相撲と女

相撲の中継を観ていると、前列の良い席に独特の雰囲気がある美女をよく見かける。

名古屋場所の名物として、いかにも夜の街からやってきたような着物姿の美女達がずらりと複数並ぶ景色は有名だ。おそらく名古屋関係のタニマチ、その筋との繋がりがあるのだろう。私が気になるのは名古屋場所の女達とは違って、普通の場所(両国)に単独で観に来ている女である。前列の席はお金を払えば取れるわけではないので、何らかのわけがあるはずである。

そのわけにもいろいろな場合があるのだろうけど、私が勝手に予想するに、彼女らは→①大きな力を持った人(前列の席を手配できる権力者)と関係性がある。②その権力者に「チケット下さい。」と自らの意思で頼んでいる(相撲が好きだから)。③中継に自らの姿が映っている事を強く意識している。(お淑やかに見えるが、目立つ服装をしている)④自分自身を美女だと強く認識している。(佇まいから推測)⑤相撲という無骨な力士達のぶつかり合いの中で、よりいっそう自分の存在価値、特異性を感じている。男の世界に自ら足を運んで自己の存在を内外に知らしめている。(無意識かもしれないが)⑥取組中、何かしらの恍惚感を感じている。(力士への恋か、それとも戦う全ての男たちに自らを捧げるような開放心か)

相撲は女人禁制の世界である。だからこそ最前列付近に陣取る彼女らから、「女」という存在、より女が女として強調される一種の強い力、構成要素、などなど、考えさせられる。おそらく相撲だけではなく、あらゆる世界でこの構図はあるのだろう。


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