宮本浩次を見て思った。

二十歳過ぎた頃には、「カッコつけることはカッコ悪い」と感じるようになる人は多いと思うが、

エレファントカシマシの宮本浩次のように「いつまでもカッコつけ続けること」の結果がコメディや道化師のようなの得体の知れない味わい深さまで備わってきている様を見ると、その貫かれた姿勢や生き様に伴う苦痛や苦悩を想像するだけで、ただただ敬服したい気持ちになる。

同じような服装、髪型、キャラクター、、、それらを何年も続けることは難しい。身体的な老化、変化する感受性、時代の移り変わり、取り巻く環境に適応するために自分自身を変えるのでなく、周りを自分に合わせさせるような我の強さ、貫き通す強靭な精神が必要なのだろう。

肝心の中身を蔑ろにして表層ばかりを着飾ることはカッコ悪い気もするが、中身を伴わなくても、自分自身の理想、あるべき姿を「これだ!」と一つに決めて、誰に何と言われようが思われようが己の理想を愚直に突き進む男はカッコいい。芯が真っ直ぐに通っていると、間抜けさや愚かさも反転して大きな魅力へと変わる。得てして理想と現実は違うものだが、理想を無理やり現実に合わせるのでなく、心の中にある理想こそ唯一無比の真と信じる。一体その真とはどこにあるのだろうか?

宮本氏は、醜い姿をさらけ出しても、滑稽だと笑われようとも、真を追い求め、もがき続ける一己の魂を体現しているかのようだ。

もちろん舞台の上と日常生活とでは違うだろうし、オンとオフのスイッチもあるだろうけれど。

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