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ルースの透明感を前面に出した留め方(オーダーメイド例)

最近とても人気のあるパパラチアサファイアのルースが、たくさんあります!でも、天然石の性質で、どれも少しずつ違うのです。その中でピンとくるものを選んでいく、というのは、とても素晴らしい体験です。

大きさは大体0.5ct前後で、すべて非加熱のパパラチアと鑑別書があるものですが、それぞれ特徴があります。ピンク系の色味も、お好みがあります。

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こちらは前回のイベントで、お選びのルースでネックレスのトップをオーダーになった方の作品です。
まずはイメージやご希望を伺って、ざっくり絵を作ります。
(とてもスタンダードなやり方の場合は絵はなしで行く場合もあります)

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ご希望は、「あまりボリュームを出さない、高さを出さない」ということでしたが、その他はスタンダードにシンプルな爪留め。
バチカンと呼ばれるチェーンを通す金具も、ここでかなり印象が変わるのですが、石を邪魔しないシンプルさだけど、オーダーメイドならではのサイズ感のバランス、丸みや厚みによってパパラチアサファイアのピンク系の色の雰囲気を活かす優し気な雰囲気と共に小さくても贅沢な黄金の輝きを持たせています。

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爪を小さく、薄めに作ってもらいました。
表からは爪以外の貴金属部分は見えず、石だけがまるで水滴のように揺らいでいます。

石座はある程度高さがありますが、必要以上に高くしないようとどめています。ただ、ある程度の高さによって、石の奥行や表情がよりはっきりと見えるようになるので、薄さがご希望であってもそれなりの高さが必要になります。

完全に石だけにしてしまうと、このような奥行き感が出ません。
ミックスカットの光の拡散が非常に美しく引き立って、水面の輝きのようです。
でも、大げさな厚みはなく、爪も薄くお作りしているので、スマートで儚い仕上がりになりました。

光の入り方で色合いが少し変わって見えるのも非常に美しいですね。
陰りがワイン系の紫味に見える時も、ピンクみがパーッと表に出てくる時もあり、光と影りの両方がパパラチアサファイアの魅力を引き立てます。

今回はネックレスになっていますが、このような爪留めで指輪にするのもとても美しいです。
(今回のパパラチアサファイアの場合は、石で3万円前後、お仕立て代は小さなものなら10万円以内で十分素敵なものが出来上がります)

石好きさんは、ふくりん留めという石のまわりを額縁のように囲った留め方をお好みになる方が多いのですが、石の持つ輝きを前面に引き出すにはやはり爪留めで光をたっぷりを届けるセッティングはとてもおすすめです。
爪以外の貴金属部分が見えにくいので、より石の美しさが全面に出てきます。(もちろんふくりん留めで引き立つ面もありますが、こちらのパパラチアサファイアは、とても素晴らしい仕上がりでした)

爪をほんの少し角度を変えるだけで雰囲気が変わってきますので、「かわいくしたい」「大人っぽいのがいい」「アンティークジュエリー風が好き」「ちょっと個性的な雰囲気にしたい」などどんな雰囲気が好きなのか話し合うのもオーダーの醍醐味です。

お手持ちのジュエリーやアクセサリーを並べてみると、こういうのが好き、こういうふうにコーディネートしたいというのも出てきますので、イベントの時はぜひお持ちください。
お直しやクリーニングのご相談も承っております。


9/26・9/27にまたイベント開催予定です。


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