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デシブログ:入社後いきなり歴史調査をするとどうなるのか

※この記事は大部分を2021年11月ごろに書きました。COTEN RADIO「資本主義」シリーズ全4話の配信が終わるまでは公開せずあっためておこう・・・としていたものです🐣やっと出せたぞ〜

実は歴史調査部で台本書いてました

11月11日は、偶然にも私の誕生日であり、またCOTEN RADIO「資本主義」回の収録日だった。
時は遡って10月中旬、朝のミーティング。アレクサンドロス(事業推進部)のメンバーで、COTEN RADIOの最適なエピソード配信スケジュールなどを話し合っていた時のこと。
龍之介さん「この日程に資本主義をぶち込むとなると、収録まで3週間くらいしかないな・・・千咲、経済学部だったよね?今日から調査に参加してもらう
「ファッ」
 かくして、私は入社後2週間くらいで突然ディオゲネス(歴史調査部)に加わり、COTEN RADIO「資本主義」回の台本作成に参加することになった。私が書いたテキストをもとに、龍之介さんたちが喋り、それがCOTEN RADIOになるのである!!
自分としては、「COTEN RADIOや、世界史データベースを作る天才たちを支えるのが自分の今の仕事っぽい!頑張ろ!」というマインドでいたので、こんなに早く台本作りに関われるなんて、嬉しいやらびっくりやら。でも、あとはやっぱり、経済学部を出たとはいえ、大して熱心に勉強しておらず、成績も悪かったので、本当に役に立てるのだろうか、という不安・・・でも、そもそも割ける人員と時間が足りないんだし、自分ができる分だけ頑張るしかない。

龍之介さん なんかいつもと違う件

COTEN RADIO制作フローの詳しいことは、フクリパさんがわかりやすく記事にしてくれたので、下に載せた記事をご参照いただきたい。

ここでは私が主観的に感じたことを書く。
朝のチームミーティングにて、私の調査参加が決定した直後に、龍之介さん・ムロさん・千咲で話し合いの場が持たれた。どういう方向性で調査を進めるか、について。
正直に言うと、私は、この話し合いで二人が喋っていることが半分くらいしか分からなかった。
「大きな文脈と小さな文脈が・・・◎△$♪×¥●&%#?!」
「それはさ、ヴィクトリア朝の時代に生まれた概念が・・・◎△$♪×¥●&%#?!・・・かもしれないね」
「(笑)」
みたいな感じである。普通に喋っている内容が高度すぎてよくわかんない笑 あと、ムロさんに対する龍之介さんのコミュニケーションは、私が2週間くらい接しただけの時とはまた違う感じだった。本領が発揮されている感 + 楽しそうで、それにも若干びびっていた。後々わかった(というか伽倻子から教えてもらった)のだが、二人は大学時代からの友人で、コミュニケーションがスムーズなのだ。
半分くらい内容が分からなかった話し合い。エクセルシートに瞬く間に読む本リストが積み上がっていったのも恐ろしかったのだが、終盤にはいくつかのことが決まっていた。

決定事項を自分のために要約すると、
1. それぞれが急いでいっぱい本を読んで台本を書く
2. 千咲はポスト資本主義を論じている人たちの考え方を網羅的にまとめる担当

この2つ。

受験生時代再来?

11月頭までには一度、それぞれの論者の意見が総覧できるように、という目安を伝えられた。自分だけに関わることなら、一夜漬けタイプなのだが、まあこれはそういうのじゃないよネ・・・ということで、普通に毎日、まじめに本を読んだ。あとで数えたら、結果的に、2週間くらいで10冊の本を読んでいた。

日中は陽夏から業務を引き継いだり、他のメンバーがいないとできない仕事をやって、空いた時間と夜に本を読む生活。2日で1.5冊読んだら、7日で10.5冊読めるはず!という計算をするも、2日で1.5冊は読めないので、計画は狂いまくった。当たり前である。それでも、長い本も短い本もあったので、最終的にはなんとかなった(なってない)。

具体的な作業としては、本を読み、著者の思考の形をなるべく崩さないようにしつつ、ミニマムに要約し、箇条書きの形で台本に転記する。苦手ではないはずだが、量が多いのと、時間が無くて焦るのと、そもそも自分が大量の文章を読む勘を取り戻すのにも時間がかかり、序盤は結構苦戦した。徐々に効率的なスタイルが分かってきてスピードアップする感じは結構楽しかった。COTEN RADIOはこういう地道な作業によって作られていたんだということを身を以て知った。あくまでもCOTEN RADIOのコンテンツとして皆様にお届けするのが目的なので、求められる絵は、ラフ画で十分な時もあるし、正確なデッサンが必要な時もある。それらを並べることで座標を見せる。今回の準備期間でどれだけのところまで到達できたのかは分からないが、勉強してCOTEN RADIOの台本を作る、という作業自体は割と理解できたように思う。

