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Night in Paradise 楽園の夜

2021年6月2日

2017年の映画After My Death(私が死んだ日)とVincento (作品自体はいまいち)での演技で、すっかり心を奪われてしまったチョン・ヨビン。演技の幅の広さ、自然さに心を奪われました。泣く時に鼻が赤くなるところ、くーっ!

そのチョン・ヨビン見たさに2020年のNight in Paradise(楽園の夜)を見ました。英語の題で書いているのは、英語のネットフリックスしか見れていないので、現代の韓国語ができないし邦題もわからないためです。すみません。というのも、トレーラーで日本語訳を見たのですが、英語よりこなれた日本語になっていて、訳した人優秀!あるいは、韓国語と日本語は構造が似ているので、英語にするより日本語にしやすいのかな。。。

とても良いと思ったのですがと、ある映画評でC+の映画評を見たので、どうしても書きたくなりました。

ともあれ、ストーリー的には予測可能で、目新しいことはありません。でも、これはプロットの起伏で見せる映画ではなく、短くても深いつながり、淡いけれど確固とした友情・愛情、というふうに、言葉でスパッと言えないものを丁寧に描き出しているものなのです。

確かに「これでもか!」というバイオレンスシーンには、さすがの私も、うむむ、と思ったところもありました。(Too Old To Die Youngを彷彿させる箇所も。。。)でも、バイオレンスで描かれる動は、海辺での、レストランでの、移動中での、静かなシーンを際立たせています。

また、シネマトグラフィーが素晴らしい。悲惨な体験をしてきた済州島ですが、その歴史を思うと、映画で描かれる現在の楽園のような済州島とのコントラストも、上記の動と静に呼応しているようです。

姉の担当医との短い会話から、レストランでのちょっとした会話から、主人公パク・テグ(オム・テグ)の生い立ちがわかるようになっていたり、だからこそ、家族だったり疑似家族だったりを大切に思う彼が復讐に走り、ほんの数日顔をあわせただけの女性を救おうとする行動にリアリティーが増すのです。

韓国エンタメ初心者の私はパク・テグを演じた俳優さんのことは全く知りませんでしたが、ハスキーな声と相まって、復讐に燃えていても、どこか心優しい感じが出ていて、とても良かったです。ファンになりました。チョン・ヨビンも、憎たらしい中にも甘えなど相反する気持ちがすごく上手に出ていて、この二人の演技の達者さも映画の成功に一役買っていると思います。

北野映画、嫌いではありませんが、質的にこちらのほうがずっと高い、韓国映画(エンタメ)の力を今更ながら知った次第です。

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