が出ることが決まってしまったようで、ストーリーの都合上シリーズがまたどこかで再始動することはあまり期待できないのかな、と思っているが、もしも再始動するならば、この記事をみて笑い話に変えられるくらいいいゲームとなってくれることを願ってやまない。


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