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知的障害の息子④〜3歳半検診〜

来年度の4月から療育スタートを控えた冬、
保健師さんによる3歳半検診がありました。

今までの検診(3ヶ月•7ヶ月•12ヶ月•1歳半)は何も引っかからず、それでも「もっと詳しく観てほしいです。個別相談させて下さい。」と食い下がっては「まぁまぁ」とたしなめられ、

それでも「まぁ話を聞くことでお母さんの気が済むなら…」と形式的な個別相談の場を設けてもらっては

「大丈夫よー。まだ小さいし、様子見ましょ。また半年後に見せてねー」の定型文を聞くためだけの面談を繰り返していました。

【様子見】って、親にとっては【引き続き悩み続けて下さいね】と同義に感じます。

3歳半検診の保健師さんは、以前個別相談の対応をしてもらった、忘れられない人でした。

なぜ忘れられなかったか。この人の放った言葉が忘れられなかったからです。悪い意味で。

「お母さんあのね?療育療育って言うけどね?療育なんて魔法じゃないのよ?行ったからってパッと成長するもんじゃないの!どうしてそんなに療育にこだわるの?」

早期療育の重要性が謳われている時代に、プロがそんなこと言うんだ…と絶望したのを覚えています。

親の自己満足で通わせたいと思われたのかもしれません。もしくは通わせることで健常児になれると勘違いしている親と思われたのかもしれません。

私は少しでも子供が生きやすいように、より笑顔で過ごせるように、将来二次障害にならないように、子供の幸せな人生のために療育に通わせたいという思いと、

発達障害の早期発見が増えた現代では療育施設はどこも順番待ち•人気のところは何年も待つところもあるという情報から焦っていたのは事実です。

「子供のために」と情報を集めあちこち相談に動き回っているのも結局、「少しでも子供に成長してほしいという親の自己満足」なのかなと、この保健師さんの子供で混乱した記憶があります。


そして3歳半検診、どんなテストをしたのかもう忘れてしまいましたが、ことごとく息子は何も出来ず、例の保健師さんの顔がどんどん険しくなっていったのを覚えています。

保健師さんは、以前私と何度か個別面談をしていたことを覚えてらっしゃらなかったようです。沢山子供をみてらっしゃるので、当然だと思いますが、私にニッコリ笑って優しくこう言いました。

「お母さんあのね、療育って知ってる?子供の苦手なところを遊びながら伸ばしていくところなんだけど。習い事みたいな感じで、一回見学だけでも行ってみない?」

療育に繋がりたいと必死だった私に「療育行ったってパッと成長するもんじゃない!なんで療育にこだわるの?」と言い放った張本人が、

始めましての感じで、母親が傷つかないような言葉を選んで療育勧めて来る事態。

(私、あなたに療育にこだわるなって言われたんですけど。)

という言葉が喉まで出かかっていましたが、

ここでバトルして空気悪くする気力もなく、

「あ、もう4月から通う話になってます…」と力無く返事をするのみでした。

その時の保健師さんのホッとした顔が忘れられません。中には療育を勧められて怒り出す親もいますから、ここは保健師さんの仕事のなかでも神経使うところなんでしょう。

「あ、そう!それなら話早いわねー」
「それじゃ今後は療育施設で色々見てもらえるから安心ね」

と「よし、私の仕事はここまで!後はアチラ(療育)でどうぞー」という【時間のかかる仕事を早く巻けたウキウキ感】がその保健師さんからマジマジと感じられ、

沸々とする怒りの行き場に困ったことを覚えています。

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