Diogenesメンバーの対話で台本を仕上げる

さて、11月頭に、なんとか10冊の本それぞれのまとめを、台本に載せる、というところまでは持ってこられた。そこから収録日まで、龍之介さんをはじめとするディオゲネスメンバーによってブラッシュアップがなされた。
やっていることは単純で、著者の主張とは違うことを書いてしまっていないか、この記述はどういうことか、等々、分からない箇所をミーティングの対話によって埋めていく作業。その時に分からなかったことは、あらためて本を読んで加筆したりする。話す中で、点だったそれぞれの記述を、COTEN RADIOのコンテンツとしてどういう位置付け/見せ方にすべきか、なんとなく見えてくる。
ディオゲネスのミーティングはちょっと男子校のようで(男子校にいたことないから想像だけど)、面白かった。また、ある日のミーティングでは、参加したら全く知らない方が経済学の理論について全部完璧にわかりやすく説明していて、この方がすごいことだけは分かるけど、誰なのでしょうか?という私的プチ事件もあった。ボランティアで参加してくださっている方らしいのだが、まだ詳細は謎である。

2022年1月25日追記:この方はその後、すっかりDiogenesの一員になりました。

そんなこんなで、短い準備期間のなかでできる限り台本も練り上げ、本日の収録まで至ったというわけだ。精神と体力、どちらもかなり持っていかれる作業だけど、特に最後の方は楽しかった・・・ような・・・いや、どうかなあ・・・。

COTEN RADIOに注がれている意味わからんくらいのリソース

短い期間とはいえ台本作りに参加してわかったことが2つある。1つ目は、COTEN RADIOに注がれているリソースは、多いし、高度だということ。自分が他のディオゲネスのメンバーほど貢献できていたとは全く思えないけど、かといって、その辺を歩いている人にいきなり任せてもできる簡単な仕事だとも思わない。優秀な人たちが、ちゃんと調べて努力して作っているのが、COTEN RADIOなのだ。

2つ目は、Diogenes人材の能力は、特殊だし、それゆえ見つけたり育てるのが難しいということ。私は曲がりなりにも経済学部出身で、資本主義のことを調べること自体は普通に楽しかった。でも、本来これはマラソンなのだ。収録が終わればすぐ次のテーマの勉強が始まる。自分は、興味のあるテーマと無いテーマでかなり調査のクオリティに差が出てしまうであろうことが、やる前からわかっていた。でもDiogenesの元々のメンバーは、どんなテーマでも、一定ちゃんと調べ上げるし、私の感覚が間違っていなければいつもそれなりに(?)楽しそうに見える。概して、歴史が好き、のレベルが自分より1段階高いな、と感じた。そのレベル感で歴史を好きな人は、もちろん世の中にいることはいるのだが、能力も鑑みると、少ない。現にDiogenesでは、人材の獲得・育成が課題である。

これから私はどうするか

さて、資本主義の勉強が終わった後、一旦COTEN RADIOプロジェクトマネジメントに興味を持ったのもあり、師匠に相談して調査活動から離脱した。龍之介さんからいただいたフィードバックでは、本を読んでまとめる能力に問題はなく、調査にも貢献できていたとのことだった。自分の感覚としても、確かに、歴史調査はできるっちゃできる。でも、私よりもっと情熱と正確性と構造理解力を持ったメンバーはたくさんいる。今後、どういう関わり方をしようか・・・。

一旦出した答えは、興味のあるテーマの調査の時は積極的に参加する、だ。興味のあるテーマの時だけはバリューが発揮できている感覚があるので、調査の義務がないのをいいことに、役に立てそうな時だけスッと入り込んでいこう、と決めた。

龍「資本主義、調査やってみてどうだった?」
ち「いやー・・・正直いうととても大変でした。生活が持っていかれる感じで」
龍「だろうね。勉強もして仕事もしてると生活ができなくなるからね、普通は(笑)まあスピードへの挑戦はいつか必要になってくるからまたやったらいいよ」

そんな生活をずっと続けている龍之介さんって一体・・・?

というわけで、この段落を書いているのは2022年1月25日だが、じきにまた読書漬けの生活が始まるのであった。たぶん。

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