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鼓門(北陸新幹線金沢駅)に響く御陣乗太鼓

私にとって、旅に音楽は付きものだ。
すぐに浮かぶのは、ゴダイゴの「銀河鉄道999」、中島みゆきの「ホームにて」
小学生の頃、金沢駅へ向かう列車は鈍行列車だった。3時間もかかる代物でとても快適とはいえない。座席は4人掛け向かい合わせでシートは固かった記憶がある。住み慣れた町を出て、県都へ出かけていく高揚感・不安感は、映画「銀河鉄道999」の出発シーンと重なっていた。新幹線の新神戸駅のホームで期せずこの曲を聞いたときは、うれしい気持ちが湧き上がったのを覚えている。

時は流れ、大学生の頃。
東京から金沢へ帰るホームでは、頭の中に中島みゆきの声が響いていた。小学生の頃から聞いていた「ホームにて」だ。もの悲しい曲調は、石川啄木の「ふるさとの訛りなつかし停車場の〜」を連想させた。上野から金沢へ行くには特急列車を乗り継ぐ必要がある。日本海側の新潟へのトンネルを抜けるときには、川端康成の「雪国」も思い出したものだ。

そうこうするうちに、北陸新幹線が運行するようになる。時間が大幅に短縮され、2024年3月16日には北陸新幹線が石川県内を通過し敦賀まで延伸した。かつて北陸新幹線の金沢開業時には金沢が大いに賑わったが、今回は北陸三県に新たな盛り上がりがあるだろう。将来、新大阪へ行くのも楽しみ。今回金沢駅では、北陸新幹線県内開業記念イベントで輪島市名舟町の「御陣乗太鼓」も披露される。名舟町は1月の能登半島地震で孤立集落となり白山市に集団移転した。今年の打ち初めも避難先で行ったという。

一度聞いたら記憶に残る勇壮な太鼓の演舞。石川県の有形民俗文化財に指定されている。聞いたことが無い人は、心揺さぶる振動をぜひ体験してみてほしい。金沢を訪れる人々、能登から思いを馳せる人々の心にどのように響くだろうか。これからも音楽が旅に寄り添い、盛り上げてくれるに違いない。

追記
北陸新幹線 小松駅と加賀温泉駅の発車メロディは、ユーミンが作曲されたのでこちらも楽しみです。

参考
https://youtu.be/LuR-gS8KTPI?si=WidWYLN1ZaqEIde5

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