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海のはじまりとかぞかぞ4つの共通点

2024年夏ドラマの話題作は、海のはじまり家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だったの2作。選者は私なので異論は認めません。

2つのドラマには共通点がある。

  1. 亡くなった者の描かれ方

  2. 海の意味

  3. 風呂での感情爆発

  4. 父の存在

1.亡くなった者の描かれ方

海のはじまりでは、主人公のの元恋人であり、の母親として水季が頻繁に登場する。亡くなっているので回想シーンで出てくるのだが、存在感は現在も生きているかのように迫ってくる。

かぞかぞでは、主人公の七実の父である耕助が、死んでいるのに常に家族を見守っている。その姿はダウン症の弟の草太にしか見えない。たまに七実にも見えるときはあるのだが、ごくまれだ。

亡くなってしまってから、ドラマに新たな情報を与える登場人物は珍しいと思う。両作品では、亡くなったふたりが毎回レギュラー出演している。

2.海の意味

海のはじまりでのの意味は、水季の子の名前であり、ふたりの回想シーンの主舞台でもある。

かぞかそでは、岸本家がそろって旅行に行った代表的な場所であり、七実が母ひとみに元気を取りもどしてもらうためにバイトして稼いで連れて行った特別な場所でもある。

3.風呂での感情爆発

風呂で泣きながら感情を爆発させるのは、かぞかぞの七実のインパクトが大きい。大丈夫と言い聞かせながら、大丈夫ではないことを自分に納得させるシーンにシャワーが使われている。

海のはじまりでは、弥生が中絶した事実をかみしめ、亡き子どもを思うシーンで、自らにシャワーをかけていた。海が大きなテーマの作品名だけに、水に関わる表現が採用されたと思われる。

4.父の存在

かぞかぞでは、死んだはずの父耕助がずっと家族に付いて回る。最終版に、家族が大丈夫と自覚すると消えてしまう役どころだ。七実が「死んでしまえ」と言ったきり取り戻せなかったトラウマの象徴でもある。草太にしか見えない存在であるのも興味深い。

海のはじまりでは、を中心に父親の、その父の和哉の存在が大きい。海の母の水季の父である翔平も母とは違う信頼感を醸し出している。家族の物語なので、両親の存在は大きいのだ。

まとめ

2024年秀作ツートップには共通点が多い。かぞかぞが昨年BSで先に放送されたことを考えると、なにかしらのインスピレーションを得た可能性もあるのではないか。風呂で感情を爆発させるシーンを見て、海のはじまり側で参考にしたのではないかと思ってしまった。

共通点は多いが、もちろんこの2つは別々の物語である。かぞかぞは大丈夫の意味を問うていくし、海のはじまりはを中心とした家族のあり方を投げかけていくのだろう。

とはいえ、海のはじまりが進行中のドラマなので、私は今後の放送でも共通点が現れるのかにも注目していく。みなさんがドラマを見る新たな見方のひとつになればうれしい。

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