第7話【家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった】〜褒めて伸びる
主演の河合優実さんは、撮影が無いときは泣いていたそうだ。
以前のお風呂で泣き叫ぶシーンといい、今回のお母さんへの心配で行き詰まるシーンといい、感情を保つのが難しいのだと思う。
気持ちに余裕が無いと家族や友人へ心ない言葉が出てしまう状況がよく分かる。どんなに仕事が順調でも友人関係がうまくいっていても、家族のことになると逃げ場がない。特に身近な家族を自分でコントロールできないと、自身が追い詰められてしまう。
私も経験があるが、イケないと分かりながら、後で後悔すると知りながら、親しい人についついあたってしまう。家族のことは逃げられないから、自分に向き合うしかないから、孤独が深まってしまうのだ。
今回の七実は祖母が認知症とも知らず、友人のマルチの家庭にどんな問題が潜んでいるかも分からず、ふたりに辛く当たってしまう。それにしても、どうして認知症は突然来るのだろう。私の聞いたところ、医師によれば突然で来るのでは無いらしいが、ふと気付いてしまうと際限なくどんどん症状が出てくるように感じる。これから、おばあちゃんがクローズアップされる放送回もあるだろう。最終的には施設へ行くところまで描かれるのだろうか。
とはいえ、母の入院する病院に仕事仲間が東京から神戸まで来てくれて、手術が終わるのを一緒に待ってくれる。人は孤独だと言いながら、七実にとってやはりうれしい瞬間だっただろう。ひとときの安らぎでも救われた瞬間だと思う。
作家として褒められて伸び、家族のことで少し落ち込む。トータルで少しだけ進む様子は、さながら365歩のマーチか。いや今回のエンディングは、ピンキーとキラーズの「恋の季節」だった。意味深だが実は大した意味が無いのかもしれない。もしかして、おばあちゃんが恋に落ちる前兆だったりして。すっかり制作陣の手のひらの中だ。
(追記:おばあちゃんの徘徊行動の暗示だったのですね。気付くのおそっ!!)
物語が後半に近づくにつれて、猛スピードで展開していくドラマだはどこまで行くのだろう。草太のグループホーム入りが暗示されているところを見ると、noteで書かれた入所にまつわるエピソードも贅沢に使われていく気がする。
投稿がバズってから父に褒められ、母に褒められ、仕事にかかわる周囲に褒められ伸びた七実。お母さんの入院では落ちたけれども、病後も周りに褒められて伸びてほしいと願う回だった。悲劇がただの悲劇で終わらないこのドラマの生命力に期待したい。
さらに追記
今回は草太オーディション経験者がそろって出演するという神回だったそう。本当にたのしそうだった。
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