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時間をお金で買うということ🍍

(約1,300字)

あいも変わらず日雇いのアルバイトもままならない日々を送っている。派遣会社に登録したものの、人気の働き口に応募しているのか、いわゆる需要と供給のマッチングに恵まれない。指先でポチッと応募して、夕方には不採用の返事。便利な世の中になったものだ。


しかし、時間だけはある。
先日、駅ビルの生鮮市場で買った『完熟パイン』をカットしてみた。思ったより簡単にひと口大になった。


購入時に悩んだのは、カット済みを買うか、丸のままの果実を買うか、だった。カットしたパインが小さいビニール袋に入って700〜900円の値段がついていた。鋭く硬い葉っぱがツンツンついている完熟パインは、食べ頃の甘い匂いを放っていたが、店頭では小さく見えた。まわりの皮と真ん中の芯を取ったら、食べられるところはほんの少しになるかもしれない。十数秒眺めてから、チクチクと腕にあたる方を買った。

一つまるまるカットしてみたら、親指と人差し指を開いたくらいの長さの容器にいっぱいになった。けっこうな量だ。
いくら分くらいだろう?
丸のままだと399円→税込みで、430円。
インターネットで冷凍パインの値段を調べると、3kgで7,000円くらいと分かった。
自らカットしたパインは、475gの量だった。
算数が苦手な私が、計算を試みる。「内項の積と外項の積は等しい」から、X(エックス)は‥‥1,108.333・・・円!!!
カットするだけで1,000円以上の価値になるのか。加工する手間が、カットフルーツを高価にするのだなぁ。
1,108円一430円=678円
カットして、678円の手間(仕事)をしたのだ、と思ったら急にお得な感じがした。
430円÷1108円=0.388
約62%引きのお値段。

この計算、合っているのかしら?
※もし間違えていましたら、ご指摘ください。


ほんとに時間だけはある、‥‥時間しかないともいうが、それも利益を生むのだなぁ。


たとえば、旅行でタクシーを使う。
目的地をタクシーで目指すのも、徒歩で行く道のりを楽しむのも、レンタル自転車で風をきって移動するのも、それは人により楽しみ方が違うだろう。
せっかくの旅の時間を有意義に使わなくては、とお金を出して行くのもいい。ときには恥をかいたり、苦労して、あぁいい旅になった、と思い出を作るのも刺激的な旅になる。
結局、どっちもアリなのだ。


価値観の違いで、時間がお金で買えるならサービスを受けよう、と思うのは贅沢なばかりではない。行動の選択肢が増えるということは、経験値が増えることにもなる。


人生に置き替えて考えてみる。回り道ばかりの人生は、他人からは笑われているかもしれないけれど、私はこうでしか生きられなかった。それは私が選んだ結果なんだなぁ。


カットフルーツをいただくだけなのに、お金と時間について考えてみた。


実家に帰省して、今は冷蔵庫で完熟パインが眠っている。

お父さんとお母さんに、計算をしてみた経緯を話しながら食べよう。お母さんは暗算が速いので、計算では時々ついていけなくなるけど「あんた、ヒマだねぇ」と呆れながら笑ってくれると思う。

笑えたら、それでいい。
大雨でも
いい日になりますように。



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