見出し画像

犯罪者に反省させてはいけない?!犯罪行為は最高のSOS⚠️


岡本 茂樹
反省させると犯罪者になります (新潮新書)

私は将来、鑑別所や拘置所、刑務所などといった司法領域で心理士(師)として活躍したいと考えています。私は被害者のケアよりも加害者のケアをしたいと考えております。


「世の中は悪いことをした」という結果だけを見てニュース番組のタレント人やニュースアプリのコメント欄等で批判を残して行きます。たしかにしてはいけないことした。だから批判されることは避けられない。ただ加害者にとって反省したくても反省できない、できたとしても世の中に認められないということは避けなければいけないと思います。

日本国憲法で人権や平等が認められている以上、加害者にも生きやすい世の中にしていかなければならない思います。そのために司法領域で働く心理士(師)が犯罪、教育について秀逸である必要があると思います。


初等中等教育では、戦争はダメなことである。と教えます。私も実際そのとおりであると思いますが、戦争自体、正義と正義のぶつかり合いです。どちらの陣営も自分が正しいと思っています。だから争いがおこります。ここでいう正義という考え方が犯罪をする加害者の考え方です。

例えば、Aさんは小さいころに両親が離婚してろくに親の愛情を受けずご飯も満足に食べられていないとします。そのまま親に放置されたまま大きくなり中学校も卒業できないまま社会へ出て働くようになります。ですが、Aさんは仕事が続かなくなり、やがて盗みをするようになります。すると暴力団の組に拾われ組長にとてもかわいがられることになりました。この時Aさんは初めて愛情を受けるようになりました。しばらくして、組長が○○を殺してこいと命令し、組長の期待にこたえたいAさんは喜んで命令を引き受け、遂行しました。ですが、その後警察に捕まり、刑務所生活を余儀なくされました。


この時Aさんは殺害することに罪の意識を感じていません。これがAさんにとっての正義なのです。私ももちろん世の中全体として、悪いことをしただけで非難しますが、このような場合では本当にAさんが単に悪いのかよく考える必要があります。私はこの本を読むまで犯罪者そのものが悪いと思っていました。しかし実際は犯罪者の身の回りすべてが関係してくることがわかりました。この場合だとターニングポイントは、親が離婚したこと、その後放置されたこと、集団生活をこなしなかったこと、教育を受けなかったことなどいろいろあるように思います。

刑務所で教育する際はただ単に殺害は悪いことと教育するだけでは刑期を終えた後再犯する可能性が非常に高いです。では、どのように教育するのかというと自分の人生を振り返ることです。Aさんは組長に出会うまでずっと愛情を注がれてきませんでした。だからずっと愛情をほしていました。しかしずっとAさんは我慢していました。その我慢こそが自分を抑圧するということであり、その抑圧によって感情の爆発が引き起こされました。今回の場合だと窃盗が爆発だと考えます。この爆発の要因を探るためにも人生を振り返り自分を抑圧している要因ことを見つけることが教育につながると思います。犯罪行為というのは自分に抑圧を重ねてそれが爆発したサインです。もっというとその人にとってのSOSなのです。このSOSを見逃さすしっかりと助けることが必要なのだと思いました。

 この発見はすべての教育に繋がると思います。悪いことをすれば反省をさせる。それは一見間違いではなさそうですが、実際は大きな間違いでただ反省させるだけでは抑圧を加速させるほかなりません。本当に必要なのは自分と向き合うことで、抑圧要因を発見することです。私の中で従来の考え方から新しい知見が得られたので、もっと犯罪心理および教育について学びたいと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?