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慣れないけど軽くなる

    (約600字)


涙も出ないほど辛いことが起きても、
だんだん記憶に新しい経験が重なって、
何度も季節が変わって、
やがて涙が出るようになって、
感情も薄れてゆく

たとえば、
好きな食べ物を我慢していると、
最初のうちは「食べたい」っていう欲求は
心に湧き上がるけれど、
いつの間にか、舌が味を忘れる

食べ物じゃなくてもいいのだけど、
視覚にしても、聴覚にしても、
感覚は繰り返しに心が反応するから、
それから離れることは「忘れる」に繋がる

こんな文章に苛立ちを覚える人がいるかもしれないけれど、

感情を感覚として受け取るうちは、
思い悩む気持ちから離れることが出来ない

遮断することが、辛いことから解放される近道だって分かる日はくる

だから
辛いことも苦しいことも
嫌なことから逃げずに経験を糧にしてほしい

誰だって嫌なことは避けたいけれど
芸術は長く人生は短いという

悲しみなんて幾つもやってきて
自分だけが何でって思う日もある

責任を取れない悲しみや苦しみが襲う日がきて

自分なんかが居ても仕方ない
自分だけが居なければ良かった
こんな人生はいらない
って思う日があるかもしれない


それは昔から
多くの人たちが考えた道のりに触れた感情で
珍しいことじゃない

いくつ試練が来たって慣れないけれど

逃げたくなる気持ちは軽くなっていく

逃げたって同じような場面はやってきて
それに立ち向かえる人は

人生を豊かに生きられる

誰かを助けられる人になる


和菓子屋でオマケしてもらった御手洗団子



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