オリンピックの話をしよう。 1992年キリンビール オリンピックキャンペーンより
第一話
「金メダル半分あげる」と彼女は言った。
ひとつの金メダルをふたつにした
マツとマメのものがたり。
マツとマメの金メダルの話をしよう。ふたりは、ひとつの金メダルを半分に切断してそれぞれが持っている。マツこと松田紀子さんとマメこと永木芳子さんは高校を卒業するとバレーボールの名門会社に入社した。気が合ったふたりは、一緒にオリンピックコートに立つことが夢だった。全国から集まった優秀な選手がしのぎを削るチームの中で、マツとマメはお互い持てる技術を惜しげもなく教え合い技を磨