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不在となって分かること

         (約300字)

 ガラス一枚 隔ててしまえば

 大音量のエンジン音も

 耳をつんざく サイレンも

 どこかの国で 起きたも同じ

 私の届かない 事象のひとつ

 関わらないでいられたら

 心が痛むこともない

 なのに どうして読むのだろう

 人は人から気持ちをもらう

 優しいも 辛いも 華やぐも

 苦しいも 嬉しいも 悲しいも

 読まなければ 何でもないのに

 人の終わりを みると分かる

 黒い服 着た 人がいる

 あれだけ静かな人の 葬儀に

 あふれんばかりの 人がつどう

 そこで 私は 気づくのだ

 不在の人の近くに いられたことが

 どれだけ 幸せだったのか






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