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鶏肉を洗う夕方

金曜日。
はあ、もうめちゃくちゃやる気出ない、仕事行きたくないと朝から思っていたのに、行ってみると意外と機嫌良く仕事できた。こういうの、なんなんだろう。
いつもなら、顔面ぶっ飛ばしたくなるような相手とも楽しげにお喋りができる。
仕事の後は、東京国立近代美術館へ行ってきた。なんだかよくわからない企画展だけど、普段なかなか観る機会の無いモディリアーニも展示されるので、行ってみた。
モディリアーニや、前から好きなデュフィやシャガール、畠山直哉もよかったが、今まであまり見たことのなかったバスキアや丸木俊もよかった。
バスキアってすげー人気だけど良いか?と思っていたのだが、今回パッと目に入った作品「へえー、これいいじゃん。誰だろう?」と名前を見たらバスキアだった。この自画像良いな、と思ったのは丸木俊で、ちょうど読み終わったばかりの、かこさとしの本にも出てきていたし、翌日観に行く予定の映画の主役でもあるのでかなりタイムリー。

モディリアーニ
バスキア
丸木俊
有元利夫
最近注目しているのだが個展やらないかな
30代で亡くなっているようなので昨日少ないかな
ラウル・デュフィ
マルク・シャガール
畠山直哉


しかし、最後の部屋にあった作品が素晴らしかった為、この一点を以てこの展示会に行ってよかったと思う。百瀬文という人の映像作品で、聾者の女性と健聴者の男性のカップルのディスコミュニケーションを描く。言い争いが始まりかけたところで、男性は「ごめんね」と言って女性の手を握る。ああ、キモいな、ウザいな。でもありそうだなあと思うのだが、女性が話している途中で男性が彼女の手を握るということがその後2回、3回と繰り返されることで観ている者は気付く。これは言葉を奪う暴力なのだと。2人は手話で話しているからだ。ハッとする感覚。マジョリティーとマイノリティーの見えている世界は違う。男性と女性。健聴者と聾者。
近代美術館はコレクションも充実しているので、観たのだけど夏の美術館って本当に寒い。カーディガンを羽織っていたけれど、それでも寒くなって、コレクション展でも気になる映像作品があったのに寒さが極限で観るのを諦めてしまった。

お堀沿いの柳に西陽が差して綺麗だった


帰りにスーパーで買い物をして帰ったのだが、エコバッグから鶏胸肉を冷蔵庫に入れようとしたら、肉が入ったジップパックが開いていて、肉が床に滑り落ちた。ああ。

金曜日はそんな感じです。

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