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3月2日(月)晴れ24歳、夜の道を花を持って歩いたことについて

今日からは、昔の日記と日付を合わせてみる。今日と同じ日付のものがあった時だけ昔の日記も載せよう。今日のぶんは無かった。

今日は仕事終わりに、同じ職場で働いていて、小・中が一緒だった女の子とごはんを食べる予定があった。彼女は4月から試験に受かって別の仕事を始めると聞いていたので、お祝いに渡そうと、昼休みの間に駅の花屋さんでピンクと黄色のチューリップを3本買いに行った。駅に歩いて向かう道は良く晴れて春めいていて、薄手のダウンコートだと少し暑かった。花粉もバンバン飛んでいるようだった。花は好きだが花粉は憎い。花はさっさと花粉という原始的で風任せな生殖活動を廃止し、より効果的な交尾で増えるようになってほしいものだ。

一階のロビーで待ち合わせていざお店へ。同じ建物とはいえ大きな組織、フロアが違えばなかなか会わないので、久しぶりの再会だった。職場近くのビル二階に潜むタイ料理屋さんに入った。料理もワンオペの店主も親しみにあふれていてすばらしく、特に久しぶりに生春巻きが食べられて嬉しかった。生春巻きの皮を噛み切る瞬間が好きだ。だらだらとパッタイをつつきながら、小出しにされる断片的な話から、どうやら最近はお互い仄暗い状況にあるということを察し合った。

「家のソファーに座ってスマホを2時間無意味にいじることしかできない時がある」「分かる」「だけど自分しか変えられないし」「人生の進捗を生んでいこう、でないと死ぬしかない」「でも私最近簿記受けたんだよ、頑張ったでしょ」「私も、自分で目標決めてダイエットしてる時は楽しかったな」「鈴の音でなんか気分が落ちにけり」「ははは、詠嘆」つらみは共有するといくらか軽くなる。3杯目にデザート代わりのラッシーを頼むころには、もう今日は気が済んだから夜道を歩いて帰ってもいいかなという気持ちになっていた。

「ごめんねチューリップ、袋も無しに渡しちゃって」「ううん、夜の道を、花を持って歩くなんてなんか強くなれそう」本当にそんな気がした。私たちは強いから、夜の道を花を持って歩いてやる。寒かったのか花粉か、家に着いたらでっかいくしゃみが出た。

今日もお疲れさまでした。明日もメメント森の熊。


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