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【その1】Chessboard(ヒゲダン)を聴いた

Chessboardは、第90回 NHK全国学校音楽コンクール中学校の部 課題曲。以前から合唱版は聴いていたが難曲だ。合唱作品として歌う苦労はいかほどだろうか。

アーティスト版がリリースされたので、改めて歌詞を振り返ってみた。
この曲では、歌詞で白黒のチェス盤と緑豊かな猫じゃらしの対比が色彩鮮やかで印象に残る。私は最初、チェスボードのモノトーンな世界がメインで、猫じゃらしの美しい世界が回想かと思っていたのだ。

しかし、違うように思えてきた。主人公は現実世界に生きている。それはチェスボードに例えられる人生であり、現在も続いている。空から石粒ほどの盤上の1マスへ降りてくるのも比喩なのだろう。そして、猫じゃらしいっぱいの野原である過去の一瞬を思い出す。モノトーンも緑色も現実ではないのだ。

また、曲中にでてくる「あなた」も気になる。
大事な人をいつか見失なうかもしれない。そしてまた会えるかな?と期待もしている人。「あなた」はいろいろな人と考えられる。友だち、先生、親、恋人。どれでも良いのだと思う。モノトーンだった世界に色を与えてくれた。思い出の中で輝き強く記憶に残っている「あなた」。いつも見守っていて支えてくれていた人なのだろう。聴く人歌う人のそれぞれ心にある人。

この曲で主人公は、地に足がついてきた今となっても、あなたに会えなくても、これまで通りChessboardの上で息をする。これからも生きてくとはそういうことなのだろう。これからも若者の冒険はつづいていく。


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