King Gnu

”King Gnu”   好きなアーティストを思い浮かべると真っ先に出てくるバンドです。King Gnuは僕の人生にとてつもない影響を与えました。存在を知ったのはおそらく世の中のほとんどの人と同じタイミングで、”白日”が大ヒットしたあの頃です。そこから色々と過去の曲をディぐり、Vinylという曲を知った時の感動は忘れられません。こんなに耳馴染みが良くて、かっこよくて、美しい曲があるんだという衝撃が全身に走りました。曲調から歌声MVまで何をとっても全てが完璧。何も言うことがない。文句をつける奴がいたとすればそれはそいつに問題がある。いや、文句をつけるなんて有り得ない。病的な愛を注ぐ程好きな曲です。

 そんなVinylが収録されているTokyo Rendez-Vous、そしてSympa。この2つのアルバムはKing Gnuの最高傑作だと個人的に思っています。最高傑作なんて言葉を使いながら2つのアルバムの名前を挙げているのはワガママな感じがしますが、どちらもそれくらい素晴らしいアルバムです。ついでにこの2つのアルバムの中から好きな曲をいくつか紹介します。
Tokyo Rendez-Vousからは Vinyl、ロヴラヴ、Mcdonald Romance。 Sympaからは It's a small world、Bedtown、Sorrows。この6曲は個人的にKing Gnuの曲全てを含めても何百回、何千回と聴いた自負があります。他にも紹介したい曲はたくさんありますが、ゴチャゴチャしてしまうのでこの辺でやめておきます。
とにかく白日との出会いに始まった2019年の春から今に至るまでの約4年間、Spotifyで再生したアーティストのトップリストにはいつもKing  Gnuが居ました。Vinylに至っては2019年から2023年まで毎年1番再生した曲にランクインしている気がします。4年間も1番再生した曲が4年間同じってのも気持ち悪いですね。それくらい好きです。話を戻しますが、さっき名前を出した2つのアルバムがリリースされた時期は前者が2017年、後者が2019年となっています。2020年にはCEREMONYというアルバムが発売されました。問題はここからです。問題というとかなり語弊がありますが、正確に言うとCEREMONYも素晴らしいアルバムです。好きな曲はいくつもあります。ただ、個人的に2020頃からKing Gnuの曲は何だか弱いというか、しっくり来ない感じが増えたなと個人的には思うのです。もっと言うとこの辺りから一気にタイアップの曲が増えました。アーティストの人気が高まるにつれてタイアップの曲が増え、
「昔のほうがよかった」なんてつまらないことを言いだすファンが現れるのはよくある話です。というか今の僕は完全にそうなんだと思います。いい気分はしませんが懐古厨と言われたって仕方ありません。一途、逆夢、SPECIALSなんかは呪術廻戦のテーマ曲としてリリースされ、YouTubeのコメント欄を見てもキャラの心情とマッチしてるだとか色々賞賛されていますが、僕はKing Gnuが好きなのであって呪術廻戦のことは全く分からないのにそんなこと知ったこっちゃありません。
カメレオンという曲で言えば、ミステリと言う勿れの主題歌としてリリースされ、あのタイミングで流れて鳥肌が立っただとか、BOYという曲で言えば王様ランキングの主題歌としてリリースされ、アニメのストーリーとの親和性がどうとか絶賛されていますがそれも知ったこっちゃありません。なぜならミステリと言う勿れも王様ランキングもまったく見ていないから。なんらかのドラマやアニメの内容に付随して評価されている曲は、ただKing Gnuが好きな僕からしたらスっと入り込めないというか、違うバンドの曲を聴いているような感覚になってしまうのです。

まあそんなこんなで色々思うことがあった中、最近久しぶりに「THE GREATEST UNKNOWN」というアルバムがリリースされました。本人たちの口からも”最高傑作”のようなニュアンスで物凄い期待をふくらませるコメントが出ていたり、全21曲収録ということからリリース日が本当に楽しみで仕方ありませんでした。アルバムの内容はと言うと21曲収録とは言うものの7曲がインストであり、完全な新曲は3曲でした。そこに最近のシングルをアルバムverにアレンジした曲たちで構成されており、確かにアルバム全体としての一体感、最初から最後までが1つの曲として聴けるような感覚は素晴らしかったし、好きな曲を好きなだけシャッフル再生で聴けるサブスク全盛の時代においてアルバムをしっかり聴くことの良さを再認識させられる作品だと思いました。ただ、これが最高傑作なのかと言われればそれは少し違うような気もするし、タイアップの曲がほとんどを占めるこのアルバムは僕の思っていたものと違う印象を受けたのが正直な感想です。各所で絶賛されるTHE GREATEST UNKNOWNの評価は僕にとって少し違和感のあるものでした。タイアップが悪いなんて言いたくはありません。それをキッカケに新しいファンは生まれるし、タイアップ曲でありながらKing Gnuの良さも出しつつ、世間から絶賛される曲を次々と生み出しているのは本当に並外れたことだと思います。
所詮、今までの発言はただの懐古厨と化してしまっている僕のワガママだと言えばそれはそうだと思います。僕なんかが妙な不満を勝手に垂れようがKing Gnuはこれからも評価を高め、多くの人に愛されるバンドとして歴史を作り上げていく、それだけです。

ただ、僕が好きになったKing Gnuの”味”みたいなものが少しづつ薄くなっているような気がして寂しいのです。彼らの音楽の哲学である”トーキョー・カオティック”の精神があまり感じられなくなったというか。まあ、そういったアンダーグラウンドな活動はKing Gnuとは別に「millennium parade」という音楽プロジェクトの方で特化してやっていると思うので、今や国民的な知名度を持つKing Gnuに求めることではないのかもしれません。
結局、大人しく自分の好きな曲だけ聴いてりゃいいいじゃないかと言われればそれまでです。でも今回のアルバムを聴いた時の漠然とした感情を少し外に出したくてこんなnoteを書いてみました。僕は大人しくこれからもVinylをたくさん聴けばいいし、常田大希と井口理という才能が長野県なんかから生まれてくれたことを県民として誇りに思います。 ありがとうKing Gnu





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