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Sweet Bean Paste あん

2021年5月20日

授業の教材として初めて使ってみました。最初はあまり期待していなかったのですが(すみません)、教材としてすごく有用であることに気がつきました。

例えばメタファーの使われ方。桜、月、カナリア、などなど人間でないものに慰められ、小豆の話しを聞くことで、おいしいどら焼きに変えていく。人間と人間以外のものの距離の近さ。

それでいて、人間同士になると差別があり、搾取があり、生きていくことが難しい。

ハンセン氏病だったり、どら焼きだけを売る小さなお店、桜が表すメタファーなど、学生にとってあまり身近ではない話題で大丈夫かな、と思っていたけれど取越苦労でした。学生はきちんと、この本のテーマである「生きることの意味」について考察していました。今のような不安定な時代に世間に出て行かなくてはいけない学生たち。自分の生きる意味について悩んでいる真っ只中。彼女たちはそのメッセージに励まされたようです。

季節の移り変わりと物語の主題との間に関連性を見出していたり、繊細な読み方をしてくれました。もっと時間があればもっと話し合えたのに。残念。

そして、一生懸命な学生たちから元気をもらった日でした。

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