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ニーハオと言われたら?

私のお気に入りのPodcastに「バイリンガルニュース」という番組があります。
バイリンガルであるMamiさんとMichealsさんが、気になるニュースについて意見を交わす番組で、私はこの2人の大ファンと言っても過言ではありません。

そんなバイリンガルニュースの#564 特別編(23.6.8)を聴いていて、自分にも身に覚えのある内容がありました。

ゲストのMayumiさんの、"アジア人の友達と道歩いてると、ヤンチャな兄ちゃんたちから「ニーハオ」とか言われたりする"という話です。
Mamiさんも経験があるようで、番組の中でも色々お話をされていました。

これについては、おそらく日本人(アジア人?)でアジア圏以外に行ったことがある方なら経験された人が多いのでは?と思うくらい、私も何度か身に覚えがあります。

その中でも、特に印象的な出来事が1つあり、久しぶりに思い出したので、そのことについて書きたいと思います。


2016年、私が北アフリカのモロッコに旅行に行ったときのことです。

海外の旅行会社のツアーで、参加者はヨーロッパやオーストラリア、北米と、様々な地域・国から来ていましたが、10人ほどの参加者の中でアジア系は私一人でした。
とはいえ、みんな気さくな良い人で、英語が下手な私とも普通に仲良くしてくれ、楽しいツアーでした。

そんなツアー中、モロッコの街を歩いているときに、現地の男の子数人が「ニーハオ」「シェイシェイ」
と、こっちをみて笑いながら言ってきたことがありました。

私は面倒で無視していたのですが、ツアーメンバーのドイツ人女性が
「Shut up!! She is Japanese!!!」
と、その男の子たちに怒り出したのです。

残念ながらそれでも男の子たちは反省した様子はありませんでしたが、私はその女性に感謝の気持ちを伝えました。

自分のことのように怒ってくれ、とても感謝していますし、なんなら少し感動しました。
でも、正直私はその現地の男の子たちに対して、怒りも憤りも感じておらず、面倒だなあ、くらいにしか考えていませんでした。

差別をされるということに対して鈍くなっている自分がいるのかもしれない、とそのとき思いました。
それまでにも似たような経験はありましたが、もしかしたらこれは怒るべきことなのではないか、とそのとき初めて気がついたのです。

差別はする側に問題があるし、相手にしない、というのも対処法として間違ってはいないと思います。
特に一人でいる場合などは、相手が逆ギレしてきても怖いですし。

でもそれと何も感じないというのは別問題で、無視して放置するのでは、何も前に進みません。
今回のような出来事は、特に実害はないものではありますが、アジア人だというのを面白がってからかう、なんてことが普通にあるのはおかしいことです。

あの女性は、もちろん私のために怒ってくれたのもあると思いますが、そもそも差別そのものが許せなかったのではないかと思います。
差別というのは、個人の問題でも、特定の人種の人の問題でもなく、この世界にいる全員の問題だと考えていてのことかもしれません。

私の体験はもう何年も前ですが、いまだにそんなことをする人がいるのなら、世界がもっと良くなるように自分に何ができるのか、もしまた同じような場面に遭遇したらどうするか、私も自分ごととしてちゃんと考えていたいと思います。(安全第一ですが。)

また、日本にいるときも、外国人も外国人っぽい見た目の人も、そしてもちろん日本人にも、どんな人にも普通に一人の人間としてリスペクトできる自分でいたいです。


近い将来、アジア人であることをからかわれるのが「あるある」ではない世界になることを願います。


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