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【葬送のフリーレン】Anytime Anywhere〜Can you hear me?

私が「葬送のフリーレン」でいつも気になるのは、エルフのフリーレンが勇者ヒンメルを好きだという感情を持っているかどうかだ。

今回はアニメ本編ではなく、主題歌から探ってみたい。
Anytime Anywhere は、miletが歌う葬送のフリーレンのエンディングテーマだ。この曲は3段構成になっている。

1段目 後悔

鮮明でいたい思い出を抱きしめている
さよならよりずっと大切な
言葉で伝えたいんだ

Anytime Anywhere by milet

ヒンメルが亡くなり、喪失感が重くのしかかる様子が描かれる。Can you hear me? と語りかけるように歌われていく。

だから あなたと また 巡り逢ったら
もう離さない 今を選ぶんだろう

Anytime Anywhere by milet

もう一度、ヒンメル(の思い出)に会うために、同じ旅路をたどる(たどらざるを得ない)気持ちが表れている

2段目 成長

全部意味があるよ
立ち止まった日々も
今さらわかってあなたに追いついたよ

Anytime Anywhere by milet

再度旅をするうちに、各地にヒンメルが残した思いを知ることになる。前回の旅でフリーレンには分からなかったことが、今回は少し分かるようになり、彼女が成長していく様子を表している。それにしても、1000年前に師匠のフランメが残した言葉や、約50年前にヒンメルがとった行動にハッとするとは。

3段目 確信 

せめて 会いたいよなんて言わないから
ねえ 今日だけは思い出していいかな

Anytime Anywhere by milet

フリーレンがいくらヒンメルの影を追いかけても、ふたりが共に生きた時間は取り戻せないことを改めて悟る。

絶対なんてなくても
いつでも届いているから

Anytime Anywhere by milet

一緒に過ごした日々は取り戻せなくても、思いはヒンメルに届いているはずとフリーレンは確信する。もしかして、いつか天国の女神様のもとで再会できるのかも。

ラスト

I’m whispering our lullaby for you to come back home

Anytime Anywhere by milet

lullabyは子守歌と訳されることが多いが、おとぎ話と訳しているファンのコメントを見つけた。なるほど!長寿のフリーレンにとって、ヒンメルと過ごした10年間は一瞬で、数百年後に振り返ればおとぎ話のようなものなのか。

ヒンメルがまたフリーレンのもとへ帰って来られるように、彼と過ごしたおとぎ話を口ずさんでいる。思いは想像もつかないほど長い間つづき、いつか実感の伴わないおとぎ話のようになっても、フリーレンの記憶は残り続ける。各地に残る銅像よりも長く。

フリーレンがヒンメルに抱く感情は、どうやら恋愛を超越しているようだ。

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