音楽は不要不急だなんて

最後の大会が終われば吹奏楽部も引退。
中学校に入学したときは吹部に入る気なんて少しも無かったのに気付いたらコンマス席を貰ってたし副部長なんてやっちゃって、ああ、遠すぎる先輩の影に追いつかないままで私の吹奏楽部人生は終わってしまう。

メンバーに恵まれた、顧問に恵まれた。

合奏が好きだった。

二年生の頃はクラリネット2ndで一列目のド真ん中が私の席だった。
合奏の、音楽の、ド真ん中。

音楽のド真ん中でハーモニーの中に自分の音を重ねるその瞬間が世界で一番愉快だった。
コンマスの今もその席を一番好きでいる、もう座れないけれど。

音楽は生活において不要で、それでも物心着いた頃からずっと、私は音楽を好きでいた。

音楽が生活において必要不可欠だなんて思わない、きっと「不要不急の外出」に音楽を入れられたのが、気に食わなかっただけだ。

秋が深まる頃にはクラリネットから合奏から離れることに。

そこで空いた時間は私に新しい音楽を教えてくれるだろうか。

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